高輪橋架道橋から山谷までぶらついた日
思いつきでだけで散策した、とある日のことを書きます。
忘れっぽい私の備忘録。
そして一緒に楽しんでくれる友達がいるのは最高。
2019年の秋頃だったので高輪ゲートウェイ駅開業前のことです。
暇を持て余していた3人で品川駅の高輪口で集合し、そこから歩いて建設途中の高輪GW駅を目指しました。
開業前の駅を見るのは不思議なものです。
でもそれはおまけ。
この日、最初に行きたかった目当てのスポットは高輪橋架道橋。
あまりにも低すぎて、タクシーの上に乗っかている名前がわからないアレを壊してしまうとか、その低さを体感したかった、どうしても。
さらに高輪GW駅開業による周辺の再開発に伴ってこのトンネルも消滅してしまうとのことで、これはすぐにでも見ておかねばと街歩き好きとしての血が騒ぎます。
1つ目の注意書き、1.5m・・・確かに低い。
これはテンション上がります。
現場に行ってもこのカーブのおかげですぐに全体像を見せてくれないところがさらにわくわく感を高めてくれます。
2つ目の注意「降雨時の冠水に注意」
確かに、近年のゲリラ豪雨の時はすぐに水没してしまいそう・・・
実際に豪雨の時はどのようになっていたのでしょうか・・・
これが高輪橋架道橋
ここで3つめの注意「自転車から降りて通行してください」
通過中、地元民なのか自転車に乗ったまま颯爽と駆け抜けていく人もいましたが、見てるほうがひやひやする・・・そのくらい低い、とにかく低い。
高さ1.5mとありましたが、私の身長は15×cmなのでそれよりも低いはずですが、歩いてみるとギリギリ頭をこすることはなかったので、体感としては1.6mくらいあるのかな。
でも同行者のうちの一人は1.8m OVERなのでずっと腰をかがめながら歩いていたので高身長な人は苦行を強いられます。
興奮してぶれちゃったけどこの低さ、伝わるでしょうか。
自転車のほかに、ふつうの道路のようにかっとばす車も何台か通って行きました。空間認識力の高さに驚きます。もし私が初めて車でここを通るときは徐行でしか進めなさそう・・・きっと後ろから何台もの車にクラクションを鳴らされます。
この時、私達は泉岳寺駅の方からこの通りを抜けました。
この上を新幹線が通ってるだなんて信じられない・・・
東京の街歩きの楽しさというのはこういう新旧が混在しているアンバランスなところが魅力だと思うのです。
名残惜しいですが楽しい時間はあっという間でとうとう出口です。
外に出るにつれて登り坂になっているのでさらに頭上高が低くなります。
改めて住所を見ると完全に都心の一等地といった感じですが、こんなところにこんな昭和の遺跡があるなんて!という感動を味わえます。
山手線の新駅ができても、リニアが開通しても、こういう不便で古いものがいつまでも残っていてほしいと思うのはダメでしょうか・・・
別名、おばけトンネルという名称もあるそうです。
何から何まで昭和のすたるじっく!
いや~、楽しかった!
でも日は暮れてないのでまだまだぶらつきます。
次は六本木で行きたい中華料理屋さんがあったのでそこを目指します。
どうでもいい情報かもしれませんが、これは三田線日比谷駅に貼られたばかりの新しいタイル。タイルってかわいいので好き。
そしてお目当てのお店は定休日だったので別の中華に行きました。
そういえばここも行きたかったと思い出して入ったのが「中国茶房8」
私を含め3人とも辛いもの苦手なので一番辛くない麻婆豆腐を頼んだけど、山椒が効いて辛くて笑っちゃった。辛くてつらい・・でもおいしい・・・でも辛い・・・というジレンマの中、完食。さすが中華激戦区。
あと、このお店はなぜか性器をモチーフにしたオブジェ?が店内の至ところに飾られているのでお料理が来るまでの間、退屈することはなさそうです。
ぜひ、下ネタ好きのカップルならデートで行ってみてください!
