癌サバイバーとなった私〜命を繋ぐ15
何をきっかけに「命を繋ぐ」として文章を書こうと思ったのか、思い出せなくなった。
とりあえず今回を最後にしようと思う。
有難いことに2021年6月の直腸癌の手術から3年以上経過して、今のところ再発・転移は見つかっていない。検査も3ヶ月に1回から半年に1回になった。
素直にありがたい。
子供達もまだまだ若い。15歳と18歳。まだまだこれからだ。
身体の回復は極めて順調だったが、いろんな難題は付き纏っている。闘病生活よりも今の方がしんどいと思う今日この頃。
家庭の問題、仕事のやりがい、排便障害、そして必要となるお金が尋常じゃない。
私が浪費家・・・と言われるのかもしれないが、切り詰めても切り詰めても出ていくものの方が多い。そんな現状。先のことを考えると滅入ることの方が多い。どうにかならないか・・。
毎日苦しい。本音を言うと、そうだ。自分だけが苦しいのではなく見えないだけ、とは分かっててはいても、「何で自分だけ・・」、とも思ってしまう。そんなに達観できていないのだ。
日々、自分の体調を見ながら仕事に、家庭生活に、その日その日を何とかやり過ごしているのだ。先のことが見えない。再発もなく元気に過ごせていることは有難いけど、毎日がしんどくて仕方がない。いっそこの世から居なくなったほうが楽なのでは・・・とさえ頭によぎる。
しかし私には、無条件に私を頼ってくれる2人の息子たちがいる。私のことを信じてくれている2人の息子。ここで心が折れてしまうわけにはいかない。
そんな時、やはり思うのだ。
そう、苦しいのは自分だけではない。見えないだけなのだ・・・ということを。
実際その通りだと思う。何で自分だけ・・と思いつつも、なんとか「そうじゃない」と自分に言い聞かせる。
鬱々とした気持ちで抗がん剤治療を行った時、自分以外の若い人も何人も治療を受けていたことを思い出す。街で会ったって、そんな病気を抱えているなんて判りっこない。本当に見えないだけで、苦しんでいる「同志」はいっぱい居るのだ。
そんな目線と感性でなんとか持ち堪えて生きていきたい。
決して自分だけが不幸だと思わず、苦しいことを人のせいにせず、前を向いて生きていきたい。
そして・・・いつの日か、自分が体験したこのことを、少しでも人に伝えられそれが他の人の癒し・・というか、何だろ、救い・・というほどでもないし、共感?かな?、になれば嬉しい。可能であればいろんなやり取りができれば嬉しい。
正直、今いろんなことが重なって大変だ。だけどなんとか前を向いていこうと思う。
「命を繋ぐ」として今までダラダラと思うことを書いてきたけど、これは終わりにしよう。
今後は肩肘はらず気楽な文章を残していこうと思っている。