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【ネタバレ】映画「グランメゾン・パリ」鑑賞🇫🇷★★★

やっはろー!
yuyuです。

今回は、正門くんがきっかけで観に行った「グランメゾン・パリ」の感想を、物語の内容に触れて綴りたいと思います。

TBSで2019年に放送していたドラマ「グランメゾン東京」の続編となる今作ですが、玉森さんが出演していても私は当時キス担ではなかったのでリアルタイムでは観ておらず。。
そんな中、正門くんが劇場版からチームグラメに参戦というお知らせを聞き、チョロい私はここでやっと「グラメ」シリーズに触れようと動機づけられたのでした。

(いきなり言い訳)本当は公開までにドラマ版を全部見ておきたかったのですが、年末年始はJUMPの遠征や転職活動の準備で思っていたより時間が取れず、、実はドラマ版よりも先に映画のほうを観に行ったのです。
登場人物の背景知識があるとないとでは そりゃ見てからのほうが良かったなと思いつつも、「パリで三つ星を取る」夢に向かって奮闘する姿、料理にかけるプライド、創意工夫などについては、この作品だけでも伝わってきたように思います。

あらすじ

かつてフランスで修行していた尾花がアレルギー事件を機に全てを失い、倫子とともに「グランメゾン東京」を立ち上げ、ミシュラン三つ星獲得に向けて再起をはかるドラマ版から、パリに舞台を移した本作品。
なお、この物語では「パリで三つ星を取ったアジア人はいない」世界線ですが、実際に2020年にパリでアジア人で初めて三つ星を獲得し、5年キープし続けている「Restaurant KEI」の日本人シェフ・小林圭さんが料理の監修をされています。クライマックスでフードインフルエンサーのリンダ(冨永愛さん)が尾花たちの料理を批評するのですが、1品1品のビジュアルの美しさ、芸術点の高さも見どころです。

「グランメゾン東京」が日本で“三つ星”を獲得してから時が経ち—
尾花夏樹(木村拓哉)は早見倫子(鈴木京香)と、フランス料理の本場・パリで、新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、 アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘していた。

名だたる巨匠たちがしのぎを削る本場フランスで、フランス料理で“三つ星”を獲得することは、尾花にとっての悲願。 だが異国の地のシェフにとっては、満足のいく食材を手に入れることにすら高い壁があり、 “三つ星”に選ばれるなど夢のまた夢。「グランメゾン・パリ」は結果を出せない日々が続いていた。 そしてあるガラディナーでの失態が原因で、かつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、 店を辞めフランスから出ていく」という約束を交わしてしまう…

かつてカリスマシェフと称された尾花夏樹は、挫折や国境の壁を乗り越え、 仲間と共に世界最高峰の“三つ星”を手に入れることは出来るのか——!?

公式サイトより

正門くんの役どころ

チームグラメの仲間入りを果たした正門くんの役どころは、見習いシェフ(コミ)の小暮佑(こぐれ・たすく)。物語ではあまり呼ばれないけど宣伝時に使われた愛称は「グレちゃん」です🧑🏻‍🍳🔰 フランス語も喋れなくはないですが、いつも関西弁で話しているような愛らしい青年です。

グレちゃんハイライト

私は正門くん目当てでしたので、やっぱり随所で彼には注目してしまいましたね。序盤から関西弁全開で思わず頬が緩みます。ガラディナーの招待客の酷評だったり、尾花と周りの人間たちのすれ違いだったり、師匠のブランカンからの突き放すような言葉だったり、ユアンの事件もあったりで緊張感が続く中でも、彼だけは少しの癒し的存在だったかと思います。

彼は相沢と一緒に食材の仕入れ・買い付けを担当していますが、見習いでもこの買い付けを任されること自体、後述のキャビアの一件で一流の食材を手に入れる困難が描かれることを考えると、なかなか重要なポジションだと感じました。

尾花について「もうちょっと自分たちを頼ってほしい」と相沢に愚痴るところからも、良くも悪くも率直な青年という第一印象を受けました。
そしてそれを象徴するようなやり取りも。尾花に「俺に何が足りない?」と聞かれた時には「三つ星なんてすごすぎて…」と完全に“こちら側”なんじゃないか的な発言もありました🫢 パリで三つ星獲得に執心する尾花にとっては“なんだコイツ”感は否めなかったと思います。そして、尾花はそんなグレちゃんに対して、目の前にあったナイフをチラつかせて「ピカピカだな」と吐き捨てますが、“素人”という意味だったのかななんて。彼には怖かったようで、尾花が立ち去ると「良かった〜😮‍💨」と安堵した様子。笑

