主語をチームに変えてみる?
最近、よく考えるテーマがあります。それは、「主語をチームにして考えてみる」ということ。
企業で研修やワークショップを企画・デリバリーしていると、
「もっと社員に主体性を持たせたい。」
「〇〇さんの成長に課題を感じている。」
といった、個人の課題に焦点を当てた声を多く耳にします。
実は私自身も、かつてはこう考えていました。
もちろん、個人のスキル向上や業務遂行力を高めることは大切です。けれども、本当に個人の力が足りないから、今の状況に陥っているのでしょうか?
もしかしたら、個人の力の問題だけではなく、環境やチームの状況が、その状態を引き起こしているのかもしれない。最近はこうした視点を持つようになりました。
例えば、社員に主体性を求めてトレーニングを実施したとしても、戻った部署では、主に決められたタスクを遂行することが求められる場合、主体的なマインドを持つことは難易度が高いのではないでしょうか。
また、日々の業務に追われている中で、プラスアルファの発想を生む余裕はあるでしょうか?
経験が浅い社員がハイパフォーマーに囲まれていた場合、その社員が自ら考え、提案し、パフォーマンスを発揮することは簡単でしょうか?
「私も若手のころは同じだった。その中で食らいついて成長したんだ。」という声が聞こえてきそうです。そして、以前の私もそんなふうに考えていました。「この壁を乗り越えないと成長はない」と。
でも、その目を向けられた個人はどうでしょうか?自分が小さく見え、自信を失い、時にはプレッシャーに押しつぶされてしまうこともあるかもしれません。こうなると、成長どころか追い詰められてしまう恐れもあります。
では、少し視点を変えて見てみると、どうでしょうか?
このような視点で捉え直すと、個人の問題として捉えていた事象が、実は組織やチーム全体の課題を示していることに気づくかもしれません。
先ほどあげたような事象であれば、もしかしたら、主体性を引き出す環境や、次世代を育てる仕組みが足りていないという、組織やチームの課題を示してくれているのかもしれません。
チームコーチングでは、こうした視点を持ちながら、現象をチームの成長や変化のサインと捉えます。「必要だから起きているかもしれない」、そう考えてみるのです。
もし、今の状況に行き詰まりを感じているなら、少し視点を変えて、チームを主語にして考えてみてはいかがでしょうか?
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