旅行記 #5
12:10
福島はあたたかな街だった。駅前の目抜き通りでは歩行者天国をやっていて、日中に催されるイベントの準備中だった。同じように居酒屋が並ぶ街でも、優しく包み込んでくれる感じがするのは何故なのだろう、と問いにもなっていない問いを考えながら歩く。
駅前の「丸信ラーメン」は人気店のようで、10時開店の時点で列ができていた。外にチャーシューの甘い香りが漂ってきた。はじめは塩ラーメンのようなスープに、麺をほぐしていくうちに醤油が溶け出してきて、変化を感じているうちに食べ終えた。壁のテレビでは甲子園がやっていて、実況が両投手とも制球に苦しんだが片方は要所でストライクが決まって勝ったというようなことを言っていた。