【株式会社ChiCaRo インタビュー】〜子育てのあり方を変える、遠隔協同子育てロボット〜
渋谷区では、渋谷区ならではの多様なスタートアップ企業が数多く生まれ、大きく成長していくスタートアップ・エコシステムの構築を目指し、「スタートアップ支援事業」に取り組んでいます。スタートアップ企業と大学や他企業との協働促進、社会課題を最先端の技術で解決していこうとする起業家への実証の場の提供などを行っていきます。
令和2年6月より官民連携オープンイノベーション企画
「Innovation for New Normal from Shibuya」を通して、約100件のテクノロジー・ソリューションの公募がありました。(引き続き募集中!!!)
https://shibuya.throttle.biz/innovation/
この度、第一弾の採択者が発表され、12社が実証実験のフェーズへと移行していきます。最初のエントリー者でもあり、同じ子育て母の思いから開発が実現した「ChiCaRo」さんにインタビューしました。今後の展開が楽しみ&応援しています!!ぜひご一読ください。
事業概要
ー☆ChiCaRoさんはどんな事業をされていらっしゃるのでしょうか?https://www.chicaro.co.jp/LP/index.html
「子育てのあり方を変える、遠隔協同子育てロボット」を開発しています。
コロナウイルスの影響で、リモートワークや家事を子育てと両立しなければいけない時間が増えている中...
「10分だけ子どもを見ていて欲しい!」という時や、どうしてもリモートワークで集中したい時、オンラインで会議がある時などに、子どもの面倒を見る人が必要ですよね。
そんな時にChiCaRoがあれば、その場にいなくてもお子さんの様子を遠隔で見守ることができます!
子育てロボットのChiCaRoの顔にあたる部分にはタブレットが設置されており、タブレット越しに離れたご家族や保育士とお話しをしたり遊んだりすることができます。
動画なども良いとは思いますが、一方通行ですよね。ChiCaRoはデバイスを通じてコミュニケーションができるので、双方向でのやりとりができることが魅力です。
また、お子さんが画面から離れてしまっても、遠隔でChiCaRoを動かすことができるので、離れていてもずっとお子さんの様子を見守ることができます。
お子さんの対象年齢は0歳から3歳なので、「ロボットはすぐ壊れそう...」と思われるかもしれませんが、その心配はありません。
ChiCaRoは形状や衝撃耐性なども考えられた設計になっておりますので、倒れたり壊れたりすることもないんです!
ChiCaRoの誕生秘話
ー☆すごいですね!ChiCaRoの誕生秘話はどのようなものだったのでしょうか?
子育ての経験から、家事と仕事の両立が難しいという親御さんの現状を解決したいと思い始めたことがきっかけです。
私(山内さん)自身がIT企業で働くサラリーマンで、6歳児と3歳児の子どもがいるのですが、子どもを育てながら働くことができる環境をつくりたいと考えていました。
実際に働いていると、コロナ禍で子育てに昼間は時間が割かれてしまうし、仕事の納期はずらすことができないといった状態から、深夜か早朝にしか仕事ができない時期もあり、かなり辛い経験をしています。
実は私は約一年半、一時預かりの保育施設を運営していたのですが、そこで保育はIT化が遅れている分野だと気付きました。保育の世界は子どもと1対1で向き合うので、どうしても人では限界があると思います。そこで、「保育にITを持ち込みたい」と思い、保育園のIT化を進めるためのデバイスを大体3~4種類ほど試したのですが、0歳から3歳と共存(笑)ができたのは、ChiCaRoだけだったんです。
0歳から3歳の子どもだとなかなか分別がつかず、壊してしまったり、倒してしまったりというハード面の問題があったのですが、ChiCaRoはそういった面を乗り越えつつ、子どもの運動量も増やすことができるし、離れた家族とも話すことができるので「これを広げよう」と思いました。
「ロボットが保育なんてできるわけない」という意見ももちろんあると思います。保育とロボットは相入れない存在とされてきましたし、難しさがあることもわかっています。
しかし、会いたくても会えないコミュニーションを解決できるのはChiCaRoだと思いますし、「離れていても大家族」を実現できるのもChiCaRoなのではないかと思います。
そして、コロナウイルスの影響でますます子育て×ロボットの意味がはっきりとしたのではないかと思います。今までは遠方だったりして、何らかの理由で「会いたくても会えない」というハードルがありましたが、コロナウイルスが始まって以来、「会えるけど会えない」という現状があります。
近くにいるけど、実際に会うことが難しい。そんな今でも、ChiCaRoがあれば、ご家族がどこにいても子どもと遊ぶことができる環境をつくることができます。
保育士さん、親御さんを助けたい
ー☆そうだったんですね!確かに、コロナウイルスの時世にぴったりなサービスですね!
