【十勝旅行:後編】大自然を満喫しながら、さらに「できる」を増やす旅
20歳の時。7歳年下の弟と最寄駅から時間差で帰ったことがあった。
弟は駅周辺で用事を済ませて徒歩で家路に向かったが、何も用事がない私は弟よりも10分早く自転車で駅を出発していた。
ところがである。
先に家に着いたのは弟で、私の到着時刻より5分も早かった。
私の方が10分早く出発したのに、なぜ弟よりも5分も遅く到着しているのか。明らかにおかしい。
最寄駅から家まで私は歩いて12分かかるのだが、弟の方が若くて歩くのが早いとしても、私は自転車に乗っていたのである。
予定では私の方が15分以上早く到着しているはずだった。
「何で?!」と相当な衝撃を受けたが、これはもう圧倒的に私の自転車走行が遅いということを認めざるを得なかった。
そして、この事実が私から自転車に乗る気力を消し去ることになる。
加えて単純に「自転車に乗るよりも歩いたほうが早い」という実にシンプルな結論に達したこともあり、私の中から自転車の存在がなくなっていった。
あれから11年。
今回一緒に十勝旅行に行った友達から「十勝川温泉はサイクリングもできるみたいだよ」と言われ、珍しく「自転車に乗って風を切ってみたいな」と思えた。
自転車にはずっと興味がなかったので、今でも不思議で仕方ないが気持ちは既に固まっていた。
「大自然の中を自転車で駆け抜けたい」
こうして前日のセグウェイに続き、サイクリングへの挑戦が決まった。
十勝川温泉の絶景をもとめ、展望台を目指す
十勝川温泉にはサイクリングコースが3コースあるのだが、今回はなぜか「展望コース」一択で話が進んでいった。
他にも平面で走りやすい「カワセミコース」や「やなぎの森コース」もあるのに、私の中には「展望コース」しかなかった。きっと何かに導かれていたのだろう。
展望というからには坂道もあるので、電動自転車を狙っていたが結果的に普通の自転車をレンタルすることになった。
10台くらいある自転車の中から、身長に合っていそうな一般的なタイプのものを選び、いざ出陣。
「自転車にまたがることができるのだろうか」「バランスを保てるのだろうか」という心配もよそに、身体が自転車の乗り方を覚えていた。
華麗?にケンケン乗りを決めて自転車にまたがり、颯爽とメダルを漕ぎ始めることに成功した。
ケンケン乗りができたことに気をよくした私は、快調に自転車を乗りこなし、完全に気分がハイだった。
途中で立ち寄った施設では「十勝っぽい」と感じる牛のベンチを発見し、大喜びで写真を撮ったり、趣味のスタンプを集めたりとこの時までは120%ウキウキしていた。
ただここから状況が一変する。
果てしない坂道が私たちの前に立ちはだかったのである。
途中で自転車を押しながらなんとか緩やかな坂道を登りきることができた時、既に展望台に到着したかのような達成感と燃え尽き感があった。
振り返って撮った写真↑を見てもよくここまで登ってきたなと半泣きになるほどだった。噴き出してきた汗もまるで止まる気配がない。
その後も展望台を目指して足を進めてはみたが、暑さと止まらない汗、激しい呼吸に身の危険を感じ始め、それなりに景色が見えるところを発見した段階でギブアップすることにした。
悔しさもあったがそれ以上に満足感が強く、この景色が見れただけでも感動だった。
来年は電動自転車をレンタルして必ずリベンジしたい。
ちなみに非常に苦戦した坂道だが、帰りはスイスイと風を切って気持ちよくくだることができた。
サイクリングの楽しさも覚え、「自転車に乗ることができる」と再確認できたので、今回の旅のテーマは十分満たされたかなと感じている。
ビル10階相当の高さから楽しむ気球の旅
サイクリングに出かける前、実はもうひとつお楽しみなことをしていた。
気球初体験である。
ホテルを出発し集合場所に向かう途中、気球を見つけただけで気持ちが高まり足取りも軽くなった。
方向音痴を炸裂し、やや遠回りはしたものの予定時刻には受付を済ませることができた。
事前予約不要で順次気球に乗り込むスタイルで、待ち時間は30分~45分ほどみておくとスケジュールが立てやすいと思うので、ご参考まで。
1回に5名くらい乗り込むことができるので、2人組の私たちは先に並んでいた3名のご家族連れとグループに。
並んでいる間に乗り方、降り方の説明があったが、難しいことはなかった。
ひとつだけ気になったのは、身体が硬いので足が上がるのかという心配だったが、そこまで高さはなさそうだったのでお気楽だった。
いよいよ次の乗り込めるというタイミングで、気球のすぐ近くに行くことができる。
せっかくの機会なので真下から気球を撮ってみた。
もうすぐ乗り込めるというわくわく感からか…あとから見たらほとんどの写真が微妙にぶれていた(笑)
そんなこんなとはしゃいでいるうちに順番がやってきて、順々に気球に乗り込んだ。
足は問題なく上がったが荷物が大きくて邪魔になってしまったことは反省点である。
