Winding Career Detour....
久しぶりのnote。
時は過ぎて、最後のCSMの時から2社も所属が変わり、まるでアップダウン激しいくねくね道というか、ジェットコースターというか、直近の数年でそんなキャリアを過ごしてきました…
念願のロボメーカー!だったはずなのに、入ったところは"TBK"(Dai語風に言うと「典型的なブラック企業」w)
度重なる諸問題に耐えてきたけど、やれることも尽きて、色々おかしくなる前に抜け出す決意をして潔く辞めることに… なるまでの経緯 etc…
直前2社ポジションがとび、その後の "TBK" 。。と、仕事運に見放されっぱなし… キャリアのハードシングス。。。涙
いつか笑って振り返れるように、ほぼ自身のためにまとめたログ。
※色々ありますが、あくまでも個人の見解で記したものです!
※とっても長いです・・・
未踏の地へ
長いホリゾンタル・ソフトウェアでのキャリア、サブスクリプションという分野のビジネスに関わる中で「プロダクト-サービスシステム」に興味を持つようになりました。ソフトウェアは収益の面では強力かもしれないけれど、システムはソフトウェアだけで成り立っているわけではない。フィジカルな部分に染み出したサービスへの興味の延長線上から、ハードウェアとソフトウェアが融合した領域のサービスに関わりたい。
そんな中で見つけたロボットを活用したサービスという分野。ロボはどちらかというと機械に分類されるものの、サービスの観点だとSaaSで台頭してきたリテンションモデル型が求められる分野。機会があったらぜひチャレンジしてみたい!と前から狙っていたところでもありました。そんな中ご縁があり、中国資本のロボメーカーで働くことに・・・
ミッションについて
一言でまとめるとソフトウェアまわりの諸々・・・
最初に聞いていたのは、ロボと現場の業務をつなぐミドルウェア的なソフトウェアを日本で提供するソフトウェアのパートナー企業の支援や獲得がミッションでした。が、、、導入のプロジェクトマネジメント的な業務から、Pre-Sales、要件定義、野良ソフト的なもの?まで色々と。。
入社したら部門を持たされており(聞いてないし・・・w)、「ソフトウェア」というキーワードだけで寄せ集められたメンバーのやっていることも色々。パートナー企業の支援というところに重なる人は誰もいなく、、、
日本語も英語も話せない方もいて、ツールを頼らないとコミュニケーションはほぼ不可。これまで所属してきた米系企業とは違い、中国語が主要言語ですから仕方がないとはいえ… 主要言語が日本語である支社にそのような方がポツンといらっしゃること自体が・・・謎でしたw
ロボと業務をつなぐミドルウェア的なものは自社製で既に存在するものの、それを扱える人が日本法人側にいない・・・
最初に聞いていたミッションも、後から降ってきた諸々も、諸悪の根源はここにありました。日本法人ができてからまだ2年くらいしか経っていないのに、諸事情多すぎて既に根深く(笑)、紐解くまでに時間がかかりました。。
「品質が悪い」とは何か?
日本法人独自がミドルウェア的なものを持つ(ことになったという?)理由は、自社製のソフトウェアの品質が悪いから…と聞かされていました。
顧客も日本オリジナルのシステムを望んでいると・・・
これを日本のパートナー企業に提供してもらうために、一からサービスを作ってもらう、その支援をするのが自分のミッションと理解していました。
ただ、「品質が悪い」と日本法人が評価した客観的な情報がほとんどなく、誰に聞いても、「何となく・・・」レベル以上の話が出てきませんでした・・・ 肝心な「顧客の声」も・・・
次第に「品質が悪い」という言葉で表現すること自体が色々な解釈の邪魔になっているのでは?と考えるようになりました。
ちなみに、実際に目の当たりにしたもので品質マターになりそうな観点で言うと、
導入中はバグ起因の問題もあったが、導入担当者のスキル不足で発生していたものや、リリース前テスト不十分(日本語の画面だと発生する・・・とか)等、純粋なるバグというよりは、どちらかというと他が起因する問題が比較的多く出ていた
