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バランサー人間は重宝と淘汰が繰り返される #2020年代の未来予想図 【平均点の法則】

PRプランナーと名乗り出してから同名の資格があることを知った山下(@ymst9991)です。

年始から「あの広告はこういう意図が…」「販促獲得とブランディングは違う」と議論が絶えぬTwitterに食傷気味になり、避難して文章を書くことにしました。


2020年もズバ抜けろ突き抜けろだの個人ブランディングの時代だとか言われますが、ぼくのような一般人がやり続けると塩梅が分からず最初は結構疲れます。しょっぱなからブルーやなぁと思う方もいるかもしれませんが、これもまた事実だと考えている節があります。

という前提があった上で


やりぬいた結果、そこから見られる景色はやった人にしか分からないのもまた事実です。

【記事を1文で要約すると】「自分がその場で上位20%に入る」から「さらに上位の環境を探し、そこで上位20%に入る努力を行う」と「結果が伴う」、という話

この本に出会って、「環境を変え続ける考え方」はキャリアを考える上では重要だなぁと改めて考えさせられました。そうはいってもROM専のほうが多い現実世界なので、もう少し俯瞰しながら僕のような"たぶん普通のひと"に読んでいただきたい記事を書いていきます。

1.「平均点が悪い」って風潮はあまり良くない


ぼくはいわゆる器用貧乏で、プロ並みに突出したものがありません。専門技術も資格もない。

淡水魚は急に海水に入れられると塩水の浸透圧で体から水分が抜けて、すぐ死んじゃいます。死ぬカス、いわゆる死ぬこと以外はかすり傷なので、生物は死んだら終わり。だから、やれと言われたらやるし、やって欲しそうやなと思うことをやるためにどうするか考える。環境が変わったときに、ぼくに限らず多くの人が持っている生存本能だと思います。

それができるのは、全体幸福を尊重しながら現場の仕事をこなすいわゆる戦術家。そして争いを好まないバランサーが非常に多いと考えています。そういう人たちがたくさんいるからなのか、いたから場を作ったのかはどちらが先かは分かりませんが、世の中を恒常的に、そして歯車が狂わないようにシステマチックに回す上では欠かせません。

2.「スイミー」はモブがいたから成立している

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出典:レオ・レオニ『スイミー』/好学社

スイミーという、教科書に載っていた有名な話があります。

【スイミーを1文で要約すると】
一匹の黒い魚が、仲間の赤い魚たちと天敵から身を守るために大きなサカナのかたちに擬態することを提案し、黒いスイミーは色の個性を生かして「大きなサカナの目玉の部分」になった結果、天敵を追い返してみんなが生き延びた。

スイミーえらい!とスポットが当てられがちですが、残りの赤い魚たち、つまりモブキャラがいなければ成功しないことも同時に語られています。

3.全員モブだったら組織が死に、淘汰される


突然ですが、スイミーの提案が無ければ赤い魚たちは天敵におびえ岩陰から出られず、餓死するか、天敵に見つかり食べられて死んでいるでしょう。現実の世界も同じだと考えていて、ノウハウやハウツーはその時代のある分野に通用する再現性であって、万能な解答ではありません。どこかで推進力となる動きを察知し、身を任せなければ、同じ岩陰で身をひそめ時間をさばき、こなすことしかありません。

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出典:https://medium.com/souei/2016-12-14-%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87-884b14ef0cf8

パレートの法則(上位20%のメンバーが80%の売り上げを作り出している)はよく言われますが、その他80%のメンバーを自動的に「①平均点をキープしながら環境に順応する」に入れてしまう上に、平均以下と考えることでひとりひとりが引きあがらない、という前提。相対的にメンバー数が多くなりメンバーの生活を担保しないといけない大企業のケースだとこうなるのかなぁと思います。

その上で、淘汰されないようにはどう生き延びるのが吉なのか。考えてみました。

4.平均で生きるなら「順応/市民権/執着」をやり切る

①何もしないで環境に順応する
②リスクとリターンを見極めてさっさと行動し、結果的に「やりたいこと市場」で「やれるひと市民権」を得る
③「平均点の法則」を利用することでさっさと引き上がり「できるひと」になる

①平均点をキープしながら環境に順応する

これもまたひとつの強みなのですが、前回書いたWeb制作ディレクターの記事のような「ただの工数調整官」は他のできる人にとって代わられ始めています。

新卒の時のぼくは理不尽だと感じたことに人一倍乱暴に噛みついてしまう体質だったので、大きな会社に順応できなかったタイプだと考えていました。どんな業界でも既存の体質を守り定常的な利益を確保することで生活が成り立っている人がたくさんいます。歩み寄らずにそれらを崩すことは調和を乱す異端児であったし、その場では必要とされていなかったと思います。

②リスクとリターンを見極めてさっさと行動し、結果的に「やりたいこと市場」で「やれるひと市民権」を得る

めっちゃ価値がある。①の強みを活かしながら行動して結果を残せるタイプ。独立することが偉いというわけでは無く、市場を選びその中で自分の希少価値を上げていける人だと思っています。例えば起業家はネジが一本外れた感覚を持っていると聞いたことがありますが、一方で多くの人が「そりゃそうだろう」と思うことを具体的なサービスに落とし込む嗅覚が無いとクライアントのほとんどである平均の人に売ることはできません。実は平均点の場所を分かっていないと外すこともできない、非常に難しいのが商売だと思っています。

