「ぐず」と言われるような速さでしか
疲れているのか、養成所に通っていた頃のことを一日中考えていた。自分の書いたネタを演じるというのは楽しく、充実した期間だった。でも楽しいのは自分だけで、自分のやりたいことを主張するほど周囲は離れていった。きっと気難しいキツい人だと思われていたのだろう。
現在のお笑いシーンを、いつまでも好きになれないでいる。新しい売れっ子も、トレンドのネタも、ピンとこなくなってしまった。新しく没入できるものも見つけられないまま、時間ばかりが経っていく。俺のほうがお笑い好きだったのにな、と、ふと感傷的になってしまった。
「ぐず」と言われるような速さでしか、現実は動かない。自分の能力を最大限に発揮する環境は、もう自分で作らないといけない。自分を充実させてあげられるのは、もう自分しかいない。