「游ぐ摩天楼 / RND.K a.k.a 雨色神撫 feat.緑青さびる」を100倍楽しんで聴くためのnote

こんにちは!ゆこなるです。

https://nico.ms/sm38764626

上記楽曲「游ぐ摩天楼」の作詞をしました!
作詞をしたい!とTwitterで駄々をこねていたら作曲マンさんの方から直々に声がかかったので、マジでめちゃくちゃ光栄だな~という気持ちで歌詞を書きました。気合い入れて書き直し何回もしてたら締め切りぎりぎりになっちゃってほんと申し訳ないです。

この曲は現在絶賛開催中のUTAU動画投稿イベント「UTAU四季巡り」の参加曲です。テーマは梅雨! RND.Kくんの明るいさわやかな曲調の中に、梅雨めいたじめじめした雰囲気を歌詞で足せたらいいな……と意識しながら書きました。
曲、転調を織り交ぜた印象的なメロが耳に残るし、とっても涼やかでかっこいいですよね。あと調声めっちゃいい……!

ということで、今回もなるべくさっくりと「游ぐ摩天楼」の歌詞について追記していきたいと思います。大したことは書けないかもしれませんが、よろしければお付き合いください。

テーマについて

実は今回の作詞をしているさなか、「Trenta」に関するnoteを書いた時の記述に盛大な嘘があったことが判明しました。訂正とともに、心からの謝罪を申し上げます。訂正する内容は以下の通りです。

過去何度か作詞をさせていただいた経験からわかったのですが、わたしはどうやらちゃんと設定を組み上げないと歌詞が書けないタイプのようです。

ごめんなさいこれマジで嘘。びっくりしました。今回設定を決めたら歌詞書けなかったんですよ。なんで?

推測ですが、もともとこの曲に初めから「梅雨」という大テーマを与えられていたところにさらに自分で細かい「設定」を決めようとしたのが悪かったんだと思います。せっかく梅雨っていうエモエモテーマがあるのになんでそこに余計なもの付け足そうとしちゃったんですか? 愚か者め……

というわけで、結局この歌詞については「とりあえず思いついたところだけ埋めて、設定とかは後で考えよう!」という感じで書いていきました。
とはいえ一貫性はないといけないので、一応言葉を選ぶ時の条件としての小テーマのようなものをざっくり決めています。それと、最終的に歌詞全体がうまく物語としてまとまるようにしたかったので、辻褄が合うようにそれとなく調整しつつ歌詞を書きました。
(ちなみに小テーマの内容は「日本でいちばん曇り空が似合う場所ってやっぱり池袋駅前だよな〜」です。なにこれ……?)

歌詞本体について

ここで歌詞の内容そのものを書いてしまうのはあまりよくないのかな?と思うので、ここでは歌詞を書く行程のことだけ書きたいな……と思います。いままでこういう感じで歌詞を書いたことがなかったので、個人的な備忘録もかねて。

もともとから「平易なことばで世界観の深さを表現する歌詞」「とにかく語呂が良くてかっこいい歌詞」に憧れていたので、わたしが個人的にそれに当てはまると思っていた曲をいろいろ参考にしています。

歌詞に「深さ」を出すのにはとても苦戦しました。ただ難しい意味の単語を盛り込むだけでは意外と頭が悪い感じになってしまうというか、曲調と合わない中二病すぎる内容になってしまったりするんですよね。なので、難しいことばとやさしいことばのバランスをとても意識しました。
また、今回は特に比較的明るめの曲調とメロディに対して「梅雨」を想起させる暗めな歌詞を乗せたいと考えていました。そのため、曲の雰囲気を邪魔せずに歌詞だけを硬質な雰囲気にするにはどうしたらいいか……という点でもかなり悩んだ気がします。その結果、メジャーなことば(「ひかり」「ゆめ」など)を文字だけ見慣れないもの(「晄」「梦」など)に置き換えてみる……というような工夫をしています。

「語呂の良さ」についてはそれなりに成功してるんじゃないかと思います。
詞でがっつり韻を踏む、というのをいつかやってみたいと思っていたのですが、今回それに適した感じのメロディをいただけたので挑戦してみました。この韻の部分についてはRND.Kくん本人にもほめてもらえたのでうれしかったです。

タイトルについて

そういえば、わたしが作詞した曲に日本語のタイトルがつくのは今回が初めてだったりします。
こうなったのは、おそらくタイトル決めをRND.Kくんにほぼお任せしていたからだと思います。過去作詞した3曲(exp, / Room 420, / Trenta)はいずれもわたしがタイトルを決めていたので、他の人に委ねてタイトルをつけてもらうのはかなり新鮮でした。もし今回もわたしがタイトルを決めていたら、おそらく過去同様にアルファベット単語のタイトルになっていたと思います。

わたしは日本語でタイトルを決めるのがあまりうまくなくて、高校寿司の時に部活で書いてた小説とかもだいたい英語のタイトルをつけていた記憶があります。アルファベットって字面だけでなんとなくかっこよく見えるので、そのかっこよさに甘えていたというのも大きいです。
なので今回はRND.Kくんからタイトルの案をもらったとき、その案がとてもかっこいい上にきれいに曲全体を総括していたので「すっげ~~!」と思いました(語彙力不足)。わたしも日本語うまくなりたいな。精進します。


「游ぐ摩天楼」の歌詞についてはだいたいこんな感じです。いかがでしたでしょうか?
我ながらいい詞が書けたと思うので、気に入っていただけたら嬉しいです。

それにしても今年は梅雨入り早かったですね!
すでにむしむしとし始めていますので、みなさんカビとかには気を付けてくださいね。わたしはおすし業をしているので、なるべく人間の皆様を食中毒とかにさせないよう衛生面に注意していきたいと思います。

それでは!


知らない本心を知った日は
黒いひかりの乱反射のよう
人波消える街の逆行
ゆるんだ現実を遮る

濡れた服すら拭けない今日は
ぼくの伝記につく紙魚しみのよう
泳ぎのできないひとのえらの空想
誰もが過ぎて行く

錆びていつか枯れてしまうのは
ながあめが去ることがないから
煙のなか きみの背中
ふらり 遠のくなら
妄想の流る摩天楼

みずたまが撥ねるのを
ビル風が収まらないのを
変わり映えしないのを
「ここから見たいんだ」
声はくも

じゃあねときみが言うのは
ゆめゆめ ちがうって思うから
ばかみたいに手を引くよ
世界が掻き消えるその前に

にわかに描くトロンプルイユは
きらいな飲み物の味のよう
記憶の裏 焼き付く視線を
目醒ましにして地図をひら

不安の音が鳴り止まないのは
ぼくが耳を塞げないから
ぽたり落ちた 理屈 何か
ぐしゃぐしゃのどろぬま
文字列の渦に閉じ篭む

その傘を閉じるのを
湿気た靴下を放るのを
「ずっと待っているんだ」
「ほんとはそんなのきっとないけど」

じゃあねときみが言うのは
ゆめゆめ ちがうって憶うから
冷たいその手引いた残響
そうして 雨は続く

天気予報告げるテレビジョン
嘘をざっと800並べて
モンスターを口から零す
ぼくはひとり

終わりがどこまでも見えないのは
鍵の場所を忘れていたから
蹴る雑踏 
畝る劣等の方に息を止めた

知ってるよ
きみはいない

みずたまが撥ねるように
ビル風が収まらないように
祈りが終わるように
「ここから壊すんだ」
声がれる

じゃあねときみが言うなら
しあわせをずっと願うから
空っぽのゆめの中の
世界が掻き消えていくその日を

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