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題... アベノミクスの総括
◆ 私には、“アベノミクス”なるものは、当初から理解できませんでした。
そもそも、アベノミクスと言われている政策は、しっかりした国の将来ビジョンに沿って考えられた政策ではなく、思い付きの寄せ集めでした。
アベノミクスは、経済政策というより、トンチンカンなことばの遊びにすぎません。
そんなアベノミクスですが、一定期間が過ぎたら“総括”しておかないと、日本経済は再スタートができません。再スタートには、全体を振り返って評価しておくことが不可欠。[ #総括 ]
総括とは、全体をひとまとめにしめくくること。また、その役の人のことらしい。要するに、全体として反省し、再スタートすることが総括なのです。[ #総括 ]
私が総括ということばを知ったのは、“連合赤軍事件”の頃。いいイメージはないが、総括は必要。わけのわからないことをズルズル続けていても、再スタートはできません。
岸田首相は、今となっては失敗政策ということがはっきりしてきたアベノミクスを、反省することなく引き続き同じスタンスでやっていくつもりのようです。
◆ アベノミクスは、“大胆な金融政策”、“機動的な財政政策”、“民間投資を喚起する成長戦略”を3本の矢と称していました。
つまり、低迷していた日本経済を新しい経済成長のレールに軌道乗せさせるための政策セットがアベノミクスでした。
当初は、一時しのぎ策としての“大胆な金融政策”と“機動的な財政政策”のつもりだったのだと思います。
ところが、たとえば、エネルギー構造を抜本的に改革する類の大型の成長戦略でもやればよかったのですが、安倍首相にはそんな覚悟はありませんでした。[ #成長戦略 ]
ということで、アベノミクスの肝のはずの“成長戦略”が構築できないまま、“大胆な金融政策”と“機動的な財政政策”だけを続けることになってしまいました。
結果として、未曽有の金融緩和策で行き場のないお金が株式市場に向かい、景気は悪いのに株価だけが妙に上がってしまうという、いびつな経済構造の状況になりました。
おまけに、インフレを恐れすぎて、賃金上昇をおろそかにしたために、日本の労働者の賃金は発展途上国並みに落ちぶれました。これでは、消費は盛り上がりません。
◆ コロナパンデミックやロシア-ウクライナ戦争で世界中がインフレ時代になったら、日本経済は身動きが取れなくなりました。
当初の頃は、まだ、余裕もありました。世界中が不景気の時代だったので、“円安”によって輸出大企業の業績は多少伸び、失業率も多少は改善しました。
主要国はインフレ抑止のために公定歩合を引き上げるなどの対応策もとれますが、日本は財政政策に頼りすぎてしまったために公定歩合の引き上げることもできません。
公定歩合を上げれば、自動的に国債の金利負担は上がる。“機動的な財政政策”のせいで赤字国債は雪だるま式に増え、とてつもない利息支払いが必要になりました。
まともな成長戦略を構築できない安倍首相が安倍政権が苦肉の策として打ち出した“インバウンド”の推進政策も、海外から人がこなくなってしまったのでは意味がない。
日本は、アベノミクスのせいで、経済のあらゆる面が“悪循環のサイクル”にハマってしまったと思います。
悪循環の罠にハマったら、人心一新で、抜本的に考え方を変えることが必要です。[ #人心一新 ]