もうそろそろシステムから直接印刷させませんか?
我々賃貸管理業者が普段利用しているであろう賃貸管理システム。現在いろんな会社からクラウド版、オンプレミス版で提供されています。
入居者が決まると賃貸契約書や重要事項説明書等々の書類をこれらのシステムで作成していきます。
#WordやExcelで作成している業者もいますが一旦おいておきます
システムでは必要事項を入力していくと、主に次の形式で書類が出力されます。
●Word文書
●Excelシート
これらをダウンロードして一つ一つユーザーが印刷処理をしていきます。
Word文書やExcelシートで出力されたものは書式を整えて印刷処理をしなければならないケースがあったりします。
皆さん、これってものすごく面倒くさくないですか?
私は面倒くさいです。どうせなら・・・
●重要事項説明書(A3・小冊子印刷・ホチキス止め済)
●賃貸借契約書(A3・小冊子印刷・ホチキス止め済)
●請求書(A4フルカラー1枚・A4モノクロ パンチ穴あけ済1枚)
●鍵受取書
●各種ご案内資料
これらが印刷ボタン一つでまとめて印刷・加工され、完成形で出てきた方が良くないですか?
実は自社の業務システム(ブラウザ上で動く)ではこれらの書類は「印刷」ボタン一つで一気に完成した書類を出力させることができています。
この辺りの事は過去の記事で触れたので詳しくは書きませんが、どのように実現させているかをもう少し詳しく書いてみたいと思います。
システム上で「印刷」ボタンが押されると、サーバー上ではそれぞれの書類のPDFを自動的に作成します。PDFについてはPDFフォームで雛形を設計していおくと、それぞれの項目の挿入が容易です。
PDFができあがると、サーバーは複合機に向けて自動的に直接印刷データを渡して印刷をかけます。
我々の場合はオンプレミスとクラウドのハイブリッド対応なので直接複合機にデータを送ることができますが、クラウドで提供しているシステムであれば一旦データを受け取って複合機にデータを投げるクライアントソフトが必要となることでしょう。
サーバーから安定的に印刷処理をかけるのはなかなかエンジニアとしては頭を悩ませるポイントではないかと思います。サーバー上で印刷処理させるシステムもあるにはありますが、ライセンス料のお高いものが多く、中小企業向けのレベルではありません。
どうしたものか・・・。
色々と試行錯誤を繰り返す中で我々がたどり着いたのは次の2つの方法でした。
なお、パンチ穴あけや紙折り、ホチキス止めを行うには、複合機に「フィニッシャー」と呼ばれるオプションの装置を取り付けたものでないと対応できません。我々の場合は富士フイルムBI社の複合機にフィニッシャーを取り付けたものを使用しています。
1.ContentBridge Utility for Windowsの活用
富士フイルムBI社の対応複合機を利用する前提とはなりますが、このツールを使うと、直接PDFはPDFのまま直接複合機に送って印刷処理をかけてくれます。このためサーバーに負荷をかけることなく印刷処理が実行されます。しかもこのソフト、無償なのがうれしいです。
このソフト経由で印刷される際、どのように印刷させるか細かく指示をすることもでき、そのパターンを保存して活用することも可能です。「A3・小冊子印刷・中とじホチキス止め・カラー:自動」とか「A4・パンチ穴あけ・カラー:自動」といった感じでパターンを保存し、印刷処理を簡略化しています。
●ContentBridge Ulitility for Windows
2.PDF-XChange viewer と複数のプリンタードライバーの合わせ技の活用
1.の方法は特定に複合機に特化した方法です。現在、自社業務システムではレシートプリンターで領収証の発行やシールプリンターでラベル印刷をさせているため、機種に依存しない方法も必要となりました。
サーバー上でPDFを展開して印刷データーを送るのはあまり好ましい事ではありませんが、1の方法が使えない時の手段として確保しています。
無償で公開されているPDF-XChange viewerはコマンドラインからの印刷が可能となっていて、その際プリンター名を明示できることができます。これを最大限利用するのです。
出力体裁の数だけプリンタードライバーをインストールし、既定の印刷体裁をそれぞれ設定しておきます。
あとは出力の体裁に応じてプリンター名を指定して印刷処理をかけると、お好みのプリンターからお好みの体裁で印刷物が出来上がってきます。
ベンダーの対応が必要ではあるけれど・・・
いかがでしょうか?実現できない訳ではなさそうだということはお分かりいただけたでしょうか?
現場の環境に応じた細かい設定が必要となるので、実際の導入するとなると、ベンダーの出張対応が必要だとは思います。
しかし、ここまでのことを実現させると現場ではかなり業務効率が上がる話です。
ベンダーの皆様、是非取り組んでみて下さい。多分、世の賃貸管理会社さんに喜ばれると思いますよ~!