癌サバイバーとなった私〜手術から2年経過
2021年6月7日に手術。
無事に術後2年が経過した。
先日の検査でも、今のところ異常は見られませんとの所見。
癌サバイバー3年目を迎えた。
有難くも、健康の大切さを噛み締める毎日を過ごしている。
癌であることがわかり、詳細な検査、抗がん剤治療、手術…
そしてストーマ生活…
現在は、排便障害に気をつけつつも、元気に、比較的安定した
毎日を過ごすことができている。
あの頃のことが、本当に自分の身に起きていたことなのか…と
感じることもある。
しかし常にトイレのことを考えながらの生活なので、
実際に自分の身に起きていたことであることは確か。
なんだか夢を見ていたような感じ。
病気になって良かったことなんて、何ひとつない…
そんなことはない!いろんな気づきがあった。
一つ強烈に実感したのは、「辛いのは自分だけじゃない。
外から見えないだけ。」ということ。
なんで俺ばっかりこんな思いをするのか?
そう思いながら治療に向き合った。
抗がん剤治療をし始めた頃、
多くの人が普通にそれを受けていた。
自分よりも若い人も結構いた。
なんだ…街中であってもそんな事情なんて分からない…
外から見えないだけなんや…そう実感した。
これがいちばんの気づきだったと、確信している。
ワタシは、夫婦関係がうまく行かなくなって、
約7年前に、子供を残して家を出ざるを得なくなった。
空虚な毎日を過ごし、仕事にも身が入らず生活は荒れてた。
そんな毎日を過ごすうちに、体調に異変を感じた。
血便が出て、それがひどくなってくる…
ヤバいなぁと思いつつ、どうなっても良いという投げやりな気持ちで、
放置していた。
やがて通勤にも支障をきたすようになってきて、
辛くなって検査。
癌だと分かった時は、冷静だった。やっぱりな…って感じで。
この時はまだ治療に向き合う気持ちは持ち合わせていなかった。
かかりつけの先生が、何としても命をつないでくださいと仰り、
その言葉にハッとした。
兄からは、無理せず実家に戻って治療したらどうか?と
言ってもらえて、少しずつ治療に向かおうという気持ちになった。
とはいえ、この頃はまだ気持ちが前向きになっているわけではなく、
なんで俺ばっかりこんな目に遭うねん…という気持ちに囚われていた。
それと、離れて暮らしていても私を父親だと思ってくれている
息子たちへの申し訳なさで気持ちがパンパンだった。
もう本当に、気持ちが前向きになっていったのは、
この目で「明るく抗がん剤治療を受けている多くの同志?」を
この目で見てからだった。
今、3ヶ月に一度の検査は欠かせないものの、
排便障害は残るものの、元気に過ごせている。
家庭の問題は解決せず係争中で、息子たちのことが気がかりだけど、
それでも私は命を繋いでいる。
もう長生きしようとまでは思ってないけど、
自分の責任を果たすところまでは最低限命は繋げていたいと思う。
「自分だけじゃない」と言い聞かせながら、生きてゆきたい。
そして…自分を悲劇のヒロインのようには思わない。何があってもね。