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25歳入社のしがない新卒サラリーマンが30歳で1,000万貯めた話
本記事では留年や大学院等で、25歳の代で遅れてIT企業に入社したサラリーマンが、一般の目標とされる30歳で1,000万貯めた経験について記します。特に難しい知識・スキルを要するわけではないため、誰でも実践できる内容となっています。
0. 入社前
私は大学院(修士)まで在籍後、上場企業であるIT企業に新卒で就職しました。大学受験時代に1年浪人しているのと、大学院に行くか就職するかで悩み、大学院入試を1年遅れて受験したので計2年遅れて24歳で大学を卒業しました。学士で卒業する人より4年も遅れて入社しているので、社会に出るのは一般より遅い方だと思います。
大学院時代ですが表題にあるようなお金の勉強等は一切していませんでした。普通にアルバイトをしながら実家で暮らしていたので、家賃もお小遣い等もなく、学費は親に負担してもらいながらアルバイト代で自分の支出は賄っていました。
今思い返すと、大学の先輩の中には大学在籍中からファイナンシャルプランナー (FP) の資格を勉強していたり、弁当を作って研究室に持ってきていたりしていました。毎日酒やギャンブルで浪費している人もいたので、お金の使い方は学生時代から千差万別だったんだなと感じます。
1. 入社1年目(終了時資産:150万円)
結論から言うと、入社1年目はマネーリテラシーについて一切知識もない&学ぼうとしていませんでした。これは一番の後悔です。入社1年目から(もっと言えば大学時代から)お金について勉強しておけばよかったと後悔しています。そのため、お金について特別工夫したという点がありません。
1.1 支出面
食費については、友人と日常的に外食に行くのは普通のこと、コロナ禍でもありましたが1,2ヵ月に1回は旅行にも行っていました。一点、大きいと感じたのは会社の寮が30歳まで福利厚生として9,000円/月で提供されるためそこは助かりました。狭いワンルームではありましたが、支出の大部分を占める家賃を関東圏で格安で住めたのはやはり大きいと思います。
別の観点でいうと、上記以外の交際費以外で消費が少なかったことも大きいです。コロナのため自粛期間だったというのもありますが、そもそも社会人始めたてで土日は疲弊しており、ゆっくり寝て過ごすということも多かったです。酒タバコやギャンブル等の趣味に興ずる余裕がなかったという方が近いかもしれません。
私の会社ではコロナ禍でテレワーク主体だったため、週のほぼ毎日自炊をしていました。近くのスーパーで安い店はありませんでしたが、色々と家で作って済ませていました。後になって感じたことですが、自炊だからといって安く済むとは限らないです。電気代や手間もかかりますし、割引となった総菜や弁当を買う方が、(栄養面や量は置いておいて)安く済ませられることが一般的には多いです。私の体感として、
自炊は、量・栄養・作る楽しみ重視
弁当や総菜は、値段・手間重視
だと今になっては感じています。自炊をやっていると「偉いね~」と言われることも多いですが、だからといって節制できているかとは言えないと感じます。
一番大きな買い物としては、ノートパソコンを15万円くらいで買いました。あとは両親へのプレゼントで5万円くらい。それ以外は、大きな買い物はなかったです。
1.2 収入面
収入は基本的には会社の給料のみです。1年間で平均は手取りで20万と、今の賃上げの時代から考えると、よくこんな額で満足して働いてたなと思います。1年目でもあり、目の前の仕事をこなすことで精一杯だったのかもしれません。ボーナスは6月が寸志、12月は50万だったのでそこは1年目としては大きな収入となっています。
1.3 総評
振り返ると、1年目は特に何も考えていない一年だったと思います。強いて言えば、寮で家賃が格安だったことと、無駄な出費をしなかったのでそこがポイントだったと思います。
2. 入社2年目(終了時資産:400万円)
ここからお金の勉強を始めました。きっかけは、同期である友人が退職し、お金の話を二人でよくするようになったためです。今思うと、このような周囲で刺激を与えてくれる友人の存在は非常に大きいと思います。
以下が2年目で始めたことです。
YouTubeでお金関係の解説動画を見まくった
積立NISAを始めた
貯蓄用口座を作成した
銀行をネットバンキングに変えた
クレジットや電子マネーに乗り換えた
ふるさと納税を始めた
ネット販売を始めた
1つずつ説明していきます。
YouTubeでお金関係の解説動画を見まくった
積立NISAを始めた
