有為転変小日記
★ 12月31日 木曜日
マフラーにマスク、
毛糸の帽子に
手袋をして、早朝の散歩に出る。
怪しげな雲の塊の間から
まん丸い月が出ていた。
布団の中のマシュマロのような柔らかい
猫の感触から
この痛いほどの指先の冷たさを感じながら
目まぐるしい有為転変を想う。
もうすぐ新しい年。
時はどんどん移り変わっていく。
★ 2021年1月1日 金曜日
去年の今頃
予想もしなかった去年だった。
が、
今年も、思いがけない変化があるかも。
雨や嵐の後は、穏やかな晴天が待っている。
夜の後は、必ず朝が来て
また日が昇る。
生きている限り、
谷あれば山ありで、
あらゆるものが変化していく中を、
ただひたすら
いつものごとく、元気に乗り越えて
行くしかありません。
★ 1月2日 土曜日
朝5時半過ぎ、外は寒くて暗い。
速足で歩き、海岸に出ると
潮が遠くまで引いていた。
見上げると、空に
少し欠けたまん丸い月。
6時間ごとに満潮と干潮が繰り返されるのは
月の引力が、丸い地球の両端の
距離の違いによって変わるから。
とは言え、
不思議なものだ。
単なる自然現象の変化だけでなく、
それらが、まだ解明はされていないけれど、
人間の生と死にも
関係しているとなると、
なおさらに。
★ 1月3日 日曜日
十人十色という。
百人いれば、百人ともみな顔が違う。
やること、なすことも
似たようで、それぞれみな違う。
日の下に新しいものはなく
独創的なものといえども
脈々と受け継がれてきたものに
共有した何かを付け足したもの。
表現することは、同じようでも、
よくよく見れば、聞けば、味わえば、
十人十色。
その人らしい味わいが出れば
それでいい。
★ 1月4日 月曜日
自分一人が生きてきたという感じ
を抱くことが多いと思う。
が、よくよく考えてみると
衣食住すべてにわたって
知識や知恵についても、
自分以外のものから
お世話になっている。
自分というものが無いくらいに。
★ 1月5日 火曜日
人類は、原子力やウィルスを発見し、
多大な犠牲を払い、
その怖さを知った。
が、萎縮する方向ではなく、
人類の平和と幸福のために、
それらをいかに制圧し、
コントロールするかの
第二の知恵を、
総力挙げて結集しなければならない
のではなかろうか。
総力挙げてとは、
上も下も、右も左も、前も後ろも関係なく、
それこそ人類すべての知恵を
集結すること。
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