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キューバ体験記
キューバに6日間滞在した。
キューバに行くことを決めた理由
僕はオードリーの若林さんの著書を全部読破している。
その中のひとつので僕が好きな本に「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」という本がある。
それは若林さんのお父さんが亡くなりその父親が生前にキューバに行ってみたいと言っていた事を理由に若林さんがキューバを一人で訪れた時の話が記されている。
キューバの旅中に若林さんが感じたことをお父さんに心の中で話しかけるスタイルで書き連ねられている。
僕はこの本が好きで2回読んだ。キューバにまつわるオールナイトニッポンのラジオのトークも好きだ。
僕がキューバに行く事を決めた理由は若林さんが訪れたところを僕も訪れたいから。あと、度胸試し。
発展途上国で社会主義国のキューバに一人で行く。これだけで度胸試しになると思ったのだ。(結果的にキューバは治安が良く危険な目には会うことはなかったのだが。)
まずはツーリストカードを取得することから
若林さんがキューバに行った話をオールナイトニッポンでしていたときに赤羽橋のキューバ大使館に手続きに行ってそこの職員が陽気そうだったみたいな話をしていた。
キューバに行くには大使館に行かなきゃいけないんだというのは知っていたのでキューバに行く事を決めたとき大使館に電話をかけた。
すると、2024年7月ごろからキューバに行くための手続きはオンラインでできるようになったとのことだった。
E-Visaというらしい。
ホームページで必要事項を入力してキューバ大使館に2800円程度を振り込むと滞在7日前にまた追加でホテルの住所やらを打ち込んで手続きは完了だ。
出国日
今回の旅ではイスタンブール経由でキューバはハバナにあるホセマルティネス空港に到着するルートを選んだ。てっきりメキシコ経由が王道なのかと思っていたが僕が航空券を探した時には一番安いのがイスタンブール経由だった。とはいっても航空券を取ったのが1ヶ月前だったので往復30万円くらいも必要だった。多分もっと前々から航空券を取るともっと安くもっと最短距離で行けるのだと思う。
出国当日、アメリカドル10万円分(650ドル)を握りしめて成田空港に向かった。ターキッシュエアラインのチェックインカウンターでチェックインをすると「キューバ入国のビザを見せろ」とのこと。
でも僕はE-Visaを取得している。ものはない。
でもターキッシュエアライン側は多分E-Visaに移行したことを知らない。
「もう一回並び直してメールとかを探してください。絶対に何かしらQRコードが送られているはずです。」
imformacion Adelantada del Viajero という税関に出すやつみたいなものの紙は持っていたのでそれを見せてもこれは違う。と。
結局僕はもう一回並び直しながらメールを見返したがやはり無い。
あなたのビザは認証されました。approvedと書かれたメールを見せよう。そう思い順番をまった。前回とは違う係員がいるカウンタに案内されると、すんなり荷物を預けられて航空券をもらえた。Visaを見せろとすら言われなかった。それはそれで不安になった。
「これ向こうついて入国できない可能性ある?」
僕はキューバ大使館に電話をかけることにした。
朝9時半から開館とグーグルに書いてあったので9時半になった瞬間に電話をかけるとビザの案内は10時からとのこと。出発時間が9時50分くらいだったのでもう間に合わない。不安な中僕は飛行機に乗った。
イスタンブール到着
イスタンブールに到着し7時間くらい空き時間があった。
僕は横になれそうな椅子を探し寝っ転がりながらYouTubeを見ていた。
ハバナ行きの飛行機の出発2時間前に搭乗案内の画面を見るとcanceledの文字が。
どうやらキューバに台風が直撃しているらしく今日の着陸は難しいとのこと。
僕はターキッシュ航空のカウンターに振替便の手配をするために向かった。かなり混んでいたので近くのベンチに座っていると横に酔っ払いの白人男性が座った。すると「ワッツアップ持ってる?」と急に話しかけられ、持っていることを伝えるとスマホを取られて電話番号を入力し出した。
俺と友達になりたいのかな?
