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広報戦略に使えるフレームワーク7選

こんにちは!令和PRで事業推進を行っている丸山です。
今年はnoteを月2回は書いていきたいなと年初に目標に掲げたのに、もう1月も後半。慌てて書いています。

さて、何からnoteを書こうかなと悩んでいましたが、今日は広報戦略のお話にしたいと思います。
昨年5月の令和PRを立ち上げてから10社以上の広報戦略を考える機会に恵まれました。様々な経営課題がある中、まず最初に考えるべき広報戦略の形が自分の中で定まってきたので、使えるフレームワークを7つご紹介したいと思います!



広報活動をりんごの木で捉えてみる

りんごの木で考えるPRで大事なこと

広報を未経験で始めるという方や、広報担当がいない企業の場合、広報活動をスタートする際「何から手をつければ良いか分からない」という悩みを抱えているのではないでしょうか?

ある企業はSNSマーケティングに力を入れ、また別の企業はメディアリレーションズに注力しています。しかし、これらの活動はPRの一環に過ぎず、全体の戦略の中の「点」としての施策です。

PRで本質的に重要なのは、企業の根本的な理念や目標を明確にすることです。「どのような世界をつくりだしたいのか」「1年、5年、10年後にどのような成果を達成していたいのか」「なぜその活動を行うのか」という根本的な問いに答えることで、企業の存在理由、すなわち「根」となる部分が形成されます。

そして次に基盤となる「幹」の部分を考えます。「〇〇と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは令和PR」といったように、独自の強みをキーワードで考えることが重要です。

根と幹が確立された後に初めて、具体的な施策の計画が始まります。よく「オウンドメディアを始めたい」「メディアに露出したい」といった具体的な施策から話を始めがちですが、それらの施策の効果は、根と幹にどれだけ根差しているかによって左右されます。

理想的な成果を達成するためには、まず戦略の基盤となる根と幹を言語化し、明確にすることがスタート地点となります。これにより、各施策が全体の目標にどのように貢献するかが見えてきます。

理想と現実とのGAPにこそヒントが隠れている

As Is To Be

上の図は、企業の理想を【To Be】、現状を【As Is】と捉えた図です。

広報戦略の策定は、まず経営上の課題を特定することから始まります。この過程では、経営者に対して「現在の主な課題は何か?」という質問をすることがしばしばあるかと思います。

しかし、このアプローチは考慮すべき点があるなと感じています。それは、経営者が指摘する課題が、広報活動において最優先に取り組むべき問題かどうかは必ずしも明確ではないという点です。

例えば、売上は順調だがリソース不足が課題である場合、直ちに採用広報に注力するのは早計かもしれません。なぜなら、社員数の増加が本当に最優先事項かどうかは、広報のゴール設計がなされていない段階では明らかではないからです。

重要なのは、経営者がどのような将来(【To Be】)を実現したいと考えているのかを理解することです。これに対して、現在の状況(【As Is】)を明確にすることが次のステップです。

過去に広報を担当した会社では、直接取引(直商流)と代理店を通じた取引(代理店商流)のバランスを変え、直商流を増やしたいという【To Be】という経営方針がありました。その時点での【As Is】は、代理店からの紹介や人脈を通じての相談が多く、自社のウェブサイトにはほとんど問い合わせがない状態でした。

そこで、このギャップの原因を探りました。この会社の場合、コーポレートサイトに企業やサービスの情報が十分に表現されておらず、潜在的な顧客に対して自社の価値やノウハウを効果的に伝えることができていませんでした。

このことから、リブランディングで会社の存在価値を改めて定義し直し、会社やサービスの価値を社内外に明確化すること、そして潜在的な顧客にとって、役に立つコンテンツを作成し、有益なノウハウを提供することで、関心を引き、【To Be】に近づく戦略を立てることができるようになりました。

現状の把握はフレームワークで捉える

現状の把握は、フレームワークを活用して行うことが効果的です。より具体的かつ詳細な現状の理解が、適切な戦略立案に不可欠であると考えます。

このプロセスでは、経営者からのヒアリングに加えて、会社が公開している資料やWEB上の情報を徹底的に分析することが重要です。時間はかかってもこのプロセスをじっくり取り組むことであらゆる広報活動の重要な基盤となります。

特に、SWOT分析を用いることは広報活動において非常に有効です。SWOT分析を通じて、企業の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を明確にすることで、どの領域を強化し、どの課題に対応すべきかがはっきりします。

SWOT分析

また、3C分析(Company, Customers, Competitors)を行うことは広報活動で打ち出すキーメッセージを考える際に役に立ちます。この分析では、自社が持つ独自性(USP:Unique Selling Proposition)を明確にし、社会的ニーズと競合との違いを把握することができます。そして明らかにできたUSPは、広報活動におけるキーメッセージや戦略の方向性を決定するうえで大きなヒントになると思います。

