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他人を信頼できない

他人を信頼できない。それによって沢山の支障がうまれる。それを誤魔化して生きてきた。それが自分の28年間だったし、これからもそうやって生きていくのだと思っていた。でも、最近詰みかけている。



他人を信頼できないというとすごく抽象的な話になるけれど、それは日常生活の端々に具体的に表れる。

たとえば、私は他人に仕事を頼むのがとても苦手だ。自分だけで仕事を処理しようとしてしまう。経理部に請求書を依頼したり、雑用を後輩に任せたりがとても苦痛だ。仕事を手放さなければ当然業務量は増える。結果、黙って土日に出勤したり、有給を腐らせることになる。

会社という組織にいると、周りの都合に振り回されることは多い。前の会社は全国規模の企業で、上層部に派閥があった。派閥同士の対立のため、無茶な仕事が降ってきたのが、退職のきっかけだった。

チームでの仕事も苦痛だ。わがままを言える人間がただただ得をする。平等とは建前にすぎない。雑用に埋もれ、ずっと損している気になる。学校も職場も早く帰りたくて仕方ない。

相談事や、ミスを打ち明けるのも苦手だ。怒られないかとただただビクビクしている。いい歳して「怒られたくない」というモチベーションだ。ウソがバレないか怖くて、毎日胃がチクチクしている。外線が怖い。

私は結局、他人の関与を最小にするために働いているということだ。無職になって、家族や生活保護に甘えることもできない。大きな組織で動き回ることもできない。極小の会社で、辛うじて良い顔をして、首の皮一枚で社会と繋がっている。

信頼して任せればいいじゃない、という声が聞こえてきそうだけれども、そういう次元ではない。そもそも信頼というものが全くわからない。私にとって人間は異星人なのだ。

集団の中で生きるというのは、地雷原を歩くようだ。四肢が飛ぶイメージを振り切って、おそるおそる足を出す。そのうちに、なるべくなら歩かないようになるし、歩く意味も見失った。

人間は都合で生きるし、他人は絶対に裏切る。カフェで隣になった彼と、友達になんてなれない。晩飯を食べながら泣いてしまった。

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