知識がほぼゼロの状態からインプットとしたのはYouTubeです。キーワードで検索すると山のように解説動画がヒットします。いくつか動画を見て、まずは断片的でもいいので基本的な知識を入れることを意識しました。私個人的には、書籍や有料のコンサルやメンバーシップに入る必要は一切ないと思います。確かに追加の有益な情報を得られる可能性はありますが、まずは0を60くらいに上げることが重要で、それ以上は必要になったときに課金すればいいと思います。お金を増やそうとしているのに、支払う量が増えてしまっては本末転倒です。
実績として一番大きかったのは積立NISAです。今まで聞いたことがあったくらいで投資に抵抗があったのですが、当時の満額である3.3万を投資するように早速始めました。銘柄もS&P500と呼ばれる王道の商品で、とりあえず言われたとおりに始めてみました。当時は米株一択の時代で、勝手に資産が増えていることにびっくりしていました。一つの後悔として、もっと早く始めておけばよかったと思います。資産を増やすことが主目的ではあるのですが、それ以上に、お金に対する知識や危機管理能力が高まったように思います。普段から無駄な消費を抑えようとも感じますし、給料に対してどれくらい投資して手元に残すかのように、リスクを考える契機にもなったと思います。この経験を通じ、何事にもアンテナを張りつつ、まずは行動してやってみるべきだなと思いました。
貯蓄用口座を作成した
銀行をネットバンキングに変えた
これは普段の自分のお金にまつわる周辺最適化になります。まず、普段は会社指定のみずほ銀行を使用していたのですが、ネットバンキングを開設しました。普段遣いの楽天銀行と、貯蓄用のあおぞら銀行です。
普段の楽天銀行の口座には100万円程度置いておいて、あおぞら銀行は貯蓄用としてそれ以外のお金を全て移動させました。基本的にはこの貯蓄用口座からはお金は使わないようにし、さらに毎月3万円を自動で貯蓄用口座に移動するように設定しました。こうすることで、給料から(間接的にですが)自動で貯蓄用口座にお金を天引きして貯蓄することになります。また、ネットバンキングは金利が高いため、利息として半年に1回、1000円~1500円くらい入ることも魅力です。みずほ銀行や地銀を使っていた頃は、利息10円とかだったので、このようにお金が入ってくる仕組み作りは大切だと感じます。
別の観点だと、ネットバンキングはどの口座もですが引き落としや振込の手数料が無料になるところが多いので、日中銀行にいったり、振込手数料を払ったり・・・ということが一切なくなりました。コンビニで好きな時間に下ろしたり、ネットから無料で振り込めたりできます。こういう無駄な手数料から脱却するのは、貯蓄をする上で非常に大事だと感じます。
クレジットや電子マネーに乗り換えた
私は今まであまり意識していなかったのですが、基本現金派でした。特に意図があるわけではないのですが、必要になれば銀行からおろしていました。しかしながら、この年からはキャッシュレスを使えるところでは100%キャッシュレス決済を利用するように変えました。これは、クレジットや電子マネーでは基本数%のキャッシュバックの仕組みがあり、現金を使うメリットが基本ないためです。例えばコンビニで何か買うとき、スーパーでの買い物、300円程度の雑貨を買うときでも、キャッシュレスで払うようにしました。1回のリターンは10円や数ポイントなど微々たるものですが日々の消費が積み重なると大きな額になります。具体的には、普段遣いで1,500円くらいは毎月のクレジットの額を減らせるくらいポイントは貯まります。年換算だと、1,500*12=18,000円ですね。派手さはないですが、このようなコツコツやることが大事だと思います。
ふるさと納税を始めた
こちらも節税としてよく知られた制度で、実質8,000円の負担で、5自治体まで寄付し返礼品を受け取れる制度です。こちらも最初は知識がありませんでしたが、YouTubeで勉強し始めてみました。
やった感想としては、思っていたより簡単で、かつ普段食さない食べ物やモノをもらえるのは嬉しいです。友人や家族に渡せるのもいいですね。私個人としては、トイレットペーパーやティッシュのような生活必需品がおすすめです。あとは翌年の6月頃に会社から支給される住民税の情報資料で、ちゃんとふるさと納税分が減税されているかは確認が重要なのでお忘れなく。
ネット販売を始めた
今まではどちらかというと防御寄り(お金を減らさない)方法が主でしたが、収入を増やす意味でメルカリで不用品を販売するようにしました。例えば、買ったけど使わなくなった帽子、大学時代の参考書などです。額で言えば1,000~3,000円と軽微なものではありますが、いらないものをお金に変える意識と、ものを売るという商売の流れをつかむきっかけになりました。この当時は本当に少額のやり取りでしたが、以降ではより大きな額に挑戦することになります。
2.1 支出面