ただし、導入完了後はソフトウェアそのもののバグで問題になることはほぼなく、設定値のチューニングであったり、どちらかというとハードウェア起因の問題が多い印象
リリース前でなく現場でテストさせているな…という感じでしたが、カスタマイズもほぼ全案件で発生し、かつ、ほとんどが現場でのロボとの取り合いをベースに確認しないと本当の意味で問題がないと判断できない点も理解しました。
デリバリーにおいて改善の余地は十分あったかもしれませんが、リソースを効率的に使うのであればテストは現場で行ってしまった方がよい、と至る理由も理解できました。
プロダクト自体の品質の問題というより、プロダクトの性質や性格、デリバリーのプロセスの問題であると表現した方がよい内容でありました。
ソフトウェアやシステムの導入に慣れていない人だと、導入中にIssueが発生すること自体が問題だと考える傾向にあるので、このことも「品質が悪い」と言われていた理由の一端だったかもしれません。
ただ、私自身は、GoLive後はバグ起因で問題が発生することがほぼなかったので、この方がすごくないか?と思ったくらいでした。
入社したてで見えなかった部分が大半というのもあり、「品質が悪い」と曖昧な情報を刷り込んできた日本支社の ”奴ら”(あえてこう言わせてもらうw)の言葉を、まずはうのみにするしかなかったのが残念でありとても後悔。。
一次情報で判断することの重要さを改めて認識しました。
そういえば、在籍中はよく「これは Thought なのか Fact なのか、どちらになりますか?」と言うようになってました。。
いちいち嫌味な人・・・だったかもしれないけど、これを分けて聞かないと、時に致命的なエラー起こします・・・
そして、このように分けて話せる人は残念ながら皆無でした。。
※シニアな会社人なら、これくらいできて当然だよね~って思うのですけど
「品質が悪い」の根っこにあったもの
「品質が悪い」と表現されていた問題の根本は、大体下記のようなものでした。
★の項目は品質課題でなく、リソースの課題。
☆の項目は品質に影響があるかもしれないが、これだけでは品質に問題があると言えないもの。
当時、日本支社のトップはデリバリーのプロセスや標準ドキュメントを作ること(これがあれば導入の型もできるというロジックもありますが・・・)にも躍起になっていましたが、どう考えても「★」の問題を解決しないことには進まない話でした。
なぜ「★」の問題が解決できないのか?という点について、日本支社トップは「本社は何も教えてくれない・・・」と言っていました。
一方で、本社のSWチームからは、勉強会実施しても1、2人くらいしか来なかったと言われ。。
両者が言うことにそもそも乖離がありました。
更にもう一つ、厄介な問題がありました。
それは、日本支社トップと本社のキーマンたちとの合意形成の課題でした。
当初、本社からは進めてOKだと許可もらっている!と言われてきたにもかかわらず、本社の関係者とコミュニケーションすればするほど、日本支社の動き方のまずさが色々な場面で出てくるのでした。
合意形成に問題がある、と確信したのは入社して4カ月くらい経過した時。パートナー企業の開発するソフトウェアのプロジェクトの過程で、以下のような問題が出てきました。
基本契約が締結されていない
この施策に確保されている(と聞いていた)はずの予算が確保されてない
この2点、入社早々に日本支社トップに確認していたのですが、「やっておくから気にしなくてよい」と返してきたので、当然のごとく対応されていると信じていました(エビデンスくれ!といっても出てこないので信用前提で進めるしかなかった)。。
当該パートナーとのプロジェクトも自分の入社より前から話があって・・・と聞いていたものでしたが、
契約なしで仕事を進め
請求書送ったけど期日に入金されてないからと憤慨する
このパートナー企業も大丈夫か??と思いました。
なぜ日本支社のトップは契約をスムーズに進めなかったのか?、