③「平均点の法則」を利用することでさっさと引き上がり「できるひと」になる

①・②の大きな枠組みがあった上で、最初に紹介した記事の「その環境での上位20%になるためには」に繋がります。そのために③はちょうどチャレンジしやすい折衷案なのではないのかなと考えています。先ほどの淡水魚の話で言うと、淡水と海水が入り混じる河口付近、いわゆる汽水と言われる領域です。ここでは塩水と真水が文字通り良い塩梅で保たれています。

「環境を利用する」という言葉が悪いようにとらえられますが、利用はごく当たり前に生まれている状況だと考えています。社会生活では利用して利用されてが成り立っているから責任感が生まれ、より良いアウトプットが生まれていると考えています。

5."今の自分"にとっての「平均点の法則」をさっさと見つけて重宝されるようになる

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◆「平均点の法則」とは?
平均点への執着を利用して"環境"を変化させながら引き上がること。
・積み上げ型…今の環境を高みにしてしまうフロンティア
・登山家型…さらなる高みを求めて高い山を探すチャレンジャー

ぼく自身がなぜ今の環境にいるのかを考えたとき、「自分以上に考えが深く領域が広い人がいる環境にいること」を重視しているんだと分かりました。

組織が求める平均点、例えば5教科で80点代をたたき出したいという執着がぼくにはあります。いつでもキレイな五角形のかたちをしていて、「ちゃんとしているキャラ」でありたいという考え方です。これはバランサー、いわゆるジェネラリスト・オールラウンダーな生き方をしている方にとっても近い感覚を持っているのではないでしょうか。

平均に執着するために大事なのは「市場に必要とされるか?」というポイントで、ニーズの無いところではベンチマーク先が無いため、そもそも平均が生まれません。市場の前にまず目の前にいる人に必要とされることが小さなゴールです。対市場という前提を見据えながら、どのように立ち回るのが良いのか?2パターン考えてみました。

・積み上げ型

底上げするにはどうするのか?を一緒に考えられる人が近くにいれば、やっていて苦じゃありません。自分が持っていない領域が「0→1」ならば、その人が動きやすいであろう状況をさっさと作ってしまう。「1→10」を持っていないのであれば、助けてもらえる人や環境に作り替えてしまうことが早い。

例えばぼくの場合はこちらなのですが、男性アップデートメディアのミスタスはキヤマさんがいないと推進力さえ無かった。具体的な設計が足りなかったとしても、なんとなくこっちの方向なんだなと方向性さえ理解できれば、メディア構築や設計などの具体的な設計を手伝うことで目標に近づくことができる。

今いる場所が河口付近なら、さっさと河口を広げて「海」にしてしまえば良いんじゃないのかなという考え方です。



・登山家型

もしこのように「0→1」の人がおらず、やりたいと思える熱狂も無かったら「平均点の人」はそれ以上上がることはない。むしろ、いる環境に学びや熱狂が無いと思うと、勝手に下降修正される。常にベンチマーク先を探すという「平均点の人」の習性は、時に自分の価値さえも押し下げてしまうかもしれない。

だから、さっさと大海に飛び込んで平均点のアンカーとなる「0→1」の人を探す旅に出て、一緒に何かを取り組み、そして汲み取り、続ける。これはハウツーやノウハウとは違う普遍的な能力。淘汰されにくいですし、何より重宝されて楽しく過ごせます。


まとめ.今いる環境の「五角形」を見極め、使いこなせ!

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自分の生き方・考え方の底にある執着・下心や野心、そしてネガティブな感情はすこぶるエネルギー源になります。

HUNTER×HUNTERでは各戦闘のプロたちが集まった幻影旅団は個性が突出しています。その中にいると、どれだけ早い手刀を繰り出そうが、見逃さずに当たり前の早さのように感じるのです。
組織ならばバランサーは上位互換になれ、できる人と一緒にやれば結果的に自己最高記録をたたき出すには"打って付け"なんじゃないでしょうか。


必要なことは?Twitter?コミュニティ?オンラインサロン?

最初から出会おうなんて考えたり効率化を求め始めてしまうのは、ぼくのような平均点の人の悪い癖です。まずは大海に挑んでみる。合わなければ出たら良いし、合えば続ければ良いと思っています。

そうすると、自分が本当に求めているものが「金」なのか「時間」なのか、「余暇」なのか。海のしょっぱさや波の高さを知ると、自分にどれほど生存への欲求があるのかがじわじわと分かってくるような気がします。

やがてバランサー人間は"希少性"を身に着ける

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個性を持ったキャラがお互いを認め合っている環境にいると、「必要とされたい執着」が強くなります。モブでは収まらず「個性を伸ばしたい欲」が出始めた頃、ひとつでも何かを磨き上げていく。そうすると、別にキレイなかたちをしていなくても良いんじゃないのかな、と思えてくる。今まで禁忌と恐れられていた人体錬成に手を出すような気持ちだ。

ここで初めて"個人のブランディング"とは何をすべきなのかが理解できるのではないかと考えています。

2020年代は、こんな伸び方をする人がとても増える1年になるのではないでしょうか。



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▼参考:「上位80点は本当に"80点"なのか?」という視点で、部品の耐用年数を数学的に落とし込んだリクナビの記事を発見しました。今の平均点を疑う考え化の参考になるので、ご興味のある方はぜひ合わせてご覧ください!

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