責任分界点の話
電話、光、電気などインフラ関係で、電柱などから施設に線を引く際に見たことがあるかもしれません。
普段はあまり意識しませんが、特に電話、光回線のトラブルシューティング時の切り分けで問い合わせ先がこの責任分界点で変わるので覚えておくといいです。
そもそも責任分界点とは?
責任分界点とはなんぞやというかたは、下記のサイトが電気関連ですがわかりやすいです。
回線、電気等の各インフラを施設に引き込んだときに、インフラ提供側(電話会社、電気会社、プロバイダなど)と引き込み施設側(施設、利用者)でどこから責任がわかれるかを指す言葉です。
責任分界点となる機器
電気なら保安器、電話回線ならMDF、そして光回線はONUなど、特定の機器が責任分界点と定義されます。一般的にそう言われているだけなので、自分の利用している回線等の責任分界点はどこにあるのかは契約書等で確認してください。
もしかしたら施設に引き込みと、利用者の間に、ビルテナントのオーナーなど設備管理者などが介在しややこしくなる場合もあるのでテナントにはいってる方はオーナーとの契約にも注意してください。
どういうときに使うのか
障害発生時のトラブルシュートの一つとして責任分界点の機器の前後どちらで障害が起こっているのか判別し、問い合わせ先などを切り分けするのに使います。回線業者の責任分界点より先のトラブルで問い合わせしても意味がないので。
ネットワークトラブルの際に障害箇所を特定するためにクライアントから近い順にPingを打って行くというのがありますが、それで判断できることの1つですね。
ところで責任分界点となる機器の位置わかります?
しっかりとインフラを管理されておりドキュメンテーションされているのであればそんなことは杞憂だとは思いますが、残念ながら私がいた会社ではそんなふうにはなっておりませんでした。
責任分界点となる機器の設置場所はマストで記録しておきましょう。また責任分界点に至るまでの経路(敷地に引き込んでからどうやって来ているか)などは抑えておいたほうがいいです。
私の場合、ちょっと古い建物に引き込みしたのでどこの電柱から回線が分岐して設備にきているか、最終的に建物の引き込み口はどこで、そこからサーバールームに設置してあるONUまでの経路をすべて調査しました(結構大事)。
私の遭遇したトラブル事例
設備がいささか古いため、建物への回線の引き込み位置とONUでだいぶ距離がある構造でした(建物内で回線が紆余曲折している状態)。屋根裏のようなところに光回線を他の電力、電話などの線とまとめておいてある状態でした。
休日に各支店とVPN通信ができなくなるというトラブルが発生しました。原因は隣のテナントの工事にはいっていた設備業者が天井裏の線を雑に扱ったため光ファイバーがぽっきり、乾いたパスタのように折れてしまいました。
対処
ONUまでの疎通ができることは確認します(休日出社ァ)。ONUまでの経路は把握しているため、まず施設内の経路で怪しいところがないか調査(という名のホコリを物理でかぶる仕事)をします。そこで先程の事象が判明したため、休日明けの早い時間で対応が完了しました。この場合、回線会社の責任分界点の部分だったので回線会社に依頼して対応完了。おしかりと請求はやんちゃしてしまった業者さんにかぶってもらいました。
まとめ
私自身、専門的にインフラをやってきたわけではないので知見もどうのこうのって話もありますが、とりあえずトラブルシュートできる引き出しはもっておくのは大事です。
昨今のIaaSなどではこの責任分界点が非常にわかりにくくなっているということなので責任分界点がどうなるかも注視したほうがいいですね。クラウドのややこい責任分界点のものは使ったことないのでアレですが。