あえてアナログ
時代はすっかりデジタルになりまして、何をするにもPCだスマホだタブレットだと画面を見ることが多い昨今でございます。
アートの世界も昔に比べるとデジタルアートが昔に比べて明らかに多い気がします。ネットばかり見てるからそう感じるのかもしれませんが…
私自身本格的に手描きでの作品作りを始めたのは最近のことで、それまではPCで漫画を描いたりイラスト描いたりしておりました。
当然PCや液晶タブレットなどの機材は高額ですが、アナログと違って片付けや準備、画材のコストなど考えなくても手軽にできるのでいい時代になったもんだ~などと呑気に思っていました。
ところがマンガ描いたりしていても段々と感じてくる違和感。
なんだろう…楽しくない。ものたりない。
出来上がったものに対して「キレイにできた」という達成感はあるものの、
何かが足りない。何か…この絵には…絵?
これは「絵」なのか?
画面に絵のように表示されるよう作られた「何か」じゃないのか。
そうか、私は絵を描いてたんじゃない。データを作ってたんだ。
突き詰めていけば出来上がった作品は画面に表示されている単なる電気信号でしかない。1と0の集合体なんです。
ならば印刷すれば?と思うでしょうが、それもまた違うんですよ。
印刷されたものであっても手描きの作品とは何かが違うんですね。
おそらく足りないのは、
作家の想いとか、込めた魂とかそういう理屈じゃ説明できない見えないもの
我々は視覚で「見ている」つもりが知らず知らずのうちに「感じている」んじゃないかと思うんです。
すごく精細なデジタル作品なんかを見て「うわぁすごい!」ってなっても、圧倒されて息が詰まり硬直するほどの感動ってほとんどないんじゃないでしょうか。(※)
「ああすごい。」「きれいだね~」とかそういった感想は出てくるけど、なんか寂しさがある気がするんですよ。
アナログの手描き作品は「温かみ」「凄み」とかそういった感情が見る人に伝わって感動を生み出すんじゃないか。
そんな感じで、あえて今日もアナログでの作品作りにいそしんでおります。
※動画作品や漫画作品は別です。あれは演出やストーリー展開も含めて感動させるものですので。ここでは一枚絵の話とさせていただきます。