
まっしーのChorus note 10 甍演奏会のこと(今年は信長先生委嘱ありました!)
毎夏恒例の甍演奏会、今年は第62回を迎えました。快晴のお天気で気温も35度を超える猛暑の中、改装中の杉並公会堂ではなく、ティアラ江東大ホールにて無事演奏会を開催しました!

今年もステージ構成は「甍」の構成団体である早稲田大学高等学院グリークラブ、早稲田大学コール・フリューゲル、前2団体のOB団体であるいらか会合唱団が各1ステージずつ、全合同のステージが2つの計5つ、今年は各ステージで指揮者が異なりましたので5人の指揮者、2人のピアニストが揃いました。
第1ステージの高等学院グリーは信長貴富さんの「うたうたう」を。女声合唱で多く演奏されていますが、同声合唱のための作品なので、男声でも演奏ができ、今回の学院グリーには大変よく合っていた選曲でした。演奏会の始めに爽やかな歌声がホールに満ちました。指揮は齋藤諒さん、ピアノは井川弘毅さん。

第2ステージはいらか会で、西村朗さんの「永訣の朝」。自分がフリューゲルと全国に行った2012年の課題曲が2曲目の「松の針」で、個人的にも思い入れの深い曲です。フリューゲルは2016年にも清水昭さんの指揮でコンクールや定演でこの曲を演奏しており、当時オンステしていたメンバーの何人かが今回参加してくれたことは本当に嬉しいことでした。指揮は南方隼紀さん、ピアノは井川弘毅さん。
第3ステージは全合同で、信長貴富さんの「わが詩友」を演奏。総勢90名近くのメンバーでの演奏は迫力があったと思います。丸山薫・三好達治の「詩友」の詩が信長さんの音楽に乗せて語られると、心の深いところまでぐっと響くものがあり、何度も涙が出てきそうに…。自分でもいつか指揮してみたい、と強く思いました。指揮は清水敬一さん、ピアノは小田裕之さん。

第4ステージのコール・フリューゲルは、池辺晋一郎さんの「ガルシーア・ロルカの五つのシャンソン」を私の指揮、小田裕之さんのピアノで。これはいつかフリューゲルと演奏したい、と10年以上ずっと機を窺っていたのですが、ようやく念願叶いました!練習の過程からとにかく楽しくて、団員みんなと小田さんと、どんな表現ができるかをあれこれ探りながら仕上げていくことができました。
おかげさまで佳き演奏となりましたが、課題もいろいろとあり、先輩方からも多くの叱咤激励を頂きました。フリューゲルはこれからコンクールに向けての練習が本格化しますので、そのときに役立ててほしいと思います!(今年は指揮は清水昭さんなので私は応援しています!)。
最終第5ステージは委嘱作品である「音楽家の友への五つの詩」(信長貴富作曲)を全合同、指揮は清水昭さん、ピアノは小田裕之さんで演奏しました。
譜面をいただいた時から「これは絶対歌いたい!!!!!」と衝撃の走る作品でしたので、この作品の初演で歌えたことは本当に幸せでした。
詩は黒田喜夫(1926-1984)のもので、表現が決して平易ではないのですが、何かを求めるエネルギーや漠とした不安などが感じられます。音楽は、全楽章通して一貫した主題が用いられており、黒田の言葉を受け止めながら変容を繰り返します。
これはとにかく、多くの方に歌っていただきたい作品だと思っています!!ちなみにフリューゲルはこの曲でコンクールに出場するとのことですので、東京都合唱コンクールでぜひお聴きください!

こうして振り返ると、いつもにも増してかなりヘビー(!)な演奏会でしたが、聴きにいらした信長さんは、X(旧Twitter)に「5ステージ全てが互いを上回り、互いを高め合うという、強い光を放つ演奏会でした。」とお書きになっており、大変嬉しく思いました。来年の夏もまた燃えるような暑さだと思いますが、熱い甍演奏会ができるように、準備を進めたいと思いました。ご来場のお客様、作品をお書きくださった信長貴富さん、準備や運営に当たられました皆さま、その他この演奏会に関われた全ての皆さまに感謝いたします。