北大阪急行、半世紀ぶりのリニューアル。箕面の新駅を見に行ってきた。
半世紀ぶりの延伸
大阪市内の公共交通機関の大動脈、大阪メトロ御堂筋線と相互直通運転を行なっている北大阪急行。
大阪に住んでいる人からしたら、あまり存在を意識をしません。
なぜなら、もともとは江坂、緑地公園、桃山台、千里中央駅の4駅しかなく、「なんでいちいち分けるねん。もう御堂筋線でええやん」と思って利用している人も多いからです(僕もそうでした。ちなみに江坂駅は大阪メトロと共同管轄)。
そんな北大阪急行。当たり前ですが、しっかりとしたきっかけがあって出来ました。
それは1970年の万博です。
万博会場への動員のため、千里丘陵から大阪市内を結ぶ交通機関として北大阪急行はこの年に開業しました。
大阪府と阪急電鉄などが共同出資した第三セクターであるため、大阪メトロとは運営元が違います。
なので、「御堂筋線でええやないか」はあまりに暴論なのです。
そしてこの度、1975年に開業した緑地公園駅から考えて、実に約50年ぶりに新駅が開業するとのことで早速見に行ってきました。
3月23日に開業した、箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅の2つの駅を見てきた時の様子をお届けします。
ちなみに僕は、駅や路線図が好きなだけの男なので、車両や線路の構造などは詳しく書けないので、その辺はご了承ください。
なんば駅から向かう
自宅最寄りの駅(千日前線)から、まずはなんば駅に向かいます。
この日は知り合いにもらった、大阪メトロの乗り放題券を片手に電車旅を楽しみます。
御堂筋線でなんば駅から北に向かう場合、行先の表示は「千里中央」であることが多かったですが、延伸したことにより「箕面萱野」の文字が表示されることに。
海外からの観光客はともかく、他府県の観光客からしてもなんとまあ難しい名前。
箕面(みのお)だけでも難読地名なのに、萱野(かやの)て。
なんか意地悪でもされてるんじゃないかと思うくらいの読みにくさです。
今考えると「千里中央」は画数も少なくて良かったですね。全部小学生で習いますもんね。
ここから乗り換えなしで箕面まで行けるんだな、、新大阪なんて全然手前やん、、とかしみじみ感じながら電車に乗ります。
なんば駅から箕面萱野駅までの乗車時間は約35分です。
●箕面船場阪大前駅
まずは、終点の一つ手前の駅、箕面船場阪大前駅で下車します。
ここで小さなトラブルが。
すでに北大阪急行の区間に入っていたので、持っていた大阪メトロの乗り放題乗車券が改札機に引っかかりました。
何も考えずに気楽に使えると思っていましたが盲点でした。だって、ほぼ御堂筋線やねんもん(小声)。
のりこし精算をして、改札を抜けます。
箕面船場阪大前駅の見どころは、改札を抜け、地上に出るまでの階段やエレベーターが織りなす立体的な空間。
しかも、どのアングルからでも見応えが生まれるような作りになっていました。
この日は晴天。自然光も相まって、他ではなかなか見られない駅だなという印象でした。
駅周辺は箕面市を代表する文化施設が密集。
図書館や大阪大学のキャンパス、箕面市立文化芸能劇場など、駅開業に合わせて作られた新たな施設が、駅から直結でアクセスできます。
この日、文化芸能劇場周辺には多くの若い女性が。調べてみると刀剣乱舞のミュージカルが開催されていたようでした。
ここで気になったのは「箕面船場阪大前」という駅名。
そんなに情報量いるか?と思わずにはいられない詰め込み具合です。
「船場」とは大阪市中央区にもある地名で、「いや被ってるやん。なんで入れたんや」という印象でしたが、調べてみるとちゃんとした理由がありました。
繊維問屋が集まる街・船場では、1960年代の高度経済成長期、荷物の積み下ろしをするトラックによる渋滞が深刻化。
一極集中を解消させるため、千里ニュータウンや新大阪駅の近くでもあり、新御堂筋など交通の便にも恵まれていたこの地に繊維業者が集団移転します。
こうした経緯で生まれた「新船場」は今でもしっかりと地名に残っています。
繊維業者組合からすると、千里中央からの路線延伸は移転当初からの悲願だったそうです。
これを知ると、駅名に「船場」が入った理由も頷けます。
それにしても、阪急「石橋阪大前」や、大阪モノレール「柴原阪大前」など、「阪大前」と付く駅名の多いこと。
もはや、大阪府と阪大の癒着があるのではないかと思わせるぐらいの多さですが、駅直結でキャンパスを作られたら文句は言えませんね。
1時間弱うろうろしたところで、再び電車に乗ります。
●箕面萱野駅
続いて、終点の箕面萱野駅に到着しました。
箕面船場阪大前駅からは約1.1kmと、激近な位置にある箕面萱野駅ですが、こちらは打って変わって地上駅。
駅を出るとすぐに大きな勾配を経て地上に登る感じです。
北改札口を抜けるとすぐに現れるのは、みのおキューズモールです。
もはや「みのおキューズモール駅」と言っても過言ではない箕面萱野駅。
駅直結の通路がいくつもの棟を繋げています。
駅舎の一部のようになっている「STATION棟」は、新駅開業と同時にオープンしたようですが、実はみのおキューズモール自体は2003年開業と、なんと20年も前からこの地の住民に親しまれてきた商業施設なのです。
「あべの」や「もりのみや」よりも遥か前に出来ていて、キューズモールとしては一番歴史が長いのです。
ちなみにキューズモールは運営元が東急不動産なので、“キュー”ズモールって言うらしいですね。知らんかった。
箕面船場阪大前駅と比べると、一から作ったというよりかは、もともとあったポテンシャルを上手く活用しているなといった印象でした。
家族連れを中心に、箕面市民やその周辺住民から愛されていることが分かる空間でした。
あと、パッと見ヤンキーがあんまりいませんでした。笑
北摂の品の良さを感じましたね。
地上に降りて駅前周辺も少し見て回ります。
箕面船場阪大前駅にしても、箕面萱野駅にしても、周辺に建設中のマンションがいくつかありました。
まだまだこれから人が集まりますね。
STATION棟だけではない新駅の売りはもう一つ。
開業と同時に整備されたバスターミナルです。
ここから発着するバスが、箕面市民の足として活躍が期待されます。
まとめ
北大阪急行に出来た新駅を調査した結果、箕面がこれからよりパワーアップすることがわかりました。
平和そうだし、自然もあるし、大阪市内からのアクセスも向上したことで、「これは関西住みたい街ランキング上位に入るぞ、、!」と思いましたが、調べてみると、箕面市ってすでに住みたい街ランキング上位なんですね。
住みたい街の上位の座が、より盤石になるだろうなといった感じでした。
キューズモールに関しては、大阪市内からのアクセスという観点からすると、近くにある吹田市のエキスポシティよりも格段にいいですね。
新大阪、梅田、難波、天王寺などの拠点から乗り換えなし一本はデカいです。
あくまで店のラインナップなどはファミリー向けなので、若者のデートに関してはエキスポシティの方が強そうですが、この周辺に住む家族連れはキューズモールで充分でしょう。
めっちゃ個人的なことを言えば、フードコートにたこ焼きが欲しかったです。笑
というわけで今回は、北大阪急行に新たに作られた箕面船場阪大前駅、箕面萱野駅の様子をお届けしました。
それでは、また!