2012年11月27日

滋賀県のメッカ

ふぁい。最近ではマクドをマック、セブイレをセブンと言うようになってしまった私だが、関西人度を高めるために今回は9月に私が訪れた地元滋賀の聖地を紹介しようと思う。

滋賀県には近江鉄道という不採算路線私鉄がある。JRが幅を利かせる中、この私鉄は生存のために運賃をJRの2倍ほどに釣り上げ、その代わりとして土日のみ550円で全線乗り放題になる「S・Sフリーきっぷ」というものを発行している。こいつは滋賀県の様々な観光地にアクセスすることができる優れものだ。

JR近江八幡駅から近江鉄道に乗り換え、豊郷駅に向かう。聞くところによると、どうやらここは滋賀のメッカとも呼ばれる場所らしい。

↓豊郷駅。これまでに私が向かったどの駅とも雰囲気が違う。これが聖地の貫禄といったところか。



駅を降りてまずは豊郷の神殿とも呼ばれる旧・豊郷小学校に向かう。ここは滋賀県が誇る建築家、ウィリアム・M・ヴォーリズが設計した建物で、国の登録重要文化財に申請されている。ちなみに、私が通っていた近江兄弟社学園を創立したのもヴォーリズである。更にいうと、火傷したときに塗るメンタームを日本で初めて製造・販売したのも彼、ヴォーリズ。建築・教育・起業と、なんでもござれである。
↓ヴォーリズへ花を送る少女と優しくはにかむヴォーリズの銅像。滋賀県民は教師と生徒といった許されざる関係には比較的寛容と思われる。


↓これが聖地の町並み。旧小学校に向かう道にはいたるところにこうしたポスターが貼ってあった。


こうして駅から約10分歩いて見つけた旧・豊郷小学校。現在は日本各地の信者が集う教会、いや、神殿とも言うべき場所となっている。


↓訪れる信者たち


↓校舎内部


さすがヴォーリズ建築。白い校舎は月日を積み重ねてもその美しさを損なうことなく、いや、月日を積み重ねることでよりその美しさを高めていると言えよう。校舎の素晴らしさに感動しつつ、階段を登る私。すると、何やら楽器の演奏が聞こえてきた。音のする方に向かってみると、なんと音楽室でバンドの生演奏を行なっていたのである。しかも曲のリクエストにも答えてくれるという。素晴らしい。音楽室の隣には軽音楽部の部室があり、実は一話で切った私にも往年の賑わいが目に映るようであった。

↓部室には楽器が置かれており、机の上にはケーキや紅茶が。書き込み自由なホワイトボードと黒板には信者たちの熱い思いが書き込まれていた。


以上のように、熱い信徒たちの信仰の対象となっている豊郷だが、信仰には体制側の弾圧が付きものである。歴史を見返せば、織田信長による比叡山焼き討ち、江戸幕府による踏み絵、ディオクレティアヌスによるキリスト教大弾圧と、枚挙に暇がない。ここ豊郷も例外ではなかった。学校内に絵馬が掛けられるほどの信仰を集める豊郷にも、刺客が送られたのである。
↓小学校内の絵馬掛所。掛けられた絵馬からはPassionと言うべき信仰の強さが読み取れる。


↓豊郷に放たれた彦根の刺客。一度は撃退したものの復活して再度現れたようだ。



さて、豊郷にあるのは小学校だけではない。以下では私が見つけた聖地の楽しみ方を載せていこう。

楽しみ方その1.飛び出し坊やとの遭遇
飛び出し坊やとは、見通しの悪い道で車に子供の飛び出しを注意するために置かれる子供の絵が書かれた看板である。そして、滋賀県は飛び出し坊やの数が日本一という飛び出し大国。少しでも気を緩めれば草むらや交差点から子供がいきなり襲い掛かってくる。そのため、道行く人々に気を引き締めるように聖地・豊郷では独自の飛び出し坊やを作成、配置している。
↓これが標準の飛び出し坊や。


↓そして、これが聖地・豊郷の飛び出し坊や。交差点でパンを加えた女子高生とぶつかる事故が多発しているのだろう。こらそこ、交差点の前で加速しない。





実は、豊里駅の構内に貼ってある案内図(前掲)にどこに誰がいるか書いてある。すべての飛び出し坊やをコンプリートしたい人はそこをチェックしてから回ると効率的に町を散策できる。もちろん宝探し的な感じで探すのも楽しいだろう。
楽しみ方その2.聖地に佇む信者のための店
聖地というだけあって、信者のための店が存在している。しかし、信仰とは時に反発も生むもの。そこで、体制側の襲撃に対するリスクを分散させるために様々な場所に点在している。今回はそれらを1つずつめぐってみた。

・信者のカフェ。
旧・豊郷小学校に併設されているカフェ。このカフェには特別メニューとして「カレーのちライス」「焼きそばパン」「たい焼き」などが販売されており、信者の体と心のエネルギー補給の場となっている。カフェの横には聖遺物が展示されており、信者にとっては人生で一度は巡礼する場所といえよう。


・信者のENEOS、店名は「みやせき!」。表向きはただのガソリンスタンドだが、体制側の刺客に対抗するための巨大ロボットを製造しているという噂がある。痛自販機、痛洗車機といったメカも開発しており、その外観は推して知るべし。


・信者の文具店「おおむら」。見たところただの文具店だが、実は信者が豊郷にて聖遺物の購入を行う場所である。店主に信者であることを告げると、無言で裏に通してくれる。


・信者のお菓子屋、「きょうかどう」。残念ながら私が訪れたときは臨時休日だった。ここのお菓子は安くて美味い。特にプリンが絶品とのこと。次に帰省した時にはぜひとも味わいたいものだ。



いかがであっただろうか?今回は紙面の都合上、写真を全て載せることが出来なかったが、興味がある人は私のFacebookの写真を見てもらえると良いだろう。旧豊郷小学校が登録文化財に認定されることを祈りつつ、この記事を締めようと思う。


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