【十勝旅行:前編】大自然を満喫しながら、「できる」を増やす旅
夢の寿命は2秒と言われている。
「やってみたい」と思った瞬間、人は無意識にできない理由を探す習性があるかららしい。
私も意識レベルでは「できない理由よりもできる根拠を探す」ようにしているものの、おそらく無意識レベルでは「でも」とできない理由を探すことが多いのだと思う。
そのひとつが運動、スポーツである。
今となっては、当時の関係者以外誰も信じてはくれないが、水泳は3歳からはじめたので自信があり、小学時代はリレーの選手に選ばれたりもしている。中学時代は陸上部で短距離走や走り高跳びをやっていて、大会に入賞したこともある。
ただ高校時代にじん帯を伸ばしてからめっきり運動やスポーツからは遠のき、今では「背筋・腹筋ありますか問題」に直面するほど運動不足が深刻で、今さら運動やスポーツなどできるとは思えなかった。
ただやってみたいことは色々あって、そのひとつが「大自然の中をセグウェイで駆け抜けたい」ということだった。
※セグウェイ…前後に体重を移動することで前進・停止・スピード調整ができ、ハンドルを進みたい方向へ傾けることで方向転換ができる乗り物。
去年から「セグウェイ、セグウェイ」と言い続けていたが、私からその話をきいた人からは「絶対乗れない」と断言されてばかりだった。
そして何より自分自身が「できないかも」と消極的で踏ん切りがつかなかった。
そんな中、ただ唯一ひとり「一緒に行こう」と言ってくれた友達がいた。
新卒で入社した会社の同期である。私のダメっぷりもたくさん知っているにも関わらず「乗れるよ、大丈夫だよ。」と言ってくれた。彼女の心の広さと器の深さに感謝しかない。
こうして「大自然の中をセグウェイで駆け抜けたい」という願望を叶えるべく挑戦がはじまった。
セグウェイが乗れるようになるまでの軌跡
私たちがセグウェイを乗る場所に選んだのは、十勝千年の森。
10分の体験試乗もあるが、大自然の中で乗ってみたいこともあり、2時間ツアーを張り切って申し込んでいた。事前予約が必要で人気のツアーだがちょうど希望日時で予約ができてラッキーである。
当日は平日ということもあってか順調に車を走らせることができ、予約時間まで1時間ほどゆとりを持って十勝千年の森に到着できた。
徒歩で行ける範囲で森の中を散策したり、ソフトクリームを食べていたらあっという間に予約時間になったのだが、実は密かにそわそわしていた。
そわそわした気持ちは、集合場所に行った後、焦りに変わった。
多少暑かったこともあり調子に乗って半そでだったからである。集合場所にある装備品を見て、明らかに場違いだと察し、焦りしか感じなかった。
(モンベルのウェアは持ってきていたが車に置いてきてしまっていた。反省である。)
焦りしかなかった私が言っても説得力に欠けるが、大自然の中でセグウェイに乗る時は基本的に長袖が望ましい。寒さ対策もあるが、とにかく虫が多いので、自分のみを守るためにも肌の露出は極力避けたほうが良い。
幸いウェアのレンタルがあり、私は救われた。
また、ヘルメットをレンタルできるがサイズは慎重に選ぶことをオススメしたい。
私は装着して大丈夫だと思いSサイズをレンタルしたが、ツアーの後半からヘルメットの締め付けで多少頭痛を感じることがあった。
大きすぎるのも危険だが小さすぎるのもできるだけ避けるよう試着はしっかりとした方が良いと痛感した。
ただ大自然の中にいると頭痛はやわらぎ、気にならなくなるからそこまで不安に思うこともない。
装備の準備完了後、いよいよ乗車レクチャーが始まる。
本当に親切丁寧にわかりやすく教えていただけるので、他の方と違う動きしかできなかった私も一通りの基本操作はマスターすることができた。
レクチャー開始15分くらいは、あまりのできなさに絶望感しかなかったが、気付くと先生の言っている意味が分かるようになり、自分がどうすれば思い通りにセグウェイが動くのか考えられるようになってきた。
「誰でも乗れるようになる」というのは本当で、明らかに動きが怪しい私でも乗れるようになり、森の中も思い通りに走れるようになった成長過程が我ながら超感動レベルである。
やるばやるだけ不安だった操作にも自信が持てるようになり、周りの景色も徐々に楽しめるようになってきた。
恐怖心が強いとついつい下を見てしまいがちだが、セグウェイはまっすぐ前を向いたほうが安定して走行できる。
それを体感するまでに30分くらいかかったけれど、マスターした後は大自然の中をセグウェイで駆け抜けている自分を心から楽しめていた。
はるか遠くに見えた丘にもスイスイ登れて綺麗な景色を堪能したり、美味しい空気をたくさん吸ってリフレッシュできたり、大自然の恵みを全身で感じることができ幸せな気持ちでいっぱいになった。
最後のフリー走行では気が赴くままセグウェイを走らせることができ、まさに「大自然の中をセグウェイで駆け抜けたい」という願望を叶えることができた。
友達と一緒にセグウェイを走らせている動画は一生ものの記念である。
気づけばあっという間に2時間が経ち、セグウェイとお別れしなければいけない時間がやってきた。本当に名残惜しい限りである。
ただ本当に心から楽しかったし、こんなに清々しい気持ちになれたのも久しぶりで最高の気分だった。
