「Crazy For You! / Chika & Synthetic Lives」を100倍楽しんで聴くためのnote

こんにちは、ゆこなるです!

真夏ですね! 夏休み中のみなさん楽しそうで良いですね! お仕事中のみなさんがんばりましょう!

真夏と言えば𝕋𝕙𝕖 𝕍𝕆ℂ𝔸𝕃𝕆𝕀𝔻 ℂ𝕠𝕝𝕝𝕖𝕔𝕥𝕚𝕠𝕟 𝟚𝟘𝟚𝟛 𝕊𝕦𝕞𝕞𝕖𝕣!
8月4日から7日までの4日間開催されている、ボカロ曲の祭典です。楽しみにしていらした方、そわそわしていた投稿者の方も多くいらしたのではないでしょうか。
わたしは曲を作らないマンなので、本来であればこのイベントにはあくまで聞き専として参加するはず……だったのですが……。

大好きなSynthetic Livesさん(以下・チルトさん)にお誘いいただいて、Chikaさんの楽曲「Crazy For You!」の作詞をさせていただきました! すごい! 夏って感じ!!

ということで、今回の記事ではこの曲について作詞者視点のライナーノーツ的なものを書いちゃおうと思います。お楽しみいただけたら幸いです!


いきさつ

ことの起こりは7月30日。チルトさんのお誘いを受け、大好きなゲームセンター「ル・モンド駒形」さんでめいっぱい遊んだ後のことでした。

チルトさん「実はボカコレに出ようと思っていまして……」
ゆこなる「エッほんとですか!」
チルトさん「でもヤバいんですよ。歌詞が無くて
ゆこなる「……えっ」

もう一度言いますが、事の起こりは7月30日です。
そしてボカコレの開始日は8月4日。普通に一週間切っております。

チルトさん「……で作業をしようと思ったんですが、データを入れていたHDDを家に置いてきてしまい」
ゆこなる「まずすぎですよ! 終わりじゃないですか」
チルトさん「そこでゆこなるさんの力をお借りしたいんですよ。それだけでほかの作業に専念できますし、マジで歌詞がなんも浮かんでないもんで」
ゆこなる「……

エッ!!!! 力貸しちゃっていいんですかァ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!」


と、そんな感じで修羅作詞をすることとなったのが今回の件でした。超楽しかったけど、よく考えるとマジで無茶苦茶だよ。
でも、なぜこんな切羽詰まった歌詞を二つ返事でOKしてしまったか。その理由は単純で、わたしがチルトさんという人の作品に、めちゃくちゃな尊敬の意を持っていたからです


憧れと、尊敬

チルトさんと言う人が何者か。ご存じの方はもしかしたらご存じかもしれません。彼の代表曲と言えばこちらの「エアポートシャトル」でしょう。

音楽ゲームをプレイされている方の中には、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。「エアポートシャトル」はポップンミュージックの公募企画で採用され、実際ゲーム内に収録されています。(ALTちゃん担当曲のなかで唯一ALTちゃん自身が歌唱していない曲としても有名です)

また各種コンピレーションアルバムへの参加のほか、サブスクサービス等でもアルバムが配信されていたりします。どちらも名盤なので全人類聴けください。

チルトさんの作風は、ご自身もおっしゃっている通り「80~90年代風のポップスをAquesTone等の合成音声ボーカルで創る」というところ。この作風は基本どの楽曲においても一貫されています。ずっと耳に残り、思わず口ずさみたくなるようなキャッチーさが魅力です。

それで。わたしがチルトさんの作風の中でも特に好きな部分は、歌詞の言葉選びにあります。

本気で真面目に 遊び尽くそう 仕事なんて忘れちゃえ!

「エアポートシャトル」

だってだって 輝くために 女の子は忙しい!

「On Your Side」

完ペキな人なんてこの世界にはいないけど
キモチなら負けないわ!

「Stays Of My Emotion」

見てください!!!!!!!!
超ストレートなんですよ!!!!!!!!!!!!!!

