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お金があってもできなかった歯列矯正とその後

大人になったらやりたいことに『歯列矯正』があった。歯並びが悪く、人から指摘され気になっていた。悪いというかガッタガタ、つまり悪い。

歯列矯正はざっと100万円、学生には白目になるような金額だ。でも、歯列矯正は子ども限定ではなく、大人でもできるんだ、希望がある。大人になって100万円準備したら、わたしは歯列矯正をするんだ。

大人になり親知らず問題で大学病院の口腔外科へ行くことになったので、ついでに歯列矯正について聞いてみた。

「あなたはやめた方がいいです。顎が壊れますよ。」

顎が壊れる??

どうやらわたしの顎は歯列矯正に耐えられないらしい。できないなんて思ってもみなかった。お金があってもできないなんて。これはショックだった。

その後 別の口腔外科数ヶ所や開業医数ヶ所でも同じ回答でさすがに諦めた。大人になってもお金があってもできないことがあるんだ。

その後わたしに歯列矯正を勧めた医師がいたが、断っているのに何度も歯列矯正を勧め、電話までしてきた。これを機に「わたしに歯列矯正を勧める医師のところには通わない」という基準ができた。

顎が壊れるより歯並びが悪いままを選んだ。できるだけ長く自分の歯で食事をしたい。しかし、歯並びが悪いと虫歯になりやすい。丁寧に磨いてるつもりでも虫歯になるのでうんざりだった。顎が壊れて歯を使えないのも虫歯になって歯が無くなるのも、どちらも嫌だ。

それから歯科で定期的に歯のクリーニングをしている。だいたい3ヶ月に1回のペース。自分ではどうしても虫歯にしてしまうので、プロの力を借りている。この判断はよかったと思う。虫歯はあるけど、治療せずに済んでいる。うんざりな気持ちとはお別れできた。

私にとって歯のクリーニングはエステだ(行ったことないけど)。あの椅子の角度、絶妙ですぐに寝てしまう。「お口をゆすいでください」と起きなければならないのが苦痛になるほどだ。「終わりですよ。お大事になさってくださいね。」と言われると「帰りたくない」と駄々をこねたくなる。でも、ツルツルになった歯を舌で確認する度に笑みがこぼれてしまう。エステだ(行ったことないけどね)。

歯列矯正の夢は諦めたけど、おかげで歯の健康は維持でき想定外にエステ気分。幸せ。





よもぎ

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