3C分析

総じて、これらのフレームワークを駆使して現状を体系的に分析することで、広報戦略立案の基点が明確になります。令和PRでは、この分析から得た洞察を基に、クライアントの担当者と綿密にすり合わせを行い、違和感の探索や進むべき方向性の確定を行っています。

PESO理論から有効な施策を導き出す


PESO理論

私がPESOモデルに初めて接したのは、宣伝会議の広報担当者養成講座でした。トライバルメディアの池田さんによる「PESOを用いたメディア戦略」の講義がそのきっかけです。

この経験を踏まえ、PESOモデルにおける4つのメディアタイプ(Paid, Earned, Shared, Owned)のバランスを考慮した活動を心掛けるようになりました。さらに、企業ごとの固有の課題に合わせて、どのメディアに注力するかの優先順位を定めることが非常に重要であると考えています。

特に近年は、単一のメディアや施策に依存するのではなく、複数のメディアを連動させたメディアミックスの重要性が高まっています。例えば、ひとり広報などリソースが限られた企業の場合、一つのコンテンツを複数のメディアで展開することは効率的でもあり、「一石三鳥」または「一石四鳥」の効果を狙えます。

具体的な例としては、ある調査結果を基に、プレスリリースを配信するだけでなく、セミナーでのトピックとして取り上げ、SNSでの告知、さらには自社のオウンドメディアでその調査結果や広報活動についての記事を掲載するなど、多角的なアプローチが可能です。このようにPESOモデルを活用することで、広報活動の効果を最大化することができます。」

成果を出すには、広報ミッションとKPI設計が要

成果を出すためには、明確な広報ミッションとKPIの設計が不可欠です。目標を達成するためには、これらを具体的に言語化することが重要です。まず、広報としてのミッションを定めます。

広報のミッション

広報活動を進める中で、組織の中で日々方針が変化することもあるでしょう。経営者から、突然新たな施策が提案されるといったこともあるかもしれません。

広報ミッションをしっかり言語化しておくことは、その際に変更となった内容をそのまま受け入れ実行させるベきなのかどうか判断する軸となります。

広報ミッションは、企業の状況やフェーズによって異なるケースがほとんどなので、どこを目指すのか目線をすり合わせるようにしていきます。

例えば、「自社発信媒体の育成」、「運用の仕組み化」、「特定の経営者の露出獲得」など、発信一つとっても目指すべき方向性は様々です。

目標設計

次に、目標とそれに紐づくKPIを定めます。令和PRでは、議事録シートを基に定例ミーティングを行いますが、広報ゴールを必ず議事録の上部に記載し、クライアントも支援する我々も共にゴールに向かって取り組む意気込みを醸成します。

KPIは、月ごとの具体的な効果目標です。これにはアウトカム(成果)とアウトプット(行動)の目標が含まれます。たとえば、年間2件のAward獲得がアウトカムとしてのKPIであれば、それに向けたAwardエントリーの件数や注力するメディアへの掲載件数がアウトプット目標となります。

目標数値を設定する際には、SMARTの原則を考慮に入れると、後々の効果測定の時に目標の達成度合いが明確になるので意識すると良いと思います。

SMART原則は以下の要素で構成されます。

・Specific(具体的に):
誰がみてもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す
・Measurable(測定可能な):
成果の判断が明確になるようその内容を定量化して表す
・Achievable(達成可能な):
少し背伸びして届くくらいの現実的に達成可能な内容にする
・Related(経営目標に関連した):
設定した目標が経営目標に紐づくものになっているかを確認する
・Time-bound(時間制約がある):
達成するべき期限が明確に定められているか確認する

PDCAが命。コツコツ地道に継続し続ける

ここまできたら実行のみです。実行段階に入れば、後は毎週定期的に指標の進捗を確認し続けることが大切です。

地道な継続のコツは、最終的なKGI(重要業績評価指標)から逆算して設定した行動目標を、毎月確実に達成し続けることです。私自身、企業広報時代には、公式noteを月に6本、Instagramの投稿を月に20本という具体的な目標を設定していました。これらの目標を達成するために、「あと何本必要だから頑張ろう」と自らを奮い立たせていた経験があります。

しかし、noteの投稿数100件を達成した後、別の施策に重点を置くためにnoteの目標数を設定しなくなったところ、投稿数が大きく減少しました。これは、明確な目標がないと、たとえ以前は達成できていたことでも継続が難しくなる、ということを痛感させられた出来事でした。

したがって、目標に向かっての進捗をきちんと追い続けることが、初めに設定した「To Be」を実現するための鍵だと信じています。日々の改善を繰り返しながら、目標に向けて邁進していくことが重要なんですね!


最後までお読みいただきありがとうございました。広報戦略を考える上で役立つと思われる7つのフレームワークをご紹介しました。ぜひ実践してみてくださいね!


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