関係性を作るというのはとても難しいのだ。
只本屋の宮崎三股店がオープンした。暖簾分けによって誕生したんだが、三股町社会福祉協議会が運営を行ってくれているので、すごくしっかりとした店舗ができたように思う。母体がしっかりしているということはとても大切だ。
京都の僕らは基本的に儲けることをしない団体である。それをポリシーとしているわけではないが、お金をもらうことで増えるであろう責任やサービス精神などを放棄することで、それ以外の何かを得ている。お金ではない関係性とか、持続性のようなものだろうか。何事も維持していくのは非常に難しい。そしてその関係性を作るというのはとても難しいのだ。場所を貸してくれる人。フリーペーパーと送ってくれる人。お店にやってきてくれる人。そういう人々とのやりとり。それを一つ一つ見逃さないように心がけること。只それだけ、でもそれがとても難しい。結構自分本位になっちゃう。だから、母体となる部分は本当は太いほうがいい。多分、そのほうが楽なんだと思う。
宮崎三股店では、そういう状況の中での只本屋の生かし方のようなものが見えてくるといいのかもそれないし、福祉との絡み方とか、九州の文化とか、そういうものの中でどんな只本屋が生まれてくるのかが非常に楽しみなのである。
最近のアイデアの一つに、暖簾分けをよりライトにして、オープンソースとしてノウハウを公開するというのもありなのではないかと思ったりする。運営者が自発的にやる。それはどのような目的でも構わない。そうやって広げていくというような仕組みを僕らは作ったし、提供してもいいのかもと思ったりするのである。
じゃー僕らはどうするのかというと。そろそろ次の只本屋のフェーズへと移行してもいいように思ったりする。次のフェーズとは、街のなんてことのない本屋のことだ。スタンダードなブックストアという意味も、僕らの名前には込められているので、そろそろそのフェーズへと移行してもいいのかもしれない。僕らはフリーペーパーが好き。でも本の文化とか、紙の文化とか、そもそもそういうものが好きで、このお店を始めたんだった。だからそこを目指してもいいのかもしれない。
今新しい世界が始まろうとしている。本質的なものを求める世界が広がろうとしている。だからこそそういうアイデアを形にしてもいいのかもしれない。
まずは宮崎の店舗ができたことがとても嬉しい。勝手にどんどん面白くしていってくれるといい。誰が始めたとかそんなことはどうでもいいのだよ。全部で面白くなればそれでいいように思う。