WALTZMORE、貴重なセットリストとフロアライブで彩るバンド結成記念日
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WALTZMORE (ワルツモア)のワンマンライブ WALTZMORE FLOOR ONEMAN SHOW”FOWERCHILD. Extra”が、5月7日(日)に東京・下北沢MOSAiCにて行われた。普段あまりライブで聴けない貴重な過去曲を多く含んだセットリストに加え、臨場感のあるフロアライブで、バンド結成4周年の記念日を彩った。
4月29日に2nd full album『CHILDREN』のリリースツアーファイナルを終え、新体制となったばかりのWALTZMOREは、5月7日にバンド結成4周年を迎えた。イベント開催が告知されたのが一週間前にも関わらずチケットはソールドアウトし、床に置かれた機材の周りをぐるりと大勢の観客が取り囲んでいた。受付の近くにはファンから贈られたというお祝いの花飾りもあり、開始前からあたたかい夜になりそうな予感がした。
いつものようなSEではなく、お客さんの合間を縫ってぬるりとメンバーが登場し、それぞれの位置につき音の確認を始める光景は普段とはまた違う緊張感がある。そんな中で始まった「Monster」は一曲目からレアな選曲に頻繁にライブに通っているファンも喜んだに違いない。<どうかこの闇をぬけて 明日からは”普通”でありたいと ただ独り願うことを おかしいと誰が笑えるのだろう>と”普通”という目に見えない価値観に悩み苦しむ歌詞に、こうのいけはるか(Gt/Vo)がよくMCで言っている「言葉にできない感情を表現している」というメッセージが強く出ている気がして、魅力を改めて感じた。
木挽祐次(Dr)の悠悠閑閑としたドラムから「Mayfly」に入ると、会場の照明も紫と赤でディープな夜のイメージに切り替わった。WALTZMOREはその名の通りワルツ=3拍子を使った楽曲が得意なバンドだが、こんなに大人びた雰囲気のワルツもできてしまうのかと驚いた。
イントロの中村涼真(Gt)による美しいギターリフが曲名の通り春を感じさせる「春になる」、ファルセットが美しい「Ours」と披露した後、こうのいけが「ここまで4曲みなさんに馴染みの無い曲をやりましたけど大丈夫でしたか?」と気づかいのあるMCを挟んだ。ここで思ったのは、確かにレア曲として演奏される曲を楽しめるのは贅沢だが、もちろん曲を事前に知らなかったとしても様々な表情の楽曲と5人の演奏から生まれるグルーヴに心地よくなれるのは間違いないのでまったく問題無いなということだ。
この日は前半に珍しい曲が集められ、曲のイントロが聴こえるたびに高揚するムードがあった。夏未(Key/Vo)がボーカルの「Rosebed」では伸びやかで美しい歌声に観客が気持ち良さそうに揺れていたり、「外はディストピア」の各楽器にハイライトが当たるセッションのようなアウトロでは、アライユウセイ(Ba)のベースがよく動き、ジャジーな雰囲気を醸し出したりとと各曲でメンバーの魅力を存分に感じることができた。
後半に差し掛かるとライブでの登場回数も多いキラーチューンでさらに場を沸き立たせていく。こうのいけが最近聞いたらしい”好きな曲やかっこいいがかかったらスマホのライトをかかげる”というクラブのルールを話した後の「シティライト・ラプソディ」では、多くのスマホライトが自由に揺れる幻想的な情景が広がった。
ちなみに、本日はワンマン公演ということでオリジナルカクテルがドリンクとして用意されていたのだが、「鮮やかな衝動」というカクテル名は、木挽がかつて結成していたバンドの曲の名前だということがMCで明かされた。セットリストもこの場所も昔を感じさせるものだから、懐かしい感じに囲まれようということで名づけられたそうで、思い入れの強さが伝わってくる。
こうのいけは4月29日に中村が加入し、5人体制になったことで「俺たちが奏でたい唯一無二の音楽に必要な最後のピースが埋まった」と改めて新体制への喜びを表し、それを応援してくれるファンへの感謝を述べた。「いつかはこうなりたいを追いかけているうちは届かないと思っていて。誰かの目標や夢になれるようなバンドになっていきたいと思っています。」という決意表明から、約束の歌「from 1995」につないだ。1995年生まれの5人がその覚悟を歌や演奏に込めて届ける姿が非常に頼もしかった。
この日も”祝祭”ツアーで毎回最後に演奏していた「COLD CITY GIRL」がラストの曲であったが、この曲に込められた「今が超楽しい。明日のことなんてどうでもいい。このまま朝まで遊んでいたい。」というメッセージは皮肉にもゴールデンウィーク最終日の本日にぴったりで、よりこの曲へ感情移入させられた。どうやら同じ気持ちの人も多かったようでこの日で一番多くの拳が上がる大盛況の中、本編が終了した。
フロアの構造上、楽屋に戻ることが難しいため、そのままメンバーが残った形でふわっとアンコールに突入したが、その様子を大きな拍手で盛り上げる観客との間には一体感がありアットホームな雰囲気に包まれていた。それほどまでに今日この場にいる一人ひとりがこのバンドが好きなのだということが伝わってきた。WALTZMOREとしての初めての曲である「セカンドダンスの夜に」を演奏し、フィナーレを飾った。
結成記念日を大切にしてイベントを企画しているバンドは珍しくないが、このように定点観測ができるタイミングがあることは間違いなく、バンドとオーディエンスその両方にとってプラスになると思う。これまでの歩みと現在地の確認、これからどのように進んでいきたいか改めて決意する場所になっているのではないだろうか。
こうのいけはアンコールのMCで「5周年はもう少し大きいところでやりたい」と言っていた。彼らがホームとしている下北沢MOSAiCも秘密基地のようでとても素敵だが、大きな場所でもっと大勢でお祝いしたい気持ちもある。有言実行してくれることを信じ、来年の5月7日はどれほど成長した自分で、どんなふうに進化したWALTZMOREの音楽を味わえるのか楽しみだ。
Happy 4th anniversary to WALTZMORE !
セットリスト
01. Monster
02. Mayfly
03. 春になる
04. Ours
05. キスミィ
06. Rosebed
07. Parallel night/Insomnia
08.外はディストピア
09. アイの映画
10. シティライト・ラプソディ
11. from1995
12. SWAN DIVE
13.メランコリア
14.COLD CITY GIRL
en1. セカンドダンスの夜に
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