ITプラットフォーマーとの向き合いかた
先月から今月にかけてSNSの広告から誘導される投資詐欺被害に関するニュースが相次いだ。私もFacebookを使っているので、その種の詐欺広告にうんざりしてる。特に投資詐欺広告については昨年の秋くらいから増え始め、ピークは今年に入ってからだったか。そしてニュース報道が増えるにつれて、急速に減少し、今やほとんど見られない。代わりに、別の詐欺っぽい広告が増えているのだけれど。
そもそも有名人を騙った詐欺広告を安易に垂れ流し続けたSNS運営側の責任はもっと追及されて然るべきだと思う。GAFAをはじめとするITメジャーは、どこも生成AIをはじめとするAI活用にしのぎを削っている。詐欺かどうかはともかくとしても、有名人を騙った広告の判定と除外なんてAIを使うまでもなく簡単ではないか。AIを本気で使えば広告の内容もしくは広告主が詐欺に加担しているのではないかという分析だってできるはずだ。それをしない、あえて放置してきているのは、広告収入がほしいの一点だろう。報道された途端に広告が減少したのがその証拠と言っていいのではないか。
巨大なプラットフォーマーの驕りは、詐欺広告の取り扱いに限らない。アプリベンダーに対する制限や排除などの問題もある。とはいえ批判だけするのがいいとも思わない。私たちはプラットフォーマーが提供するサービスを無料または低価格で使えるという意味で大きな恩恵を受けているし、それなしではいまや社会生活が成り立たない。しかもこのサービスは日々進化し、私たちはそれを享受できているのだ。無料で使えるなら横暴を許すのか、それともしっかり対価を払いつつサステナブルかつエシカルなサービスを提供するよう促すのか、岐路に来ているように感じられる今日この頃である。