ただ、グレちゃんのある発言がきっかけで、傍若無人な尾花がまた孤立しそうになったところでチームがまとまりを見せ始めました。それは、パンフレットでも正門くんから語られた、「いったん落ち着いて、みんなで座って飯食いません?」の一声。スタッフが集まって作戦会議を開き、尾花もメンバーの意見に耳を傾けようとしたのです。
ユアンの借金事件でお騒がせした「詫び飯」として尾花からクロックムッシュが振る舞われ、庶民の私は 一番現実的なフランス料理としてとてもそそられたのでした🤤

新メンバーのうちユアンについては、パリでパティシエを目指すことになった動機や自分の仕事にかける想いが表象されていた一方、グレちゃんがパリでコミになったきっかけなどについては尺のせいかほぼ描かれなかったと思うので、正門くん好きな身からしたら(?)知りたかったですね。。

ストーリー面 ―パリで三つ星に挑んだ過程で

ここからは、このパリでの挑戦の物語を通じて感じたこと、学んだことを振り返ります。

第一関門の「買い付け」

まず、グレちゃんも担当していた食材の買い付けについて。見慣れないアジア人だからか、最初は良質な食材を売ってくれませんでした。一方、キッチンから離れていた倫子はその間に精肉店で働き、卸屋たちの信頼を得たことで肉は一級品を卸してもらえるようになりました。
ただ、尾花と倫子がキャビアを買い付けようと交渉した際は なかなか手に入れることができず。フランス人が東京で鮨屋をやる時にいきなり一流のマグロを卸してもらえるか?という例え話がありましたが、逆の立場になったら分かると思います。

印象的だった人

グレちゃん担の立場で観たものの、登場人物の中でも特にオク・テギョンさん演じるユアンが一番印象に残りました。パリに来て借金した理由も一流の食材へのこだわりや探究心ゆえ(彼は「趣味」と言っていましたが)でしたが。。
彼の家にまで借金取りが来て火事になった際には、尾花が駆けつけて命は助かったものの、研究の賜物であったレシピ、ほぼコレクションみたいになっていたチーズやワインが燃えてしまいました。その様子を彼はただ虚しく見るしかできませんでした。
ユアンのアパートの隣のチーズ店もこの火災の被害を受け、商品がダメになってしまいました。そこで尾花は店の責任を感じてチーズ店の商品を全て買い取りました。このチーズ店を助けた行動が卸屋の間で評価され、グランメゾン・パリにも一流の食材を卸してもらえるようになりました。

尾花の料理との出会いを語る場面では、「アジア人で初めてパリで2つ星を取ったシェフ」の料理に「腹が立った」と振り返っていました。そして、尾花も、ユアンのスイーツを食べてムカついたと。ユアンが受けた印象とそっくりそのまま同じことを思っていました。お互い嫉妬するほど才能を認め合う関係って、素直じゃないけど素敵です。
ラストの料理シーンでユアンは、日本の白味噌と韓国の黒ごまを使ったデザートを考案し、この「マリアージュ」が2人の関係を象徴しているように感じました。
なかなかのトラブルメーカーでしたが、新メンバーにして「グランメゾン・パリ」のパティシエとして爪痕を残している点も、この作品の注目ポイントかもしれませんね。

「料理に国境はない」

三つ星を獲るための作戦会議で相沢は、ここに集まるメンバーの出身国の食材や文化を取り入れていくべきだと提案しました。グレちゃんも相沢さんの意見に賛成、と。
ここで面白いなと思ったのは、フランス料理の強みは、時代に合わせて進化していくところ、様々な国の文化を取り入れて融合していくところにあるということです。
二つ星からなかなか三つ星に至らない状況でも、尾花の中では正統派のフランス料理で挑みたい想いがありました。が、師匠の言葉や多国籍なメンバーからのアイデアを経て、尾花の心境が変化していった様子が今回も描かれていました。腕はあっても意固地になりがちなのが玉に瑕な彼ですが、既存のカタチや常識に囚われない考えが、独創性を生むのだと感じました。

そしてフィナーレの料理シーン。ドラマでは確執のあったリンダには、振る舞った料理に対して忖度なしで大絶賛されました。柚子や白味噌といった日本の食材は東京チームから取り寄せ、調理法にも魚の火入れや藁焼きといった日本の食文化が誇る繊細な技術も取り入れました。

様々な食文化や食材を融合させた独自の料理が評価され、グランメゾン・パリはアジア人シェフ初のミシュラン三つ星を獲得することができました―。

さいごに

「グラメ」シリーズはドラマから好評で作品ファンも多い中、年末のSPドラマや映画から入った人がどれだけいるのか。。ただ、初見だとしてもフランス料理の奥深さ、斬新なアイデアなどに興味をそそられ、確かに目を見張るものがありました。
尾花がパリでの三つ星を諦めるよう説得しろとブランカンから倫子に告げられたこともありましたが、(NYでもシンガポールでもなく)本場のパリにこだわる意味にも納得しました。
まさに「大人の青春」というかたちで、世界に飛び出し三つ星獲得を目指す主人公たちの情熱やプライドを感じられる作品でした。

Fin.

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