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スペイン#2 (エッセイ)

スペインを「情熱の国」と名付けたのは誰だろう。マドリードの街は固く素っ気ない。建物は見るからに歴史があって威圧的で、道路は石畳みで急勾配だ。歩きタバコと吸殻の投げ捨てが溢れていて、気が休まらなかった。

豪勢さというものを身体の芯から感じるのならば、やはりプラド美術館なのだろう。同線も鑑賞もお構いなしにコレクションされた絵画は、もはや権威そのものだった。隅に追いやられたゴヤの作品が素晴らしかった。

夜の新幹線は車窓からは外が見えず、少し酔ってしまった。隣に座った赤ん坊がしきりに泣いて、母親が席を立っていた。駅からのタクシーは運転が荒く、同僚が「よくアクセルを踏めている」と褒めていた。

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