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帰国して(エッセイ)

フランスのドラマ撮影現場に入って、空中に浮かびながら建物内を周り、吹き抜けやらサウナやらを飛びぬけていく。目覚めると18時前で、寝汗で全身がずぶ濡れだった。夢の中で夢を見ていて頭が重かった。

時差ボケもなにも、終日寝て過ごす一日だった。実家のベッドは眠りやすく、どうしてこの睡眠環境を私が住んでいたころに実現してくれなかったのか。一人暮らしの家には明日帰ることにした。

出張用に買った伊坂幸太郎の『火星に住むつもりかい?』を軽い気持ちで読み始めると、予想外に「胸糞系」な小説で、陰鬱な気分になる。放り出そうかと思うが、新境地なのかもしれないと思い直してやめる。

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