ツアー終了後、先生から「セグウェイガイドツアー乗車証明証」なる私がセグウェイの乗った証明をしてくれるカードをいただいた。
これで「絶対セグウェイに乗れない」と言っていた方にも乗れたことを信じてもらえそうである。(本当に乗れたので信じてください…笑)
次なる願望、というより野望が生まれる
今回のセグウェイガイドツアーは初級編「草原コース」だが、あと4つ上級コースが用意されている。
願望が叶うと次の願望がすぐに生まれる。
「全コース制覇したい!」
もっと森の中を走ることができるのでもっと「大自然の中をセグウェイで駆け抜けることができる。
ありがたいことに友達も同じ気持ちだったので、また来年セグウェイガイドツアーに参加することがその場で即決された。
となると、やはり忘れないように乗り続けたい。
なので、来年と言いつつ、実は今年もう1度乗りたい衝動が抑えきれない私である。
十勝千年の森以外でも全国でセグウェイに乗れるチャンスがあるので、虎視眈々と次なる乗車場所を探っている。
自分のスケジュールを考えると現実的ではないがギリギリまでチャンスを狙いたい。
たとえもし年内の乗車が叶わなかったとしても、必ず来年は十勝千年の森に戻り2つ目のコースに挑戦する。
きっと乗車方法を忘れて最初はおぼつかないと思うが今回の体験がエネルギーとなりきっと支えてくれるはずだと信じている。
十勝は自然も食も最高のロケーション
根っからの道産子である私は北海道が大好きで十勝も大好きな場所のひとつだが、出張で行ったり、バスツアーで立ち寄ったりするくらいだったので、自由に深く楽しむという経験が少なかった。
今回はありがたいことに友達が車を出してくれるということで時間も場所も自由が利くフリープランで旅行を計画することができた。
セグウェイはメインイベントではあったが、もうひとつ食でも叶えたい願望があった。
それは「ハイジの気分でラクレットチーズを堪能したい」というものである。
この願望を叶えるべく、ずっとスイスに行きたいと思い宝地図にも貼っていたのだが、チャンスがあっても気持ちが向かず、一向に叶うことがないまま時間だけが過ぎていた。
なぜだろうとずっと不思議だったのだが、今回の十勝旅行の計画を立てていてその理由がハッキリと分かった。
それは「ハイジの気分を味わえるならスイスに行かなくてもかまわない」という私の本音である。
北海道には美味しいチーズがたくさんあって、もちろんラクレットチーズも豊富である。特に十勝には美味しいチーズしかないと言っても過言ではない。
ということで、食の願望を叶えに行った。
友達とふたりで大興奮したラクレットチーズ。
めちゃめちゃ本格的で高まる気持ちが抑えきれず、ただただ感無量である。
パンとじゃがいもが選べるラクレットチーズだが、パンを選択しハイジになり切って心ゆくまで味わった。
とろーりと伸びるチーズが美味しすぎてひたすらおかわりをしたいしたい気持ちにもなったが、この後の予定もあったので最後の一口を大切にした。
北海道でハイジの気分を味わいたい時は、新得町にある「協働学舎新得農場ミンタル」に行ってみて欲しい。
カフェの外には緑が広がり、かわいい羊もいて自然も楽しめる場所である。
また来年、今度はチーズ盛り合わせを食べに行きたいと思う。(おそらくラクレットチーズもリピートしそうな気配は感じている。)
モール温泉と言えば十勝川
十勝旅行と言えばやはり十勝川温泉に泊まりたいということで、今回は憧れの宿を宿泊地に決めた。
「十勝川温泉第一ホテル」である。
最高のロケーションで楽しめる足湯があったり。
フリードリンクもやたらおしゃれだったり。
何より温泉はモール温泉でお肌ツルツルになったり。
ビッフェスタイルの食事も品数多く、どれも美味しかったり。(私のやらかしで夕食なしプランで予約されていたことはここだけの話…無事に追加できて安堵…汗)
朝食の時はエゾリスもテラスに遊びに来たり。
館内全般とてもスタイリッシュで清掃も行き届いていて清々しく、どこをとっても満足度の高い宿泊となった。
その中でも私は露天風呂の立ち湯にハマり、ずっと入っていたい気持ちだった。
腰かけているよりも立っていた方が長時間温泉に入れるような気がして、景色も良く本当に気持ちが良かった。
温泉が好きなのでこれまでも色々なところに宿泊をしているが、歴代の温泉宿の中でも確実に上位ランクの満足度である。
私の中でリピート確定の宿なので、ぜひ今度は母と一緒に行きたいと思っている。
翌日のお楽しみは気球、サイクリング、スイーツ巡り
1泊2日の十勝旅行1日目。
今回私がテーマにしていた「できるを増やす」旅にふさわしく、セグウェイに乗れるようになって、最高のスタートを切ることができた。
2日目はさらに「できるを増やす」べく、サイクリングに挑戦してきた。そして、挑戦というわけではないがはじめて気球にも乗り経験値が増えた。
また大好きなスイーツをどれだけ食べられるのかスイーツ巡りも存分に楽しんでいる。
この2日目の様子は後編で。
▼後編エントリー:【十勝旅行:前編】大自然を満喫しながら、「できる」を増やす旅
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