と思ったがその電話番号に電話をかけ出して首を傾げるばかり。
その後、また別の電話番号に電話をかけると会話をし始めた。
すると急に涙ぐみ出して嗚咽するくらいに号泣し始めた。
周囲の人も驚いた顔で彼を見つめる。
電話を切った彼にどうしたのか聞くと、財布とスマホを失くしてパスポートしか持ってない。これからどうすればいいかわからないとのこと。
僕はこいつを助けることに決めた。今日はもうキューバには行けないしこの空港で一番暇なのが僕だと思ったから。あと少し面白そうだから。
早々に今日滞在のホテルの案内と翌々日に変更された航空券を受け取り彼の相手をした。
エンジニアの酔っ払いイギリス人若年男性との出会い
彼は泥酔していた。
彼はジョージアに一人で旅行に行った帰路でイスタンブール国際空港に到着したらしい。そこからまた別のトルコ内の空港に移動してイギリスに帰る予定らしいのだが、その空港までの移動手段がお金がないからないとのこと。
ウーバーでそこまで行く場所を調べると日本円で6000円ほど。
全然払ってあげるよ。と僕がいうと、彼は大喜び。
お母さんに伝えるね。とまた僕のスマホを使って母親に連絡。
一緒に空港の出口まで向かう途中。ビールが売ってる売店を見つけるたびに「ビール飲んでいい?口座番号教えてくれたら後でママが送金するから」と聞いてくるので快く了承。彼は3杯もビールを飲んだ。
ほぼ吐きそうになっている彼と一緒に出国のためにパスポートコントロールへ。僕が先に出国。彼を待っていると、彼はスムーズに事が進んでいない。
別の方向を指さされて一人トボトボ歩いて行った。
別の出口から出てくるのかな?
そう思い、外に出て30分くらい彼を待っていたが出てこなかった。
僕のWhat's appには彼の母親から「本当に親切な日本人に出会えて感謝です。私は安全に息子が家に帰ってきて欲しいだけです。」みたいなメッセージが来ていた。
ホテルまでのシャトルバスがもう少しで来るとのことで僕には時間がなかった。
「彼は出国がうまく出来ずに僕とまだ落ち合えてません。そろそろホテルに行かないといけないので幸運を祈っています。」と僕はメッセージを送りイスタンブール空港を後にした。
彼はどうなったのだろうか。
絶対に僕に助けを求めるんじゃなくて空港の職員に話しかけるべきだろ。
てかビール飲みすぎだろ。
まずどこでスマホ無くしたんだよ。
「iPhoneを探す」機能を使ってあげればよかったなと後から反省。
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キューバ到着
イスタンブール空港から車で15分くらいのホテルに無料で滞在した。
棚からぼたもちのイスタンブール滞在。
どこかに観光へ行こうと思ったが僕はトイレに2回くらい起きただけで24時間も睡眠してしまった。結局、どこにもいけずホテルから一歩も出れずまたイスタンブール空港に出戻りしたのであった。
問題なくハバナ行きの飛行機に乗り込み僕はまた爆睡した。
ついにハバナに到着!
すると驚いた。空港のエスカレーターが停電で止まっている。照明もついていない。
初っ端からキューバを感じさせられた。
入国はスムーズにできた。やはりE-Visaだから何も書類を求められなかった。英文で書かれた海外旅行保険の書面も必要とネットには書いていたがそれの提示も求められなかった。
荷物の受け取りに進むと僕の荷物がない!
おー、初めてロストバゲッジに遭った。と関心してしまった。
職員に話しかけると、「もう少し自分で探してみて」とのこと。
なんて適当なんだ。
言われた通り探してみたがもちろんない。
荷物の流れてくるベルトは2つあった。
一つは僕が乗った便の荷物が送られるベルト。
もう一つはアメリカからきた飛行機の荷物のベルト。
まさかなあ、と思いながらアメリカからのベルトの前に行ってみる。
僕のバックパックがそこにはポツリと流れていた。
また面食らってしまった。
どうしたらそこに俺の荷物が流れているんだよ。
結果的には何も問題なく無事空港から出た僕。
次にやるべきはSIMカードの受け取りだ。
だがSIMカードの受け取り場所の店舗が閉まっている。
タクシーのキャッチになんで閉まってるのか聞くと、「昨日の台風で停電してて仕事にならないから今日はみんな休んでるよ。明日また来な。」と。
街にSIMカード買えるところはある?と聞くと「わかんない」と。
うーん。とりあえずホテルに向かうかあ。
そのキャッチに25アメリカドルを渡しホテルまで送ってもらった。
僕が止まったホテルはCasaと呼ばれる民宿みたいなもので中年夫婦が一緒に住んでいるタイプの宿だった。
もちろん宿も停電していた。水も流れない。
でも人柄はかなり良く笑顔が温かかった。
英語は本当に一つも通じない。スペイン語のみで笑顔でベラベラ話してくる。滞在中こちらがスペイン語ひとつもわからないのにずっとスペイン語で話しかけてきた。
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キューバの洗礼
とにかくお腹が空いていた僕は何か食べに行こうと街に出た。
すると一人の黒人男子が話かけてきた。
Change Money?と。
ノー。でもお腹すいたからどっか食べれる場所知らない?
