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目指せ、エシカル消費者! よく耳にする「エシカル」って何??
スコットランドで生活していると、diversity(ダイバーシティ)や
inclusion(インクルージョン)、sustainability(サステナビリティ)などの言葉に加え「ethical(エシカル)」という言葉を頻繁に耳にします。
● エシカル(ethical)って?
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エシカル(ethical)とは英語で倫理的な・道徳上の・道徳的に正しいといった意味の言葉です。私たち夫婦は買物をする時によく「なるべくエシカルな企業を利用したいね」と話しています。そして今回、思っているだけでなく実際に行動に移そう、ということ「ethical consumer(=エシカルな消費者)」という雑誌を定期購読することにしたのです。
エシカルな企業というのは簡潔に言うと「正しいことをしている企業」のこと。環境への配慮や労働環境、社会への配慮など広い視野で見た良識ある企業のこと。例えば、
● 自然環境へ配慮しているか
● 動物実験を行っていないか
● フェアトレードを行っているか
● 労働者への十分な賃金が支払われているか
● 適切な労働環境で労働者が働けているか
● 税金など適切に処理されているか
などが挙げられます。
私たちは、エシカルな企業をなるべく利用したエシカルな消費者を目指すべく、まずはエシカルな企業を知ったり、どういった視点で消費活動を見つめたらいいんだろう?といった学ぶ気持ちでアクションをスタートさせることに。
● 今より少しエシカルな消費者になりたい
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今回、定期購読をはじめた「ethical consumer」の今回のテーマはスポーツウェア。トレーニングウェアからスニーカー・登山ウェアまで、どの企業・ブランドがよりエシカルで、どのブランドがよりエシカルでないかを特集。中にはチャートでエシカルスコアがつけられています。
● 今まで買ってたものは全然エシカルじゃなかった・・・!心のダメージ大
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雑誌の中身を見て、今まで私が気に入って使っていたブランドがエシカルスコア0ということが判明……。夫が愛用していた靴のブランドは、現在継続中の戦争国へ兵士用の物品を提供しているという情報を読み、ショック大。スポーツブランドのみならず、食料品や衣料品など自分たちが今まで買っていたものは、ことごとく低エシカルスコアという結果デシタ……(※定期購読者にはオンラインでデータが見られる特典があります)。今までの自分たちの消費活動に罪悪感さえも覚える結果となり、少し自分たちの消費活動を見直すきっかけに。
● エシカルと便利・低価格の葛藤
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エシカルな企業を利用したいという気持ちはありつつも、完全シフトは難しいということも今回の発見です。
というのは、エシカルな商品やサービスは正直聞いたこともないような会社やブランド名で、全く馴染みがありません。そしてやはりお値段も張るのです。
いくらエシカルな消費行動をしたいと思っても、子どもの使うもの(すぐ壊す・失くす可能性がある、成長にともないすぐに使えなくなる)に高いお金をかけていたら我が家は破産です(汗)
また値段が倍も違ってきたり、便利さで勝ってしまうようなサービスの場合、そちらになびいてしまうのが消費者としての本音です。
私たちだって人間であり、限られた予算で生活している身。
そして毎日の生活があるので、商品やサービスの便利さ・手軽さは重要です。正しいことをしたい、エシカルな企業を利用したいという気持ちはあっても、100%エシカルになることは難しいのかもしれません。
● 出来ることからはじめていこう
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私たち夫婦はとりあえず「無理をせず、自分たちのできることからはじめていこう!」という結論にたどり着きました。無理をしてストレスになると、良いことでも継続が難しくなってしまいます。「継続できなければ、意味がないよね」と思い、私たち夫婦がはじめる行動はとりあえず3つです。
①自分の好きな店・ブランドの中からよりエシカルなブランドを選ぶ
まずは自分が好きなブランド・いつも利用するブランドをカテゴリー別に分け、その中でエシカルスコアを比べます。そしてよりエシカルな企業から買物をすること!エシカルスコア100点満点中、5点のお店Aと30点のお店Bなら、Bで買物をしよう……という感じ。わざわざ1度も利用したことのないお店・ブランドや利用が困難(お店が近くにないなど)なお店・サービスに変える必要はないような気がします。これは食品・衣料品・化粧品・基礎化粧品など幅広いカテゴリーで今日から実践可能!
②本当に必要なものだけ買う
そして、まだ使えるのに「気分を変えるため」「新しいのが欲しいから」という理由で買わないこと。1つのものを壊れて使えなくなるまで、ちゃんとしっかり使い潰そうと決めました。そうすることでゴミ削減にも繋がり、よりエシカルになれるんじゃないかと思います。もちろんゴミを出す時もリサイクルできるものは積極的にリサイクル!♻
③ものは大切に丁寧に使う
今回、思ったのがモノに対する日頃からのケア。例えば靴や衣類なんかもちゃんとケアすれば長く使えるものなんだなあ、と学習しました。雑誌にはアウトドア用品のお手入れ方法もしっかり書かれていました!これは家電なんかにも言えることだと思います。忙しい現代人には面倒くさいことですが、日頃からのメンテナンスって大事!
● さっそくコーヒーと紅茶を注文
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ということで、そろそろ買わないといけないと思っていたコーヒーと紅茶をさっそく購入しました。Oxfam(オックスファム・インターナショナル)というチャリティー団体からフェアトレードされているコーヒーと紅茶を買いました!Oxfamはエシカルスコアの高い団体で、販売しているコーヒーもフェアトレードされたものとのこと。スーパーで売られているコーヒーに比べると1袋あたり1.5〜2ポンドほど値段が上がるのですが、これぐらいだったら無理にもストレスにもならないので続けていけそうな予感。
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きっと緊急で必要な時はスーパーに置かれているエシカルスコアの低いコーヒーを買うこともあるのだろうけど、なるべく忘れずエシカルスコアの高いコーヒーを買うようにしたいなあ、なんて思っています。すごく小さな変化ですが、こんな小さな変化を増やしていけばいいんじゃないかと。最初から頑張りすぎると続かないですしね。
● 一人ひとりが考えて、選択して、行動する時代
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コンプライアンスにダイバーシティ、インクルージョン。
サステナビリティにSDGs、そしてエシカル……。
カタカナで意味も類似していたり、一部被っていたりしているものもありますが、これからの社会に必要な考え方・行動が昨今よく話題になっています。
個人的に、このような考え方はとても大切で、私たち一人ひとりが意識していった方がいい考え方でもあると思います。特に、今は簡単に情報にアクセスできるため、個人個人が自分自身で考えて、選択が可能な時代になりました。
私のように「小さなことから少しずつ!」みたいな考え方でもいいと思いますし、便利・安い点を重視したい方はそれでもいいと思います。それでも今までと比べて少し自然に配慮したり、企業活動に興味を持ったりすることって大切なんじゃないかと思うのです。
ちなみに私はこれをきっかけに銀行も替えることに。調べたところ、私が利用している銀行は現在紛争が起こっている国の保守党へ投資をしているという事実が判明。思えば13年前にスコットランドへ移住してきた時は、一刻も早く生活基盤を整えるべく、何も調べずに大手の銀行に口座を開設したんですよネ……。
今回この雑誌の購読を開始したのがきっかけで、また1つ、自分の中でポジティブな変化が生まれたような気がすます。よりエシカルな消費者になれるよう、自分ができる範囲のことから1つずつ行動を起こしていきたいです!
※「ちょっとエシカルな行動を起こしたい」と思っている方におすすめなのが英治出版の「フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た」。とても考えさせられる一冊です。