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インドで強盗されかけた話

インドに行きたい。

iPhoneのリマインダーに「インド」だけ書いていた僕は航空券のチケットを取った。
インドに行くと人生が変わるとか価値観が変わるとよく言われているがどんなもんなのか自分の目で確認したかった。

ニューデリー国際空港に着いてニューデリーに滞在してアーグラに行きタージマハルを見たところは中略するが、その間にもインドに幻滅することは何度もあった。

タージマハル
感想は微妙

今回の目的地はタージマハルとガンジス川だった。

タージマハルからガンジス川まで行くためにニューデリーからバラナシまで飛行機で行った。バラナシ空港に着いてWi-Fiを繋ごうとしたが全くWi-Fiが機能しなかった。それなら携帯の電波を使おう、と電波を繋いだがこれも全く機能しない。4本立ってるのにサイトなどが全く読み込まれない。10分経ってやっと一つのサイトが読み込まれるくらい遅い。30分くらいかけてUberでタクシーを呼ぶ事に成功した。

タクシー運転手にはにはあらかじめ目的地がアプリを通じて伝わっているのでホテルまでは向かえる。ホテルのWi-Fiを使って何とか快適なネット生活を過ごそうと思っていた。
しかし、ホテルの近くに着いたところ運転手が「ホテルまでは道が狭すぎて行けないからここで降りて。」と言ってきた。そう言われることは予想していた。とりあえず運転手のカーナビを写メってホテルに向かおう。

運転手のマップ

まっすぐいって左に曲がるだけだから余裕だ!と思っていたがそう上手くは行かなかった。
まったくホテルの名前の看板が見当たらない。
どうしようかなー。と携帯を見てもやはり電波は繋がらない。

たまたま日本人カップルがいたから携帯使わせてもらってもいいですか?と話しかけてマップを見てもやはり同じ場所が出る。

するとそこで1人のインド人が話しかけてきた。
「迷ってる?ホテルの名前教えてくれたら案内するよ。」と。

絶対こいつ、このホテルは空いてないからって別のホテルに案内してくるだろ。と思っていたが、本当にこいつは僕の目的のホテルまで案内してくれた。

はじめてちゃんとしたインド人に会った!と感動した。
チェックインを済ませると外で待っていた彼はガンジス川まで案内するよ、と言ってきた。
電波も繋がらない僕には断る選択肢などなかった。

結構ちゃんとガンジス川周辺を案内してくれた。
ガンジス川は個人的に行って良かったランキング上位。
月一回の祭りみたいなのも夜見れた。

ガンジス川の横にある売店でタバコ1本とチャイティーを奢ってくれた。

ガンジス川を見終えたあと彼は「俺の甥がやってるお土産屋さんがあるからそこに寄ってくれないか?見るだけでいいから。おばさんが淹れてくれるチャイティーも出すからさ。」
買うつもりはないが断るのも違うと思い、行く事にした。

狭い路地を曲がったところにその店はあった。
僕を案内してくれた彼はチャイティーを取りに2階に上がった。僕は甥とその友人らしき人と3人になり甥はたくさんのお土産を僕に見せてきた。
2階から1杯のチャイティーを持って降りてきた彼がそれを僕に渡した。
すするようにチャイティーを味わった瞬間、僕はあることを思い出した。

「インド人から出された飲み物に睡眠薬が混ぜられていて気付いた時には見ぐるみを剥がされる事件が多発している」
インドに行く前に見たネットの記事だ。

僕はひと口すすっただけでチャイティーを飲むのをやめた。
「さっきのチャイティーは店で出されたやつだけどコレは本当に信用できるのかな。本当に睡眠薬混ざってたらやばいな。」
僕は不安になりながら甥のセールストークを聞いていた。

ひと口飲んだ5分後だろうか。
心臓がドキドキし始めて甥の話す声がどこか遠くからきこえるように感じる。視界も少しぐるぐる回りはじめた。
僕は大麻を吸った事はないが、大麻の感覚と似ている。
「これはやられた。早く逃げないと。」
すぐに僕は甥に「このスカーフみたいなやつ買うから帰るね。」と席を立った。
「おい!待て!とりあえずこのチャイ全部のめよ!」
僕は断り続け、よく分からない3000円のスカーフを片手に何とかその場を離れることができた。

と、いっても携帯の電波が繋がらないからホテルまでの道がわからない。

結局ぼくは1日中僕を案内してくれて大麻か睡眠剤入りのチャイティーを出してきた彼にホテルまで案内してもらう必要があった。

「あれ飲んだら眠くなったんだけど、なんか入れた?」

「そんなわけないだろ!1日中歩いてたんだからあったかい飲み物飲んで眠くなっただけだよ。もしそんなもの入れてたら俺があいつら殺してやるよ。」

と。

チャイティー持ってきたのはお前じゃない?とは思ったがなんとなく言うのはやめた。

結局そいつはちゃんとホテルまで僕を送ってくれた。(しっかりガイド代のチップを過剰に請求されてそこで一悶着はあった。)

振り返ってみてもあれには何か入れられてたのか。それとも本当に僕の思い過ごしなのか。
すすっただけだったが本当に変な感覚になった。
でも、お土産屋から帰る道中はある程度普通の感覚に戻ってはいた。真相は分からない。

最終的に僕は何も金品は取られず日本に帰る事ができた。しっかり帰国後5日間たった今もも下痢は続いているが。

インドに行くと人生が変わる、とよく言われているが僕はあんまり分からなかった。1週間しか行っていないから、なのかもしれない。

インドに行くと、「もう一回行きたい人と二度と行きたくない人」の二極化するというが僕は二度といきたくない。でも南部の方は良いかもしれないから行ってみてもいいかな、と少しだけ思ってはいるが。

高速道路を走っていると何台も逆走している車がいた。タクシーの運転手に「これって普通?」と聞いたら「インドでは普通だよ。Everything is possible.」と。

Everything is possible.

インドをよく表現している言葉だと思う。
良い意味でも悪い意味でも僕はこの言葉が好きになった。

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