将棋の駒にかけた命
♫吹けば飛ぶような将棋の駒に・・・
村田英雄の王将の歌ですが、
昔、升田幸三っていう将棋士がいたことを思い出す。
将棋のわからない人にも、
その魅力を体現し、
おもしろい、やさしい、深い話をしてくれた人だった。
今は、ああいう破格な、というか、
人物そのものからにじみ出てくるような
人生哲学を自由に語り、
聞かせてくれる型破りな人がいなくなった。
時代が違うのは当然だけれど、
もしかして、今でもいるのかもしれない。
ただ、それを取り上げないメディアの在り方が
あるのか。
わずか17歳の年少の者が勝って
これまでにない記録を更新するということは、
確かに大快挙に違いない。
けれど、それだけが
将棋の在り方であろうか。
将棋は、勝ち負けを決する「真剣勝負」である。
が、やはりそこには、
長い歴史の中で培われた
奥深い文化そのものがあり、
勝てばそれでいいっていう単純なものでもなく、
負けても将棋であるところの、
深い精神領域が横たわっており、
何ものかを、一般社会に寄与する
文化が息づいている。
吹けば飛ぶような将棋の駒に
かけた命を
体現し、
話して聞かせてくれるような人が
将棋界に現れんことを。
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