不穏破壊2
今日も、世にある不穏分子から目をそらすべくこの文を書く。
柿ピー
最近、アホほど柿ピーを食らっている。
幼いころは柿の種が疎ましかった。柿ピーの「ピー」の方は食感が楽しいうえ辛くないので最高だと思っていたが、柿の種の方はただただ辛いだけの謎のせんべいだと思っていた。
亀田の柿の種は柿7:ピー3の割合で袋詰めされていると聞いたことがあるが、柿の種7個分の辛さをピーナッツたった3つで帳消しにできるなどと思うなよ愚か者めが、と悪態をつきながら食べていた覚えがある。亀田製菓の皆さんには本当に申し訳ない。
でも時は巡り、我々は大人になった。
大人になったということは、酒が飲めるようになるということ。あとはわかっていただけるだろう。我々は、柿の種をビールとともにつまめるようになったのだ。
で、……びっくりした。当然ビールと柿の種は非常によく合うのだが、単純に柿の種がめちゃくちゃおいしいと思えるようになったことに驚いた。
年を取ったからかもしれないが、めちゃくちゃ辛いと思っていたあの柿の種の辛みが後を引く。確かに辛くはあるが、もう少し……もう少し……と、気が付いたら手が伸びているのだ。なんと恐ろしいことか。
気が付いたら、ビールがないときも柿の種を食べるようになっていた。単純に、柿の種が食べたい。ビールのおまけとかではなく、食べたい。
最近は定期的に柿ピーを食らわないと死ぬ病気にかかってしまっており、部屋に常備していないと気が済まなくなってしまった。
ドンキに置いてある「業務用」とか書いてあるでっかい袋をバサッと買ってきて、家で黙々と食べている。なんならいまこの文を書きながらも柿ピーを食べている。ピーナッツのエネルギー量はかなり多いらしいので、そのあたりに気をつけつつ今後も多量摂取していきたい。おいしい。
代々木の香り
先日銀座に行ったとき、こんなものを見かけた。
コムデギャルソンの「YOYOGI」という香水だ。
代々木というのは渋谷の隣にある街のことである……こう書くとなじみのない人には大都会のど真ん中エリアのように思われるかもしれないが、少し違う。
確かに代々木も大都会には違いないのだけれど、代々木には代々木公園という、バカでかい都会のオアシスエリアが存在するのだ。渋谷からちょっと歩けばたどり着けるので、あのファッショナブルな街のイメージとの差に驚く人もいるかもしれない。
このYOYOGIという香水は、そんな代々木の「都会のオアシス」感を表現した香水であるらしい。
わたしは生粋のシティースーシ(シティーガールの寿司版)なので、これを見かけた瞬間に「良さ」を直感し試香した。香水に興味自体はあり複数持っていたけれど、香水を売ってるガチの店で試させてもらったのはそういえばこれが初めてだったと思う。
正直、凄いびっくりした。ガチで代々木公園の香りだったからだ。
この香水のトップノート(つけた瞬間の香り)は「サイプレス(ヒノキのなかま)・芝生・ヨモギ」であるという。ド野草だ。代々木公園に生えている植物の種類に明るくないので断言はできないが、少なくとも芝生とヨモギが代々木公園に存在するのは間違いないだろう。
ほか、ミドル・ラストノートの香料も基本的にはド野草だ。野に咲く花か、野に茂る草か、青々とした木々の香りしかない。
中でもミドルノート(つけ始めた後、トップノートの香りが飛んだ後に出てくる香り)の香料である「オークモス」。こいつはざっくり言うと苔だ。代々木公園の芝生の香りが消えた後、今度はその奥にある日陰の苔の香りが出てくるのだ。これは最早散歩と言って差し支えないと思う。
しかし恐ろしいのはそれだけじゃない。ここまでド野草の成分が詰め込まれた香りであるにもかかわらず、なぜか万人受けする爽やかな優しさがあることである。子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、誰が身にまとっていても馴染む優しさ。そう、これは森ではなく、街の真ん中の憩いの場……正真正銘、公園の香りなのだ。
本当にすごい。嫌味なく、「代々木公園の良い香り成分を全部引っかき集めてミキサーにかけたらこうなる」みたいな形にまとまっている。
この代々木公園概念、嘘がない。たぶん代々木公園の限界オタクが作っている。世の中にあるどのオタク向け香水よりも解像度が高かったので、マジでびっくりした。その時手元にお金があればたぶん買っていただろう。
ちなみにこの香水、サカナクションの山口一郎さんが愛用しているらしい。代々木の香りがするバンド・サカナクション、なんか良い。
菓子盆
オモコロの菓子盆選手権シリーズがめちゃくちゃ好きだ。
「お菓子チョイスのセンスでその人の全てがわかる」というのは、あながち間違っていないと思う。多分原宿さんなどは遊んでるだけなのだと思うけれど、みんながみんな真剣に菓子盆をやったら、多分本当にその人の頭の中を紐解けてしまいそうな気がするのが怖い。
わたしはあまり菓子盆というものと縁がないのだけど、部屋の中に「お菓子を大量に詰め込んだ箱」を作って置いている。先述した柿の種も、普段はその箱の中におさめられている。
「いろいろなお菓子がひとまとめになった場所がある」というのは非常に精神衛生に良い。なのでおもてなしの際に菓子をまとめた場所=菓子盆を構築して来客に差し出すというのは、歓迎の意思表示として最強だと思う。お菓子の内容が素敵であれば話も弾むし、一石二鳥だ。やはりお菓子は最強。
菓子盆選手権、普通にオフイベントとかでやりたいんだよな。みんなでドカッとお菓子もって集まって、誰がいちばんセンス良く菓子盆にセットできるか競うみたいな。オモコロでもやっていたみたいに、駄菓子屋さんに集まって即興でやるって言うのも面白そうだ。最後にみんなでお菓子パーティーして駄弁れるというのも良い。強いて言うなら審判の用意が大変そうだけど(一級審判が恐山さんしかいないため)、いまからわたしが猛勉強して資格を取ればどうにかなる気がする。どうしたらいいんだろう。
では、今日はこれで。
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