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【兎草子】中央線2階建てグリーン車の収益皮算用(24/11/12)

10月から中央線快速電車にグリーン車の連結が開始され、来年春のダイヤ改正まではグリーン料金なしで利用できることから連日盛況だそうです。

中央線にグリーン車を連結すると言う計画はコロナ前の2018年頃に公表されていました。10両編成の中央線快速列車の中間にグリーン車2両を組み込み、12両化するというものです。普通車を減らしてではありませんから、グリーン車利用が増えるだけ、従来の普通車の混雑緩和にもなるし、サービス向上ができるという一石二鳥の計画です。
とはいえ、この計画は10両編成の列車を12両にすることから、車両を新製するだけでなく、すべての停車駅で12両が停車できるようにする必要がありました。特急停車駅など一部の駅はもともと12両対応になっていましたが、その他の駅、特に神田川沿いの狭い土地にホームを配している御茶ノ水駅など大規模な改修が必要な駅、設備もありました。

数年にわたる工事と車両新製が完了し、いよいよ2025年春からグリーン車の運用が開始されます。すでにグリーン料金の体系なども発表されました。これまでの上野東京ライン、湘南新宿ラインとの乗り継ぎ利用はできず線内で独立した料金となります。一方で、JR東日本が進めているJREポイントでもグリーン券に引き換えて利用できます。

ということで、唐突ではありますが、中央線快速のグリーン車連結はどのくらいの増収になるのか考えてみました。

まず売上です。

中央線の1日の運転本数は平日600本強とのことなので、仮に600本とし、グリーン券の単価をとりあえずJREポイントも現金扱いとして固めの単価600円、平均乗車率を30%と想定してみました。朝ラッシュ時の上りや夕方ピーク時の下りは満席になるでしょうが、早朝・日中・深夜を考えると、まずは固めに。すると、定員180人なので、
 600円✖️600本✖️180人✖️30%=1944万円
これが一日の売上予想です。

ここまで書いたあとで、実は、JR東日本の今年春の決算資料で、
「増収効果80億円/年」という数字がありました。一日あたりにすると2,192万円。なかなか、いい試算かもしれません。

さて、次はコストです。

コストは、なかなか想定が難しいのですが、わかりやすいところを出してみましょう。

グリーン車は57編成に組み込まれるそうです。製造の償却費は、1両1.5億とすると、57編成171億円を13年償却(電車の償却期間)で年間13.2億円、一日あたりは約360万円。
固定資産税は年々減っていきますが、税率1.4%として、当初は2.2億円、一日あたり60万円。

グリーンアテンダントが新たに必要となります。人件費は、すべての列車を東京-高尾間ということにして簡易にし、時給換算を1500円/時とすると、
 600本✕1.2hr(乗務時間)✕1500円/hr✕1.3(待機時間など)=140万円/日。

グリーン車は、折返し駅での清掃要員人件費も必要で、これも新規に必要となります。配置駅は、東京、武蔵小金井、立川、豊田、八王子、高尾、青梅の7駅でしょうか。東京、高尾は常に4名、他は常に2名とすると18名となります。同様に計算すると
 1500円✕18人✕20hr✕1.3(待機時間など)=70万円/日。

ここまでのコストは、630万円/日

ほかのコストとして、動力費用の増加とか、駅や電車区設備等改修の償却費、メンテナンス費用の増加とかありそうですが、単純には算出できないし、想像が難しいところです。
が、いちおうほかに500万円/日かかるとしましょう。するとコスト総額は1,130万円/日。

ちなみに、上記の決算資料には本件への投資額が860億円とありました。
この投資額には何を含むのかわかりませんが、一般的な投資でありば20年焼却。一日あたりにすると1,170万円ということになります。
が、こういう決算資料における投資額というのは、元々予定していたものを積み上げるなど投資家向けに多少盛ることも多いので、私的には純粋な投資額は2/3と見ます。となると、790万円/日。これに、ランニングコストの人件費を足すと、ちょうど1,000万円/日です。

ということで利益です!

かなりいい加減な試算ではありますが、桁違いということはないと思うので、一日あたりの利益は少なくとも1,000万円以上ということになりそうです。

さらに乗車率が上がればその分は丸ごとボロ儲けになりますね。
一日あたり1,000万円なら一年では36億円。乗車率が上がってくれば、年間で40-50億くらいの利益上積み効果がありそうでしょうか?

株主還元されるといいですねぇ(爆)

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