【回顧録】社内の「面倒くさい」を解消する Step.4
我々不動産会社は何かと資料の保管が多い業界であります。
土地や建物の権利関係を記録している登記事項証明書に始まり、契約書、重要事項説明書、家賃保証会社や損害保険会社の申込書などなど。多種多様です。
これらの書類をただただファイルに保存しておくだけならまだいいのですが、中にはしょっちゅう取り出してコピーをとったり、内容を確認したりするものもあったりします。
書庫に向かう→書類をファイルから取り出す→ホチキスを外す→コピーする→ホチキスで止め直す→書類をファイルに戻す→書庫にしまう
この動作を繰り返すわけです。
ちょっと考えただけでも面倒くさいことこの上ない話です。
こういう事務作業が好きで喜々として取り組まれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私にとっては苦痛以外の何者でもありません。
どうしてくれようか・・・。
弊社では縁あって2005年の夏より、富士ゼロックス株式会社(現:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)製の複合機に入れ替えました。その複合機と、同じ会社から提供されている、電子文書と電子化した紙文書を一元管理するソフトウェア「Docuworks」を組み合わせて、本格的に文書の電子化、文書の電子管理化を進めることにしました。
法律面や実用面で残しておかなければいけない紙の書類はありますが、土地や建物図面、登記事項証明書の写しなど、後々再利用する可能性の高い書類から複合機にかけて少しずつスキャンしていきました。
複合機はDocuworks形式での出力に対応していることから、直接Docuworks文書化したものをネットワークディスクに自動保存させ、その後Docuworksで活用できるようにしました。
Docuworksではスキャンしたりコンピュータから直接変換したDocuworks形式の文書に文字を打ち込んだり、簡単な図形を追加したり、文書の束をばらしたり、束ねたり、色々と編集できるようになっています。
先ほど例に出したようなケースは、次のような流れに置き換わります。
必要なファイルが格納されたフォルダにアクセス→該当ファイルを選択→必要に応じて編集後、直接デジタルデータのまま共有させるか印刷して利用
とてもあっさりしていることがお分かりいただけるでしょうか?
今では社内で延べ20,000ファイルのDocuworks文書を扱うまでになりました。
現在、弊社ではスキャンした文書の蓄積活用を中心として、次のような使い方も行っています。
① 受信FAXのバックアップ
複合機から自動的にネットワークディスクにFAXをDocuworks文書化して保存。ブラウザ上の業務システム内から受信FAXの確認ができるようになっています。
② 賃貸契約関連のDocuworks文書と賃貸管理システムとの連携
入居者様の契約関係書類の管理についてです。入居者の数が多いため、私が作成した賃貸管理システムとDocuworks文書を連携させることで円滑な管理を実現させています。
入居者様の入居申込書や本人確認書類といったものはスキャンして、Docuworks文書化します。このDocuworks文書を賃貸管理システム上で選択・アップロードすると、自動的にファイル名の変更や保管場所の変更処理を自動で行い、後で賃貸管理システム上から使いやすくなるよう格納されます。
格納された文書は賃貸管理システム上からワンクリックでダウンロードしたり、直接複合機から印刷できるようになっています。
③ QRコードを使った資料印刷・ダウンロードの高速化
まず、ユニークとなるようなIDの入ったQRコードシールを準備します。
そして、スキャンしてDocuworks文書を作成する際、対象となる書類にQRコードシールを貼っておきます。そして、スキャンして保存。保存させたDocuworks文書はQRコードに入っているIDをファイル名として変更しておきます。
作成したDocuworks文書は賃貸管理システム上でQRコードを入力することで、自動的に検索されてファイルのダウンロードもしくは印刷が可能となります。
これを上手に活用すると、こんな事が可能です。
弊社ではお部屋探しにいらしたお客様用に物件資料を準備しています。B4のクリアホルダに入っているものですが、この物件資料には表・裏それぞれにQRコードシールが貼られています。
ご来店くださったお客様から物件資料のコピーを希望された時、賃貸管理システム上からQRコードをスキャンして入力すると、該当する物件資料がスピーディーにダウンロードもしくは印刷されるようになります。
一件、一件、賃貸管理システム上からも検索・印刷指示を送ることは可能ですが、QRコードを読み取って、一括ダウンロード、印刷かけるほうが断然早いです。
今手がけている業務の中で、紙の書類の取り扱いで、すごく時間をかけてしまっている業務はないでしょうか?
まずはその書類について、本当に保管が必要なものか疑うことが大事ですが、どうしても現物保管が当面必要な書類、後日再利用する可能性の高い書類についてはスキャンしておいて、後日活用できるようにしておくと、業務に係る時間を削減させることができ、文書の保管コストも最小限に抑えられます。
また、あってはならないことではありますが、紙書類の誤廃棄や汚損が発生してしまった時のバックアップとしても利用できるでしょう。
是非文書の電子ファイル化を検討してみることをオススメしたいと思います。