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昨日の鎌倉殿

昨日の「鎌倉殿の13人」は、後白河法皇に裏切られた義経が、奥州へと逃げ延びるところから始まる。義経が奥州へと匿われていると知った頼朝は、義時にある作戦を命じる。それは、奥州を治める藤原国衡、藤原泰衡の兄弟の不和を利用して、義経を討たせるというものだった…。



昨夜の第20話では、頼朝と義経、国衡と泰衡という二組の兄弟が物語の軸となった。では頼朝と義経の不和はどこから生まれたのか。その背後には、後白河法皇の画策があった。

権力の座に就いたものは、常に対抗する権力の芽を摘み続けなければならない。そのためには、手を汚さねばならぬこともある。頼朝は、後白河法皇に義経との不和を利用され、同じことを国衡・泰衡兄弟に行った。その意味では頼朝もまた、歴史に翻弄された人物の一人だともいえる。



最後、頼朝が義経の馘に語りかけながら慟哭する姿は、名場面そのものだった。頼朝は、自ら追討を命じながら、心のどこかでは義経の勝利を望んでいたのではないか。つくづく兄弟とは不思議なものだと私は、しばらく会っていない自分の兄の顔を思い浮かべたのだった。

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