気球に乗る時は極力最低限の荷物で行くことをオススメしたい。
気球の中を撮影できるのは乗り込んでいる時だけということで、景色を楽しむ前にひとりだけ逆方向を見て撮ってみた。
かすかに炎も映り込んでいて良く撮れたかなと自画自賛している。
気球から写真を撮っているとうっかりスマホを下に落としてしまいそうな感覚になったが、そんな中友達が気球に乗っている様子を撮ってくれた。
あいにくこの時間帯は雲が厚かったが、肉眼では相当先まで景色を見ることができたので、大満足だった。
実際に気球に乗っている時間は5分くらいであっという間だが、早朝から楽しい体験ができて充実感がすさまじい。
天気に左右されやすいアクティビティだからこそ一期一会感があってとても楽しめる。
スイーツ巡りと急きょ行ってみた帯広の森
たっぷり十勝川温泉を楽しんだ後は、帯広市内でスイーツ巡りをするべく車を走らせてもらった。
まずは、私がこのなく愛するジェラートが美味しいと評判の「ウエモンズハート」へ。
ジェラート屋さんに行くと、「シングル」「ダブル」までしか個数を選べないことが多いが、ウエモンズハートは「トリプル」まであって最高である。
私は一寸の迷いもなく「トリプル」を選択した。
そして友達にもどれだけ「トリプル」が素晴らしいかプレゼンを試みたが、彼女は最後まで「ダブル」を貫き通した。
さらにプレゼン力を磨き、「トリプル」信者を増やしたいと密かに誓いながら、美味しいジェラートを秒で食べ終えた。
ジェラートは飲み物である。
すっかりジェラートで満たされた後、このウエモンズハートの近くにある「帯広の森野球場」に立ち寄った。
2日後にファイターズ戦が行われるということもあり、いたるところに看板が掲げられていた。
ファイターズファンの私はその看板だけでもテンションがあがったのだが、どんどん日が差してきて青空が広がってきたこともあり、球場の近くにある「帯広の森」にも急きょ立ち寄ってみることにした。
森の中を進んでいくと木彫りの熊がお出迎えしてくれた。
個人的にこういうアートが大好きなので、熊に紛れて記念写真も撮ってみた。
もう少し熊になりきればよかったかな(笑)
ちょうど森の中を散策している時に日差しが綺麗に入ってきて、幻想的な景色も楽しむことができた。
特に、友達がさりげなく撮影してくれた後姿の写真↓が幻想的でとても気に入っている。
加工なしでこの色はなかなかでない。肉眼で見た時とほぼ同じような光景を帰ってきてからも見れるのはラッキーである。
森の中ではエゾリスも見れて自然をたっぷり楽しむことができた。
本気で散策すると5時間くらいかかるようなので、ほんのちょっとのお試し散策という感じではあったが、行ってよかったと思っている。
こうしてたっぷり身体を動かした後は、楽しみにしていた「ファームデザインズ」へ。
浜中町に本店があるカフェで、今回は帯広畜産大学店に行ってみることにした。
完全に好みとしか言いようがない店内に、きゃっきゃっしたくなる衝動を抑え、冷静におめあての「うしさんのチーズケーキ」を注文。
チーズケーキだけでも数種類あり、パフェもおいしそうで完全に目移りするパターンだが、初志貫徹で迷いを断ち切った。
こうして大学構内の景色も楽しみながら、うし柄の濃厚チーズケーキを堪能でき幸せな気持ちに浸ることができた。
この時点で相当お腹いっぱい過ぎているので、当初予定していたスイーツ巡りはここで終止符を打つことになる。
本来はあと数種類スイーツを食べる予定だったが、美味しいところで終わった方がまた次に来る動機にもなると思ったのだ。
実際、来週も出張で帯広に行く。その時は今回食べることができなかったスイーツを食べる予定である。
こうしてすっかりお腹も心も満たされて、若干身体の重さを感じるようになったが、お土産を買う足取りは軽かった。
帯広駅周辺で買い物を楽しみ、ちゃっかり流行りに乗って「なつぞら」のパネルで記念撮影もしてみた。
心ゆくまで十勝を堪能し、あとは家路を向かうのみ。
行きは時間を有効活用するために高速道路を利用したが、帰りはのんびりした道で道の駅などにも立ち寄りながら帰ることにした。
目に飛び込んでくる景色はのどかでゆったりとした気持ちになれるものばかりで、やっぱり北海道って最高だなとしみじみと感じることができた。
今回の十勝旅行は楽しかったのはもちろん、「できる」を増やすという観点でもとてもステップアップできたと実感している。
やればできる。やらなければいつまでもできないまま。
やりたいと思うならまずはやってみる。
やってみたら世界が変わる。
そんなことを感じながら心の底から楽しむことができた2日間だった。
来年の十勝旅行が今から楽しみすぎてそわそわしている。
▼前編エントリー:【十勝旅行:前編】大自然を満喫しながら、「できる」を増やす旅
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