東京エクストリームウォーク100を完歩した
2022年11月12日から13日に開催された東京エクストリームウォーク100で無事完歩できました。
事前準備と当日どのように競技を行ったかを書きたいと思います。
参加してみたいけど具体的に何を準備したら良いかわからない人や惜しくも完歩できなかった人に参考にしてもらえると幸いです。
ちなみにタイムは21時間5分でした。
はじめに結論から
書いていたら長くなってしまったので端的に結論だけ書きます。
完歩が目的の初心者は以下を意識しましょう。
大会前に歩くペースを決めよう(ゆっくりだと感じるくらいのペース)
決めたペースを保ち続けよう
決めたペースを保ち続けよう
決めたペースを保ち続けよう
同じことを3回書きましたが、本当に大事です!
ペースをを上げたくなる場面はいくらでもあります。
周りに抜かされたり、前を歩く人を抜かそうとしたり、点滅し始めている信号を渡ろうとしたり。
ペース変更が怪我や足へのダメージ蓄積に繋がりゴールを遠ざけます。
決して焦らず、いつも以上に慎重に、忍耐を持って、競技に挑むことが最大の鍵です。
東京エクストリームウォーク100とは
その名の通り100kmを歩く競技で、春と秋の年2回行われます。
100km部門は制限時間26時間のチャレンジ部門、24時間のエキスパート部門の2つがあります。
今回はスタートは小田原城、ゴールは有明ガーデンというコースでした。
休憩地点(チェックポイント)は7km~22kmごとに存在します。
第1チェックポイント 22km地点 (22km)
第2チェックポイント 34㎞地点 (12km)
第3チェックポイント 54km地点 (20km)
第4チェックポイント 68km地点 (14km)
第5チェックポイント 79km地点 (11km)
第6チェックポイント 86km地点 (7km)
ちなみに34kmを制限時間8時間30分で歩くビギナーズ部門もあります。
湘南の海沿いを歩き、新江ノ島水族館に隣接するクラゲ広場がゴールになります。
景色がよく、競技後も楽しみたい人にとってはかなりおすすめのコースです。
筆者の情報
30代中盤の男性、体型は170cm70kg弱です。
普段から5km~10km程度のジョギングをしており、フルマラソンの完走経験があります。
ですが、100kmを歩く競技を完歩した経験はありません。
「フルマラソンが走れるんだらか100kmなんて歩けるだろう」と思ったら大間違いです。
実際に2019年11月2日に開催された東京エクストリームウォークで途中リタイアという悔しい結果に終わりました。
準備
事前のペース決め
持ち物
服装
事前のペース決め
まずはどれくらいの速さで歩けるかを計測しました。
5kmを速歩きで歩く練習をしたところ、1km9分という速度でした。
仮にこのペースで完歩できたと計算すると、
100km×9分 = 900分 / 60 = 15時間でゴール
という驚異的なスピードになりますが、まずこんな速度では歩けません。
実際に上記のスピードで歩いてみるとかなりエネルギー消費が激しく、また大殿筋(お尻)の上部が軽く筋肉痛になりました。日常的に5km程度をジョギングしていても、ジョギングと歩くのでは異なる筋肉が使われていることがわかりました。
結論としては1km12分で歩くことに決めました。
1km12分というペースは
100km×12分 = 1200分 / 60 = 20時間
になり、6箇所あるチェックポイントで10分づつ休んだ場合、21時間でゴールできる計算になります。
参考までにどのくらいのペースかというと、
不動産によくある「駅まで徒歩10分」というのは1分80mで書かれており、これを1kmのペースに換算すると、
1000m / 80m = 12.5 = 12分30秒
という計算になります。
まずは試しに12分30秒のペースで歩く練習をしたところ、自分にとっては遅すぎて逆にぎこちない歩き方になってしまったため、ゆっくりだと感じつつストレス無く歩けるスピードが1km12分でした。
また、前回のように足の痛みで大幅なペースダウンがあったとしても何とかゴールには辿り着けそうだという心の余裕が持てました。
持ち物
asicsの10リットル容量のバックパックに以下の荷物を入れてスタートしました。
ヘッドライト(大会規約必携品)
モバイルバッテリー
おにぎり11個 (3合)
そば茶(500ml)
ポカリスエット(500mlペットボトル)
コーラ(500mlペットボトル)
プロテインバー(1本)
替えの靴下 (5本指タイプ1足、一般的なタイプ1足)
ニューパス(20枚)
日焼け止め
各チェックポイントで軽食も提供されるのですが、エネルギー不足で歩けなくなるのが嫌だったのでおにぎりを多めに作って持っていきました。
最終的に2つ余ったのですが持っていってよかったと思います。
持ち物が多くなるのが嫌な人は都度コンビニで買うことをおすすめします。
また、ニューパス(湿布のようなもの)は必需品でした。
前回のリタイヤの原因は左足のアキレス腱の痛みが原因でした。
今回も同様に左足のアキレス腱に違和感を覚えたのですが、ニューパスを貼ることで違和感がかなり軽減されゴールに繋がりました。
服装