チルトさんはおそらく自分の楽曲に似合うことばを把握してこういう言い回しにしてるんですよ。英語に逃げるとかそれっぽいことに逃げるとか一切なくて、ただその世界の中にいる主人公の「うれしい」「楽しい」「悲しい」みたいな気持ちをまっすぐ歌詞に書くんです
だから歌詞と曲が調和していて、ずっと心に残り続ける。なにかあったときにふっとあたまにメロディがよぎったりするんですよね……。

作詞を始めてから、実はこの「ストレートに歌詞を書く」ということが案外難しいのに気が付きました。
わたしの場合、作詞するとなるとついつい捻りたくなってしまいたくなるんですよね。照れているのかカッコつけてしまっているのか……。
だから言いたいことがわかりにくい内容になってしまったり、頭に残りにくかったり。
なので、(これまでご本人にすらも内緒にしていましたが)行き詰ったときは必ずと言っていいほどチルトさんの歌詞を参考にしていました。これまでのわたしの作詞活動は、チルトさんの作品なしには成り立たなかったと言っても過言ではありません。いやマジで。

だからチルトさんから「歌詞を書いてほしい」とお声がけいただいたときはものすごい衝撃を受けました。表現について憧れを抱いていた人から直々に頼られるわけですから、誇らしい以外何もないじゃないですか!!! 当然やりますよ!!!!!

憧れ尊敬、パk……オマージュ

まずこの歌詞ですが、実はわたし一人で作ったわけではありません。もともとチルトさんの方で一部の歌詞を決めていただいていて、そこからわたしが加筆するような形で作詞が進行していきました。
テーマなどについてもチルトさんと確認を取って、意思を揃える形で進めています。

今回の作詞においては、一貫して心に決めていたことがありました。

せっかくチルトさんの曲の歌詞を書くわけだから、この歌詞はチルトさんに捧ぐ、「チルトさんへのオマージュ」を詰め込んだ歌詞にしよう。

そりゃもうこれまで作詞活動の指針としていた人のひとりなのですから、なんとかして全力でチルトさんへの敬意を示さねばなるまい。
そのため、作詞にあたってまず一通りチルトさんの曲を聴きました。そのうえで歌詞の言葉遣いを工夫し、わたしの思いつく範囲内でチルトさんの世界観に沿う言い回しにしています。その成果は2番Aメロのあたりなどで特に顕著に出てるんじゃないかな……と思いますが、いかがでしょう。

工夫した点としてはサビの歌詞。各フレーズ前半の歌詞は基本同じ内容の繰り返しになっていますが、そうすることで「絶対聴いてる人の頭に爪痕残してやる」という強い意思が出たんじゃないかと思います(?)。

個人的にはかなり良い歌詞になったと思うし、わりとしっかりチルトさんイタコをできたのではないでしょうか。めっちゃ面白かったです。


アツい夏は恋の季節なのか

以上、「Crazy For You!」の歌詞についてでした。

ちなみにわたしはこれまでに何度か歌詞を書いているんですが、自由に歌詞を書ける状況で恋愛に関連する内容を書くとどうしても「夏の曲」になってしまうみたいです。この曲以外だと「Trenta」も夏曲ですね。なんでだろ。

夏、とても過ごしづらいですが良い季節ですよね。なにか燃え上がるものと言うか、そういう気持ちを恋愛系歌詞にぶつけたくなるのかもしれません。

ボカコレ以後も、夏休みはまだまだ続きます。熱中症には気を付けて、お互い涼しく楽しくアツく過ごしましょう!


街でよく出会うあのひとは
取るに足らない 普通のひと
なのに気になるのはなぜ?
私のこころだけが暴れだす

いつもより赤いルージュ引いて会いに行くの
熱い日差しと同じくらいの本気を見てよね

眩しいこの光 浴びたら恋が芽生えるわ
視線逸らさずに 見つめあえたらいいのにね
激しいこの想い 夏はいまから始まるの
きょうは譲れない 私のことだけを見てて

街でよく出会うあのひとは
ただ優しく笑うだけ
こんなに強いキモチに
気づいていないのならドンカンね

目と目が合うたびにすこし顔を逸らすのは
同じことを思っているから?
そうだって言ってよ……!

眩しいこの光 浴びたら恋が始まるわ
視線逸らさずに 見つめあえたらいいのにね
激しいこの想い 夏はいまから目を覚ます
きょうは譲れない 貴方だけしか見えないの
そういう私は 首ったけ

「私が月なら貴方はきっと太陽ね」
こんなベタベタなことばだって
今なら言えるわ!

眩しいこの光 浴びたら恋は輝くわ
視線逸らさずに 見つめあえたらいいのにね
眩しいこの光 浴びたら恋が動きだす
きょうは譲れない ちゃんと伝えてみせるから

「そんな貴方に 首ったけ」


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