すると彼は案内してくれた。
停電の影響で3店舗くらいレストランを尋ねたが飲みものしか出せないとのこと。
ようやく見つけたピザ屋さんに到着。
ピザ一枚が出てくるまで30分も待った。1ドルで食べられた。
その後事件は起きた。
「100ドルか50ドル持ってる?換金してあげる。観光客が近くにいたらレートが悪くなるから俺一人で行く。5分くらいここで待ってて。」と。
僕は断った。
ネットによると換金は宿の人にしてもらうのが安全と書かれていたから。
でも彼は「俺を信じてくれ。」と。
99%、彼が戻ってくることはないなとわかっていながら僕はそいつに100ドル札を渡してしまった。
もちろん彼は戻ってこなかった。
こいつが戻ってくることはないんだろうなと思いながら去っていく後ろ姿を見ながらなぜか笑ってしまった。
毎回こんなんだな。オレの旅行。
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ありがたい出会い
彼が角を曲がったとき一人の男性が話しかけてきた。
旅行者ですか?英語はなせる?と。
旅行者だよ。英語は少しだけなら。と返答。
どこか空いてるレストラン知らない?と。
知らない。さっきピザなら食べれるところあったよ。と返答。
それより聞いてくれよ。さっき100ドル取られちゃったわ。
まじか。道端の人に換金を頼むのはやっちゃダメだよ。俺のairbnbのホストが適正レートで換金してくれるからそいつに頼んであげる。
僕に話しかけてきた彼は15歳で家族でカザフスタンからトロントに移住してきた40歳のトレーダーだった。ロマン、という名前。
彼に連れられて彼のairbnbのホストとあった。100ドルを約30000キューバペソに換金してくれた。
後から調べるとこれはかなり破格だった。普通のレートより3倍くらい得した。キューバで有名なエアビーのオーナーらしく実際にかなり信用できる人だったみたい。
換金後、ロマンと一緒に晩御飯に行った。
ロマンは昨日の停電の影響で今日だけまた別にホテルをとっているとのことだった。ホテルイングラテラという割と良さげなホテル。
ちゃんとしたホテルだからなのかここは停電していなかった。
晩御飯も無料らしく好きなもの食べな、とロマンは言ってくれたのでお言葉に甘えてサンドイッチを注文。
次の日から最終日まで僕は毎日ロマンと行動を共にした。
キューバ最終日
ロマンとビーチに行った帰りに僕は見つけてしまった。
初日に僕の100ドルを持って去っていった黒人男性を。
それをロマンに伝えるとロマンは取り返しに行こうと言い彼に近づいた。
この日本人覚えてる?
覚えてないな。
お前に100ドル渡したはずなんだけど返してくれ。
本当に覚えてない。
ここまでのやり取りは聞き取れたがそれ以降は早口すぎて聞き取れなかったがロマンが激昂してファック。という単語を連発していたのは聞こえてそれに反応してその黒人もブチギレた。
もちろんお金は返してもらえずやり取りは終了。
ロマン、いいやつすぎる。
6日間ずっと過ごしていていいやつなことはわかっていたがこいつ本物のいいやつじゃん。と感動した。
最後の一緒に晩御飯を食べてお別れの時。
今度日本行くからまた会おう。とロマン。
絶対連絡してね。100ドル取られたけど、そのおかげでロマンと会えて本当にいい旅になったわ。ありがとう。
宿までの帰り道、少しだけ泣きそうになりながら本当にいいやつだったなと感動。
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2度と行かない
キューバ旅の全部を書こうと思ったけど途中からめんどくさくなったので色々省いた。
諸々含めて2度とキューバには行かなくていい。
今後資本主義になって停電も起きなくてネット環境も整って自国通貨だけを使用できるならいく。
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