当日の天気晴れで、最高気温21℃、最低気温14℃だったため、日中は半袖で十分でした。
Tシャツ: ユニクロ ドライEXクルーネックTシャツ
上半身肌着: ユニクロ エアリズム
ズボン: ユニクロ ドライEXショートパンツ
タイツ: ワコール CW-X スポーツタイツ
靴下: 5本指タイプ
スマートウォッチ: Garmin Venu Sq
スマートウォッチはSuicaはペースの確認と自動販売機やコンビニでの飲食の購入に使いました。85km付近で充電が切れてしまうという誤算はありましが、無くてはならない必需品でした。
靴は厚底でクッション性が高いNOVABLAST 3です。
このクッション性の高さで膝などを痛めること無くゴールにたどり着けたと思います。
競技で気をつけること
自分のペースを保つ
事前決めたペースに囚われすぎない
とにかく足に優しい選択をする
休憩地点でしっかり休む
エネルギーをちゃんと補給する
自分のペースを保つ
まず冒頭書いたとおり、100kmを完歩した経験がないのであれば、事前に決めた普段歩くスピードもしくはそれより遅いペースで歩くことを推奨します。
特に前半の50kmまでは自分のペースを把握していない初心者が上級者に釣られて早く歩くケースが散見されます。そこで自分も釣られてしまうと予想以上に体力と足を使ってしまいます。
楽しく完歩するためにはここはグッとこらえ、自分のペースで歩くべきです。
また、グループや友人と参加している方であれば談笑しながら歩くのも良いと思います。ただし、狭い道では一列で歩くなど、他の参加者や競技に参加していない方に配慮していただきたいです。
事前決めたペースに囚われすぎない
狭い道で横並びで歩行している少数グループによるボトルネックや上り坂や下り坂で事前に決めたペースとは異なるペースになるケース。
このような場合に焦らず、逆に「足を休ませるタイミングだ」と割り切って歩くことをおすすめします。
無理にペースを早めたり急に歩行速度を変えることで、怪我や足の疲労を早めてしまう可能性があります。
また54kmのチェックポイントをすぎると、かなり自分のペースで歩けるようになります。
54km地点をすぎると団子状態になるケースはほとんどなく、また、急激な坂道もほぼ無くなるためです。
足に優しい選択をする
歩道は意外にも足に負担を掛けます。
注意深く歩道を観察すると歩道が斜めになっていて、車道側に寄るほど斜面が急になっていたり、歩道のブロックが破損していて躓きや捻挫の恐れがある場所が多々あります。他に落ちているゴミや石を踏んでダメージを受ける場合もあるでしょう。
また、歩行者信号の点滅や自動車側の進入待ちなど、普段であれば思わず走ってしますケースもあります。
急発進や急停止も足に負担をかけるため、極力行わないようにするのが良いと思います。
例えば、信号機が点滅しているのにもかかわらず、半分小走りで道路を横断するなどの行為はやめたほうがいいかと思います。
休憩地点でしっかり休む
私の場合、1つの休憩所で10分~15分は休むようにしました。ちなみに休憩所(チェックポイント)は6箇所あります。
休むと言っても10分~15分は意外と短く、以下の行動をするだけで過ぎてしまいます。
休憩所で軽食をもらう
座れるところを探す
靴を脱ぐ
軽食のを食べるなどエネルギーを補給する
湿布を貼るなどのケアをする
トイレにいく
予めゴールまでの見積もりに最低でも60分(6箇所、各チェックポイントで10分以上)休憩時間を設けると良いです。
エネルギーをちゃんと補給する
私の体型の場合5km歩くと約300kcal消費します。
私の場合、距離に応じてチェックポイントで支給される軽食と合わせて1つか2つおにぎりを食べました。
おにぎりは1つで約150kcalなので単純計算をすると5kmで2つ消費する必要がありますが、かなり単純化した数値ですし、また実際にはそんなに食べれません。
また、チェックポイント以外にも初めのチェックポイントまでは22kmと距離が長く、途中でお腹が空いたため歩きながらプロテインバーとおにぎりを食べました。
飲み物はポカリスエットもしくはコーラを常備し、喉が渇く前に頻繁に飲みました。
私はかなり汗をかくので1区間で500ml~1L消費しました。
感想
2019年のリタイアを糧に今回はかなり足に気を使って歩くことで無事ゴールできました。
むしろ、足を残しすぎたせいで後半の10kmあたりからはかなりハイペース(おそらく1km10分くらいのペース)で歩くことに。
54km地点まではかなり抜かされることも多く内心焦りましたが、60km地点からは参加者もまばらで抜かされることも少なくなり、楽しんで歩けました。
一方で54kmまで靴の履き方を横着したせいで、右足のかかとに靴擦れができるなど、多角的に冷静に競技をすすめる必要があることを痛感。
事前の体力づくりや準備、当日は冷静に自分の体と対話しながら忍耐強くペースを維持するという厳しくも面白い競技だということを体感しました。
参加者の100km部門のゴール率は75.9%と意外と高く、参加者の4人中3人はゴールできる競技ですが、自分のように怪我なく楽しくゴールするには事前の準備は欠かせないと思います。
この記事を参考に無理なく競技に参加できる人が一人でも増えると幸いです。