コロナがひどい時期でもあったため、この年は旅行等の大きな出費はありませんでした。基本的には1年目と同じく自炊で済ませ、可能な限り、不必要な嗜好品 (お菓子とかジュースとか) は買わないようにしていました。
一点、1年目と変わった点は、いわゆる地域で安いとされるスーパーで買い物をするようにしました。すぐ近くにはなかったのですが、学生時代から使っていたバイクで少し遠出でも買い物に行くようにしました。移動時間は掛かりますが、毎食コンビニやUberの人、自炊をせずに毎日外食の人に比べると、かなり節制できたポイントだと思います。
もう一点、この2年目以降からは、ほとんどプライベートで交通費を使っていないこともポイントです。上記で記載したバイクで移動するようにし、電車・バス等の公共交通機関は特別な理由がない限り利用しないようにしました。バイクだと移動距離にもよりますが、買い物やその他の移動で、1ヶ月で1,000円掛からないくらいのガソリン代なので、「毎回週末に電車で~」という人と大きく差が付くポイントだと思います。
2.2 収入面
2年目も会社の給料が基本です。1年目に比べて1.1倍の手取り額くらいなのでほとんど横ばいではありましたが、上記の施策をしながら確実に貯蓄することを意識しました。手取りは平均23万円、ボーナスは50万円ほどです。
2.3 総評
2年目は仕事に慣れるので精一杯だった1年目と違い、お金の知識をインプットし、様々なお金にまつわるアクションを実行しました。その全ての行動は今の生活にも繋がっており、意識が大きく変わった一年だと感じます。
3. 入社3年目(終了時資産:650万円)
実は3年目は2年目とほとんど同じ傾向でした。特別何かを変えたということはありません。2年目で実践した行動をそのまま継続し、ひとまず消費を抑えるように工夫しました。
3.1 支出面
大きく変わったことはありません。テレワークで仕事をし、昼・晩御飯は自炊で済ませ、土日はバイクで安いスーパーに買い出しに行き、たまに外食で済ませるといった形です。大きく2年目から変えたことはありません。
大きな出費としては、デスクトップPCを20万円ほどで購入しました。パソコンは高い買い物ではありますが、動画編集やゲームなど、生活の幅が広がるのでおすすめの投資だとは思います。
3.2 収入面
残念なことに、3年目は2年目に比べて給料が1.03倍と、ほぼ変わらない額でした。そのため、貯蓄のペースが上がったり、逆に消費が増えたりということはありませんでした。
ボーナスは昇格に伴い若干上がって、10万円ほど前年より増えています。
3.3 総評
3年目は2年目と同じ傾向で、特に変わったことはありませんでした。いわゆる耐久や我慢の年と捉えることもできますが、今思うと何かしら新しい行動をとっても良かったのかなと反省しています。
4. 入社4年目(終了時資産:950万円)
4年目は横ばいであった2, 3年目と異なり、支出・収入ともに変化があったため以下に詳しく記していきます。
4.1 支出面
この年から、会社での福利厚生であった9,000円/月の寮を出る必要があり、自身で家賃を払う必要が出てきました。そのため、家探しや引っ越しをしました。
家賃に関しては色々と考えました。テレワーク主体なので割とどこでもいいこと、とはいえ出社もあるためオフィスに出やすい場所がいい、3年間の一人暮らしを経験し、ワンルームは窮屈感があって精神衛生上も良くないこと、などです。色々と検討しましたが、結局会社に10分程度で電車で通える駅近の新築で8.5万円の物件にしました。どちらかというと、地方都市なので妥当な額ですが安くはないと思います。ですが今思えばこの選択に後悔はなく、実際今現在もですが、仕事を含め家にいる時間が長く、いわゆるおうち時間をリラックスできる環境にできているのは大きいと思います。例として、前の寮では1度も浴槽に浸からずにたまに銭湯に行ったりしていましたが、引っ越してからは家の風呂に入ることが増えました。
少しお金の話から脱線しましたが、今まで9,000円の寮費から8.5万の家賃なので、今までの給料から実質7.6万円マイナスになります。これは今現在もですが一番大きい出費になっています。
それ以外の部分では、これも引っ越しに伴うものですが、電気代が高くなりました。オール電化の物件ということもありますが、夏場は1ヶ月1万6千円の月もあったりとなかなかの出費です。私は暑がりなので、冬場は暖房は付けないのですが、テレワークで家にいる時間も長く、電気代には困りました。他の電気会社に乗り換える案も考えましたが、あまり大きなメリットがなかったため、電気代は諦めて支払っています。
4.2 収入面
大きく二点の変化がありました。
