さかなとたわむる 番外 かくありたい

今回、現地海ネタではないです。

知人のブログよりネタを頂戴しまして・・・。
ただいま業界で活躍中の水中カメラマン鍵井君。
彼のブログ(鍵井天然水族館)でこのような投稿がありました。
鍵井の新しいルール

ものすごく要所だけ抜粋すると
(必ず元ページ全文読んでくださいね 鍵井君の思いや人柄が伝わってきます)

ダイバーがたくさん入る海は、岩に付着するイソバナやヒラヤギなどの腔腸類はなくなり、魚影も薄くなる。
これは、どんな有名なダイビングポイントでも状況は同じ。

~中略~

例え、撮影ができない、若しくは、困難な場合があっても、全て着底なしで終えたダイビングは、海とうまく付き合えたようで、気持ちが良く、納得できた。

正直、撮影は難しい。

でも、水中写真家だからこそ、
そのような撮影スタイルでなくてはいけないのではないかと思う。と、言うことで、

これから、私は着底しない。


私の新しいルールだ。

水中写真を生業とする人がこんなことを言っちゃう。
鍵井君。かっこよすぎるよ・・・。

唯一無二の正解かどうかは僕にはわからないけれど、それでも僕はダイバーとして、かくありたいと思います。

技術的、あるいは安全面の話もあるかもしれませんが、人によっては、どっかり着底、ブルドーザーよろしく、いろんなもの踏みまくりとか、サンゴ掴みまくりとか、ってのは決して珍しい話ではないです。
どうしてもカメラやってると「しっかり体を固定して・・・。」 「しっかり着底して安定してから・・・。」みたいな感じになっちゃいますし、ひどいのになると、撮影とか、ガイドという大義名分のものと、プロアマ問わず、生物追いまくったり、捕まえたり、巣穴に指示棒突っ込んだり、構図に邪魔なものをちぎってみたり、繁殖行動妨害したり、とまで、いろんな話も聞き及びます。

じゃあ僕がそれをしていないかといえば、残念ながらちっとはやっちゃってます。中性浮力が心細いお客さんのときは考えつつとは言いながら着底じゃんじゃんしてますし、生物を探すのも岩をめくったりもしますし・・・。

それでも、根底にあるもの、目指すものは同じです。
僕はかっこ悪いけど、これからも仕事として潜るときにはこのスタイルを続けます。

結構現地でのダイビングサービスをしていると、ブランクダイバーやビギナーダイバーの方、多くいらっしゃいます。着底しなくちゃ不安という若葉ダイバー、頑張りすぎてしんどかったり怖かったりしたら、海の世界を知るチャンスを奪うことになっちゃう。だったら着底しても大丈夫な場所では安心して着底・・・。大丈夫な場所で大丈夫なようにがっちり遊ぶ。着底しなくても大丈夫になったらそういう場所へ・・・。

そんなご案内の仕方ってあるはずですよね。(本来、当然といえば当然なはずですけど)

うまくなったらもっとこんな場所へ、もっとうまくなったらもっといろんなものを・・・。
海からもらえる、がんばったご褒美みたいなもんです。

僕は、中性浮力もまだおぼつかないダイバーが自分の周りで起こってることに気付いて、そして自然に気付けるダイバーになるまでの途中の道のりを担っていきたいと思います。
その途中で、(生物踏んじゃうから)ここから先いっちゃだめ、とか、デリケートな環境だから見つからない、あるいは見ないふり・・・。とかいうこともありますから、まあ、「お客さんのご希望に100%優しい」ってことはないと思います。(ごめんなさいね)
でも、「どうすればもっといろいろなものが見られるようになる」、とか、「こうすればもっとうまく生物たちと付き合える」みたいなことは、いろいろな方法でお伝えします。

現地でいろんな珍しいものを見せる。それが身上のお店があります。お客さんの貴重の時間の中でその努力をする、とてもすばらしいことです。
また、違う一面では、それぞれの海で、海とのかかわり方を伝えたい。海とお客さんにもっと仲良くなってもらうことが身上。そんなお店もあります。
両方バッチリできればベストですけど、不器用な僕はどちらかというと後者です。

ダイバーみんなが、いきなり鍵井君にはなれないけれど、鍵井君のこんなスタンスになるまでの道の途中に、僕達現地のガイドやインストラクターが待ってます。

上手に僕達を使ってもらって、ダイバーみんなでしっかり海と向かい合えたらいいなぁ・・・。

ちなみに僕のスタンスはうちのページのこのあたりを見ていただければなんとなくわかっていただけるかなと・・・・。

№2 海という環境の安全

魚と戯る 其の九 ダイバーって何様?

1999年~2002年に書いていたコラムに、加筆、修正をしたものです

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