おそらく「既成事実を作ってしまえば、本社も金を支払わなければならなくなる」と、"強行突破" を考えたのではないか?と思われます。まともな会社だと、契約なしで勝手に仕事を進めることに対しては、何かしらのペナルティがあるはずなのですが、、、
一応グローバルに展開しており、欧州にも米国にも支社があるような規模の会社なので、ある程度はまともだと思ったのですが、日本支社はどうやら本社のガバナンスが効かない組織になっているようでした・・・
これも推測ですが、本社側の日本支社支援担当に「まともに忠告対処していたら、監督責任問われて自分の首が… だからなかったことに・・・」という心理が相当働き、結果的にガバナンスが効かない状態になってしまってもいただろうと思います。
うまくいかなければすぐにキル… 中国は人がたくさんいて人材に困らないからと、そんなことを耳にしたこともありました。
ちなみに、協業パートナーの選定基準は?と本社のSWチーム等から聞かれたこともありましたが、この類の質問に対して日本支社トップは決まって「そういうことを聞く前に、自分たちの足元を見ろ」と返していました。
本社からの、不思議でも変でもない、ごくスタンダードな質問にまともに回答できないという残念な姿に「誰がこいつをカンマネにしたんだ?」と思いました。。。
結局は「◎」の項目が大いに影響していることが、諸々の課題につながっている・・・
製品の品質ではなく「組織(特に日本側の幹部)」の問題
時間かかりましたが、ようやく確信しました。
結局やりたかったのは・・・
日本支社のトップがどうしてもやりたかったのは、日本法人の裁量で自由にできるプロダクトを手に入れること。
なぜ「品質が悪い」のか?という点において、色々あいまいだったのは、「純正のソフトウェアの完全コピー」が欲しかったから…というのもわかってきました。ワタクシに「車輪の再開発」をさせようとしていたのでした。。。
幸いにも、物分かりが悪かったので、完全コピーを持たせることに失敗した(させたw)のですが…
仮にできたとしても、事業計画なんぞ元から全くない状況であることから、既に存在していた野良ソフトと同じ運命になりそうな感じだったので、結果的に望む方向にならずでよかったと思っています。
「顧客も望んでいる」と聞いていた話もウソだったことが発覚。
日本独自のソフトウェアを所有するためにターゲットにするプロジェクトを探し、そのプロジェクトの顧客に日本支社長がお願いして、日本支社独自のソフトウェアを使わせようとしていたのでした。
プロジェクトのミーティングの度に顧客側の担当が「なぜグローバルのベストプラクティスがつまった製品があるのに、日本で新たに開発したものを使うことにしたのか?」と、事あるごとに聞いてくるのがすごく違和感でしかありませんでした。
望んでいるはずの顧客がまるで望んでいないようだけど…
と何度か経緯を確認するも、支社長は「顧客が望んでいるんです」とか「ぜひ進めてほしいと言われている」というばかり…
担当営業にも何度か経緯を確認し、ようやく「こちらからお願いしたもの」と吐き出されたのでした。。
ずっと外資系の日本法人でやってきた身からすると、支社に求められているファンクションを全く理解できていないアホだな・・・(あえてこう言わせてもらうw)と。外資の支社に求められるのはまず「販売機能」。シェアを広げて売上と利益を獲得することが命題。
外資の支社でプロダクトのオーナーシップを全面的に持つ…ことは基本的になく、ローカライズ版を出すにしても、オペレーションは本国のプロダクトチームの指示の下で行われるのが普通なので、それを差し置いて自由に開発して自社のプロダクトとして販売することなどできない。
こういった外資系企業内エコシステムの慣習的なことを知らないまま、支社長になった途端、自分の会社を持ってしまった…かのように思ったのかもしれません。
大人しく、外資の海外支社に求められるベーシックな役割である「販社機能」を果たして、アジア担当を差し置いてタイもマレーシアも・・・俺の陣地!とか言わずに、謙虚に日本国内で確実に売上に利益にシェアを伸ばすことだけに注力していれば…
海外支社は「販社」でしかない!
支社独自に製品のオーナーシップを持つことなどまずできない!
