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「雛鍔」制作ノート#7 (エッセイ)

寄席が無事終了した。いまは打ち上げが終わってホテルに着いたところだ。久しぶりにお酒を飲んで、少しクラクラした気分だ。寄席が終わったあとの独特の淋しさを味わっている。

【演技について】
高座に上がる前は、ネタが飛んだときの事態ばかり想定していた。本番10分前に「恥をかいてこよう」と腹が決まって、そこからギアが入った。マクラは上擦っていて焦ったが、ネタは思ったよりも安定して出来た。全体としては大きなミスもなく終わった。
評判は思っていたよりも上々で、自分では気づけていなかった部分を褒められたりもした。つくづく、自分を客観的に見ることの難しさに直面する。
歳をとり、全神経をネタに注ぎ込むようには取り組めなかった。けれどその分、取り組み自体を楽しむことができた。

【寄席全体の感想】
現役生がコロナで寄席を開けず、客が離れてしまったこともあって、集客には苦戦した。若いお客さんが多く、ウケが鈍いというのもあった。それでもそれなりに善戦したように思う。
他の出演者も気合いが入っていて、昔の寄席のノリを思い出した。そうそう、各々にネタに思いがあって、それが交差するのが寄席だった。

【これからのこと】
これが最後の機会になるかもしれないと思ったけれど、終わってみると、またやりたい気持ちが湧いてくる。東京で開催するのも良いかもしれない、集客や演者集めの問題はあるけれども。

終わったばかりで、まとまりのない感想しか書けないけれど、とりあえずはこんな感じ。出演できてよかった。少しずつ整理したい。

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