お腹も膨れたところで、せっかく六本木にいるならとさらに行きたい場所を思い出しました。それが我善坊谷。
こちらも再開発で消滅してしまうとのことなので、是非とも見ておかなければと血が騒ぐ・・・
結果から言うと、もう手遅れでした。
既に再開発工事が始まり、何本もの高いクレーン車が立ち並んでいました。
目まぐるしく変化する大都会・・・
というか再開発エリアが多すぎて、週休二日だけでは回り切れません!
工事現場を囲っているパネルの隙間から覗いてみましたが、住宅街は跡形もなくなっていました。
余談ですが、戦災で焼失するまで永井荷風が住んでいた偏奇館もこのあたりにあったそうです。歩いてみたかったなぁ
そして気を取り直して次はどこに行こうかと考える、日が暮れたばかりなのでまだ時間があるからと最後に向かったのは、山谷。
行きたい酒場とドヤ街建築を堪能したいのです。
日比谷線で三ノ輪駅に降りました。
そこから少し歩くと明日のジョーがお出迎え、作品の舞台なんですね。
さっそく目当てのお店に到着「山谷酒場」
離れたところからでもわかるこの看板。色と字体がステキ。
ミルククレープのようなオムレツ。
日が経ってしまったのできちんとメニュー名を覚えてないのが悔やまれます。
だけど、予想外のメニューが多くて驚きました。下町の居酒屋メニューがメインかと思っていたら、良い意味で裏切られます。
山谷酒!
日頃、内臓に負担をかけている飲んべえの罪悪感を薄めてくれるような薬膳酒のような不思議なお味です。
酒が進む濃い目のたこ焼き
夕方頃にしこたま中華を食べてしまったのでお腹いっぱいでしたが、ついつい頼んでしまうほどおいしい・・・もし空腹で行ったらもっとオーダーしていたに違いない。
そしてこの日のクライマックス。ドヤ街建築探訪を開始。
夜も遅い時間なので興奮を抑えつつ、なるべく声をひそめながら帰りの駅まで歩きましたが、同行者に「みたらしさん、めっちゃテンション上がってるでしょ」と言われたのを覚えています。
見てください、この看板を。
なぜこんなに不機嫌そうなのか、でもどことなく憎めなくてかわいい。
そして今、画像を見返すと左側にある「ナディア」という看板に描かれているキャラクターも気になる。
何屋さんなのか全くわかりません。
右側のずり落ちて、かろうじて電気メーターに支えられている3枚目の看板をぺろっとめくって何て書いてあるのか知りたい・・・!
左右で雰囲気が全く異なる不思議な分岐点
山谷にある建物で一番好きかもしれない。トキワ
看板を掲げるのではなくて、外壁に建物名をくり抜くという手の込んだ仕事に感動します。私の見聞ではここしか知りません。
なんだろう、お魚屋さん?
でもチューチュータコカイナっている店名にするでしょうか?
それにしてもタコの足の細かさにこだわりが感じられます。今時、こんな情熱をこめた看板を見ることはあまりないように思います。
ドヤ街建築を堪能したい!と言ったわりには、実際に歩いてみると唯一無二の個性的な看板が多くて、建物プラス不思議な看板探しもできるとは思わず、一石二鳥の街歩き。
徘徊している間にもう1軒、素敵な酒場を見つけました。
「大衆酒場 山酔」
お腹いっぱいのはずでしたがこの外観を見ると入らずにはいられません。
ポテサラとお茶割
なめらかで優しい味、良い居酒屋は絶対にポテサラが美味しい。
飛び交う会話を聞いていると、生粋の江戸っ子訛り。
店内は常連さんしかおらず、よそ者の私達は明らかに浮いてましたが、お店の人も常連さんも優しい人ばかりでした。
この日は南千住駅まで歩いてそれぞれの家路へ。
お昼すぎから行動したにもかかわらず、港区から下町へ、街歩き欲張りコースを堪能できた充実した休日でした。
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