ということを、喧嘩になってでも面と向かって早く言うべきだったな・・・と今となっては思いますが、"TBK"の空気に飲み込まれてさすがに言い出せず。。。
TBKにハマることの恐怖を体感しましたw
日本だから「高品質」の幻想
中国資本の会社に勤めてみて、日本だったら「品質が高い」ものが提供できる!のは幻想なのでは?・・・ということを実感しました。
確かに一昔前は中国製というと壊れやすいとか安っぽいとかそういうものは多かったと思います。日本人ほど細かく丁寧に対応しない傾向もあったかもしれません。
でも、ロボットの導入はシステムを入れるようなものであり、製品自体はもちろん、導入も運用フェーズのサービスも「品質」が求められる。
導入も運用もサービスの品質を決めるのは関わる人であり、組織である。関わる人のモチベーションには組織文化やガバナンスが影響すると考えています。
この日本法人は、組織文化やガバナンス、マネジメント層のレベルがこれまでの所属や関わってきた組織と圧倒的に違いました(要するに低すぎて話にならない・・・レベル)。
現場ではこんなことが起きているのを見てきました・・・
もしかすると、他でも同様のことが起こることもあるのかもしれません。
でも、入社したのは、マネジメントや経営未経験の社長が立ち上げたばかりのスタートアップのようなところではなく、既にグローバルに展開し複数の海外拠点を持っている企業の海外支社。ここまで酷い・・・のは想定外でした。
すごく情けないな~と思ったのが、酷い状況を本社の人間に見せつけているにも関わらず、自分たちの方が仕事ができる!と思ってしまっている日本支社側の人の態度。
「バカ」「アホ」なんていう(これまでの所属がホワイトすぎだったのか・・・?w)なかなか直に聞く機会がなかった暴言を日本支社トップの口から本社のエンジニアに浴びせていたり(ミーティングツールの機能がご丁寧に翻訳してくれてることも知らずに。。w)、本社側のゲスト来日に合わせて顧客(日本を代表するような大企業)がセットした接待の宴席を日本支社トップと幹部が当日ドタキャン(急用で行けなくなった…ではなく、行くと言って時間になっても来ないというやつ・・)、更に後日先方に直接フォローもない…
社内の人にも社外の人にも、社会人や会社人として最低限の礼儀を保った対応ができない人たち。見た目はオヤジ、頭脳はお子ちゃま・・・
こういう人たちに「品質の高い」仕事ができるわけない。
自身のこれまでの経験上、「実るほど頭が下がる稲穂かな」に当てはまるような人ほどクオリティの高い仕事をする人が多かったのですが、改めて再認識。
念願のロボ企業だったけど・・・
これまでの組織の常識をまっさらにして考えたとしても、グローバルに展開している企業の支社というにはあまりに酷い状況だな・・・
と、思ったので、新しい期になり本社のチーム編成が変わったタイミングで接触することが多くなった本社側のマネジメントに色々相談するようになりました。酷い惨状を「(支社長以外の)人のせい」としか言えなくて思考停止状態の日本支社のトップとは違い、親身に乗って話を聞いてくれたり、小さな課題であればサクサクと解決の方向に持っていくのを協力してくれました。
日本法人単体では浄化作用が働かないと確信していたので、本社のガバナンスを利かせる目的で自分のレポートラインを本社のチームに変えてほしいということも直訴しました。これができなかったら辞めるという覚悟でした。
こうやって本社の人間に相談する自分が相当気に食わなかったのか、ある日、日本支社のトップが自分の部門を突然なくす発表をしてきました。
事前に相談されることもなく、事後に話の場を設けても、そのテーブルにつくこともなく、しまいには案件のやり取りをしている社内SNSのチャネルのアクセスや、対応中の案件の担当も勝手に外してくるという顛末に。。
レポートラインの変更もすぐにはできそうもない(本社の方に支社の人事権や組織を強制的にコントロールする権限がないので、暴君支社長のご理解を得ないと実行できない)こともわかったので、すぐに退職届(理由も具体的に記した形)を内容証明&配達記録付きで出しました。
内容証明郵便を使うのも初めての経験でしたが、精神病んで休職中&係争中の方が自分の入社前から存在している中、今後何が出てくるか想像もつかなかったので、何かあったときのために備えました。
最終日、貸与品を返すためにオフィスに行き、ご挨拶をして出た後の解放感は今でも忘れません。
自分でも気づかないくらい、ものすごい重圧に耐えていたんだな~と。
辞めてきた!と伝えた親からも「それでいい、それでいい」と言われ。。
色々心配おかけしてすみません・・・汗 という感じでした。
ちなみに、退職した後も何人かつながっていて仲良くしてもらっています。TBKの中の自分にとってのオアシスは、日本支社の幹部層が敵視している中国人の方々。辛い状況から助けてあげられなくてごめんね…と言われたり、仕事につながりそうな人を紹介してくれたり。。。涙
いい仲間がいたことがせめてもの救いです。お客様もよい方々ばかりでした。
その後、本社のメンバーから聞いた話だと、自分が辞めて1,2か月後には、(暴君支社長がとにかく辞めさせたがっていた)自分の配下にいたメンバーも無事に新天地での活躍の場を得て退職したとのこと。
自分が辞める直前には、車輪の再開発を担わされていたパートナー企業の担当者も3人中2人がその企業を離れました。
そして、暴君支社長は本社の上席を怒らせて解雇されたのだとか・・・
態度が悪いとか、本社の人間を脅したとか、会社離れても悪い噂しか聞きませんでした。
まるでフィクションのようですけど、ノンフィクション…
こんなにドラマチックでヘンに濃すぎる日々、もういらない。。。w
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