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【兎草子】選択的夫婦別姓法案の行方が気になる

明日24日から通常国会が始まります。
通常国会の最大の論戦はもちろん来年度予算案であり、その中でも野党である国民民主党や日本維新の会が要求している103万円の壁の引き上げや教育無償化ということになりますが、予算案に直接関係しない論戦としては、ついに選択的夫婦別姓の議論が始まりそうです。

立憲民主党が法案提出の準備を進めていますし、石破総理も自民党内に党としての考え方を整理するように指示したと伝えられています。

現状の国会内各会派の大まかな意見は以下となっています。

  • 賛成  立憲民主党、国民民主党、公明党、れいわ新選組、日本共産党、社民党

  • 反対  参政党、日本保守党

  • 独自  日本維新の会

  • 党内に賛成・反対の両意見あり  自民党

これを、会派別の人数に当てはめてみると以下の通りとなります。

  • 衆議院  賛成 217  反対 6  その他+無所属 242

  • 参議院  賛成 106  反対 0  その他+無所属 136

公明党が賛成に回っているものの、日本維新の会が必ずしも賛成とは言っていないこともあり、野党だけでは可決できないことがわかります。特に参議院は日本維新の会を足しても足りません。無所属や諸派の方々の旗色が見えないので、もしかしたら足りるということもあるかもしれませんが。

いずれにしても、自民党が党としてどういう判断をするのかが焦点です。

自民党は過去にも、臓器移植法案など個人の良心に関わるような法案、政権与党含めた公明党含めて意見が割れるスポーツくじやIR法案のような場合には、党議拘束を外して、議員ひとりひとりの考えによって投票した例があります。

今回の選択的夫婦別姓法案でも、同様の方針を出す可能性はあります。
ただし、森山幹事長は党議拘束を外すことには慎重という報道もあり、まだっきりしたことはわかりません。

森山さん自身は、選択的夫婦別姓に絶対反対という立場ではないと思いますので、党内の保守派からの圧力が強いものと思われます。最終的に森山幹事長、そして何より石破総理・総裁がどのような判断をするのか見守っていきたいと思います。

昨年の総裁選での意見表明などを見ていると、自民党内の意見は、概ね半々か賛成が少し多いというところでしょうから、党議拘束を外せば、間違いなく法案は成立するものと思われます。

したがって、反対する保守派は、かなり強硬になるものと予想されますが、
石破総理としては、野党との駆け引き、個人の心情の中では党議拘束を外すという最終判断をする可能性はあると期待しています。

さて保守派はなぜ、そんなに頑強に反対するのか。
あくまで「選択的」夫婦別姓ですから、それほど強く反対する理由は本来ないはずです。

もちろん、単に家庭のことを心配している人たちもいるのでしょうが、
保守派にとっての夫婦別姓化は、私は、天皇制見直しにつながるという危機意識なのではないかと想像しています。
つまり、夫婦別姓問題が進展すると、次は女性天皇や女系天皇を認めるかどうかの議論にはずみがつくのを、彼らは恐れているのではないかと思われるのです。

何より自民党保守派や日本保守党という人たちは現状の天皇制維持命的なところがありますので、これを守るための砦のひとつが壊されるのを良しとはしないのでしょう。

ともあれ、明日からの国会での論戦に期待するとともに、自民党の方針が良い方に倒れるのを楽しみにしています。


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