0814
脳がキュッと縮んで呼吸が荒くなった。視界がぐっと狭くなる。色が目に刺さった感覚がしてぎゅっと瞑った。甘いものが食べたい。ブラックサンダーがいい。脳に届く甘さが欲しい。でもそんなものはない。目を開く。深呼吸をしようとした。でもうまくできなくてみぞおちのあたりを掻き毟る妄想をした。人目があるので実際にはできない。掻き毟る。ひたすら掻き毟る。みぞおちのあたりにぽっかり穴が空いた。中は空洞でただ黒い。人差し指を穴にかけて、べりっと破った。どろりと血が流れる。黒くて、もったりしている。ゆっくりと血がお腹に垂れたところでハッと現実に戻る。深呼吸をする。色が少し落ち着く。甘さだけを感じてカフェオレを飲む。音声未満の声を発してレジにもたれかかる。全員が私の怒りに謝罪しろと思う。生きている全員が。
職場でストレスがピークに達する度にこれを繰り返している。もう限界だ。ブラックサンダーを常備しておこうか。そういう問題か?もうわからない。「怒りを感じる時間は実は数秒だから、少し待てば怒りは過ぎ去っていく」みたいなツイートを見かけたことがあるけど、あんなの大嘘だ。怒りが消えるときはその出来事が記憶から消えるときである。たった今そこであった出来事をそんな数秒で忘れられるか。
「てめえこんちくしょう覚えてろよ」と思う人と「お願いだから忘れてくれ」と思う人と、両方とも思う人、いるけど、全員を私が忘れたほうがいい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?