ChiCaRoに出会い、このロボットで子育て環境をよくしていきたい!と電気通信大学の開発担当者と話をして、ハードウエアの開発に詳しい方と研究を進めていくことになりました。
ロボットは人の仕事を奪うものだと思われがちですが、私たちはむしろ保育士さんやお母さんたちと一緒に子育てをしていく可能性があると思っています。子育てとお仕事を両立することが難しい現代社会で、頑張る保育士さんやお母さん・お父さんを助けたいという思いで活動しています。
渋谷区のスタートアップ支援について
ー☆渋谷区のInnovation xNew Normal x Shibuyaにご応募されたきっかけは?
私(山内さん)が渋谷区民ということもあり(笑)、渋谷のニュースをよく見ていたところ、Innovation x New Normal x Shibuyaの募集を拝見しまして、即応募させていただきました!
渋谷区の良いところって、新しいことや良いものをどんどん取り入れていこうという気運や新しいサービスへの理解度が高いところだと思います。
行政とやるなら絶対渋谷区でやろうと思っていました!
今後の展望
ー☆そうおっしゃっていただけて嬉しいです!今後の展望をお聞かせください。
沢山のシーンでChiCaRoの活用方法を検証していきたいのですが、まずはコロナをきっかけに働き方が変わりつつある「テレクーク支援」で実証実験を考えています。
テレワーク中に「どうしても集中して仕事をしたい」「ビデオ会議に集中したい」という親御さんに対しておじいちゃん、おばあちゃんといった顔馴染みのある方が代わりににお子さんとリモートで遊ぶことができる環境を体験していただこうと考えています。
私たちは子育てと仕事の両立を目標にするなかで、いくつかのテーマを実証実験の中で掲げています。
・しっかりとリモートワークに集中することができたか?
・遠隔操作で子どもの動きにどれくらい対応できたか?
・子どもの運動量をどれくらい確保できたか?
開発段階ではありますがビデオ通話以外にもクイズ機能や読み聞かせの機能なども考えているので、そうしたコンテンツも十分に活用していただいて、率直なご意見をいただければと思います。
また、将来にAIを搭載しようと考えています。
小さいお子さんとの遊び方がわからない祖父母さんなどでも楽しみながらChiCaRoで遊んでいただけるよう、AIがお子さんの様子を観察してお子さんの性格を推定したり、今どのような遊びをしたいかを推定して、遊びのコンテンツを提案できるようなサービスも視野に入れています。
そして、「リモートシッティング」も導入したいと思っています。これは親御さん以外の方で、子育てに詳しい人がつながり、子どもの相手をすることができるサービスです。
子育てをしている中で、誰にも相談ができず、お母さんが孤独になってしまうこともあります。
子どもだけでなく、お母さんの悩みやお困りごとを聞いてあげられる環境も作りたいです。ChiCaRoはそれを実現できると考えております。家にいる間、ずっと他の方とつないで話しながら子育てをすることもできます。誰かと繋がっていたり、話しているだけでも、親御さんの精神的な負担を相当軽減できると思います。
お子さんにとっても親御さんにとっても魅力のあるChiCaRoにしたいですね。
ChiCaRoで実現したい社会とは
ー☆最後に、ChiCaRoを使ってどんな社会を実現したいか、教えてください。
「オンラインだけど、その奥には暖かさがある」
オンラインだけど、地域のみんなで子育てをすることができる社会を目指しています!
皆さんの子育てとお仕事の両立をお手伝いできるように、開発や実証実験を進めていこうと思います!
ー☆ありがとうございました!今後とも応援させていただきます!
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