一点目は会社の給料です。前年比で1.33倍に増えました。これは大きく評価が上がった、とかではなく、単純に残業が多く残業代が増えたためです。また別の投稿でも書こうと思いますが、給料が増えたとはいえ、この年は体力的にも精神的にもしんどかったです。夜22時まで仕事して、ご飯食べて寝て、すぐ朝から再開、土日も仕事となると、3年目までの余暇を楽しむという余裕がなくなったように感じます。
このような会社の給料や忙しさの変動は、会社や人によって個人差が大きくあると思います。ただしこの部分は個人ではコントロールしにくい部分なので、あくまで自分がコントロールできる部分にフォーカスするのが重要だと感じます。
二点目は、Amazonで物販を始めました。Amazonでは、アカウントを登録すると、販売店として好きな商品を出品できるようになります。私が対象としたのはせどりと呼ばれるもので、世の中で販売されているもので需要はあるが安価なものを仕入れ、Amazonで代わりに販売する流れです。転売と違い考え方ではありますが、あのような買い占めや値段の吊り上げは行わずに、1個300円の利益のような小さな利幅を繰り返す販売形態です。利益ですが、月1万円ほどは出せるようになりました。
今までは消費を減らす手法を数多く紹介してきましたが、この年で初めて副収入を増やす方面を勉強し始めました。色々なやり方がありますが、せどりは簡単で利益も出やすいため、ハードルは低いと感じました。欠点は地味で薄利のため、モチベーションが続くかというところですね。
ボーナスは前年から10万円ほど増で、こちらも追い風となりました。
4.3 総評
退寮に伴い、家賃を払う生活に変わりはしましたが、収入面で給料の増加や副収入で今までより大きな資産増加幅となりました。消費を抑えることもまずは大事ですが、収入を増やす観点を考えるのも大事だと感じた一年でした。
5. 入社5年目(終了時資産:1200万円)
4年目で近付いてはいたのですが、5年目で目標とする1,000万円を達成することができました。ここまで読んでいただいた方には分かると思いますが、当たり前である「消費を抑えて、収入を少しでも増やす」という地味な一年の積み重ねしかやっていません。ある程度ベースとなる給料により、達成できる年数は変わってくるかもしれませんが、私のように少しでもプラスを積み上げていけばどなたでも達成できるように感じます。周囲を見ていて思いますが、人間は案外甘いのです。欲しいもの、食べたいもの、行きたい場所などお金をあっさり使っちゃう生き物です。日頃の毎日から節制する当たり前を励行できていれば、いつの間にかそれが当たり前になり、資産が積み上がっていくように感じます。
5.1 支出面
前年と変わらず、トップ2の支出は、家賃と投資 (積立NISA) です。投資はいいとして家賃が年100万円ほど支払っています。仕方がないことですが、もったいないですね・・・。もし可能であれば、実家に住むのもありかもしれません。年100万円ほど収入が増える計算ですし、食費もほとんどないようなものなので。ここは家庭環境や仕事にも左右されると思いますが、インパクトはかなり大きいです。
5.2 収入面
給料は前年の1.1倍とほとんど横ばいですが、ボーナスは10万円ほど下がりました。そのため、大きく変わったことはありません。副収入であるAmazonの物販の額が大きくなり、収入として20万円弱入ってきていることはあります。ですが、これはあくまでプラスアルファの収入で、ベースは毎月の給料であることは変わりないですね。
5.3 総評
家賃を支払うようになりましたが、給料の微増および副収入や投資により、結果的に総資産は増え、1,000万円を超過しました。ですが、大きく博打やリスクの大きい取り組みはしていないことに注意してください。コツコツ毎日を節制することが一番大きい要素と感じます。
6. おわりに
5章の最初にも書きましたが、ここまで読んでいただいた方には、地味な一年の積み重ねしかやっていないことに気づかれたのではないでしょうか。いくつかお金に関する工夫や行動はしましたが、それだけで生活できるほどの恩恵は得られておらず、ベースはあくまで毎月の給料であることには変わりありません。
社会人になり周囲を見ていて思いますが、人間は結構お金を使っています。お金を使って人生を豊かにすることはもちろん重要ですが、不必要な消費が多いのも事実ではないでしょうか。「お金がない!」といっている人ほどこの傾向が多い気がします。まずは毎日の自分のお金のフローをマネーフォーワードなどを使って可視化し、無駄なものがないかをチェックすることをおすすめします。
1,000万円は誰でも努力すれば達成できます (1億円は別ですが・・・)。毎日の小さい工夫を積み重ね、当たり前を変えていきましょう。
この記事に書いた内容が少しでも役に立てれば幸いです。
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