【兎草子】シニア雇用の一年を振り返って(24/11/01)
昨年10月末に60歳定年となってから、ちょうどまる一年を迎えました。
もとの会社でシニア雇用していただいているので、仕事の範囲や内容としては大きくは変わっていませんが、私の会社の場合役職定年はなかったので、定年ギリギリまで一線の管理職として働いていたのに比べると、
(最終的な)責任がない
組織や部下をまとめたり、リードする必要がない
(上記に関連して)マネジメント業務がない
定時間外や休日勤務は原則ない
というのは、大きな違いです。
仕事のストレスは圧倒的に軽減され、体調も全体的にはいいです。
私の場合、シニアになってからも「シニアアドバイザー」という肩書きを一応いただいています。管理職ではありませんので、銀行における支店長代理という名刺みたいなものかもしれませんが、現役の部課長が悩むような仕事をサポートしているというのもまた確かです。
そんなわけで、頭を使う仕事が多いですが、一方で最終的に判断・決定するのは、現役のマネジメント層であるべきなので、仕事のアウトプットの出し方や言い方、距離感については気をつかっています。
私が現役の時に、私の周囲にそのような立場のシニア社員はいませんでしたが、自分より先輩のシニア社員が上司のような顔して意見を言ったり、考えを押しつけてきたら、仮にそれが正論だったとしても気分悪いですよね。ましてやピントがずれていたら目も当てられません。
それに、これは現役でマネジメントをしていたときもそうですが、トップダウン型だけで組織運営したり部下の指導をしていると、人が育ちにくいのです。自分で考えて行動して、時には失敗して、怒られて、どうしたらうまくいくかまた考える、というプロセスは、人の成長にはとても大切なことだと思います。
現役の時ですらそうなのですから、シニアとなった今では、現役の皆さんがいい結果を出す、そしてさらに成長する、という形でのサポートは、どこまでなのか、ということを常に考えているところです。
むろん、シニアだからといって、サポート的な業務だけするのはもったいない、もっとしっかり働いたほうがいいという考え方もあることでしょう。
ただ、その場合、シニア社員の賃金体系を見直す必要があると思います。
会社によるでしょうが、私の会社の場合は、シニア社員は一種の契約社員として固定給で継続雇用される場合も昇給ありませんし、賞与も出ますが水準は低いです。
同一賃金同一労働の考え方を裏返せば、この賃金ではそのレベルでの労働ということにもなるかなとは思います。
少しシニカルなことを書きましたが、私は決してシニア社員の処遇に不満があるわけではありません。もちろん流石に春闘の結果くらいは一種の非正規雇用にも反映してよ、と言いたくはなりますが、その程度です。
こどもは就職しましたし、シニア社員としての再定年である65歳まで穏やかに働けるのが一番です。なんだかんだ言っても、いただける給料は年金よりは多いですからね。
さて、次の一年はどんな働きかたになるのでしょうか。
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