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【ひとりで感想戦】2022 J1参入プレーオフ1回戦【ファジアーノ岡山視点】

ファジアーノ岡山のJ1参入プレーオフが終わってしまいました。
ちょっと早すぎた。残念でなりません。

いざ、J1昇格へ!』その合言葉のもとに、今年こそはと想いを馳せていたサポーターさんもいらっしゃるでしょう。決定戦、『J1チームよ首を洗って待っていろ!』と思ってたサポーターさんもいらっしゃるでしょう。ふだんは熱を入れて応援してるわけではないけど「ついにファジアーノは昇格するのか?」と期待をかけてくださった方々もいらっしゃることでしょう。

私も、ほとんど同じような気持ちでした。
それだけに、大変くやしい。むなしい。

心の支えがベキッとへし折れ、わたしゃこれから何をつっかえ棒にしてキッツイ仕事をがんばれば良いのか?という状態で今週が明けました。が、どうにかこうにか、時間の経過とともに少しずつメンタルも回復しつつあるため、ここまでに思ったり考えたりしたことを雑多に書いてみます。

ひとりで感想戦です。。。

POの怖さ、分かっていたけど

1回戦の前に私はこんな記事を書きました。

こちらの記事に関しましては沢山の方にお読みいただけて、本当に嬉しく思います。ツイッターでリツイート、いいねをくださった方々、noteでスキをくださった方々、本当にありがとうございます。

この記事の中で私は「プレーオフのおそろしさ」について、過去データも踏まえて触れさせていただきました。大河ドラマの名セリフまで引用して「何が起こるか分からんから気をつけような」という趣旨のことも書かせていただきました。

そもそも、われわれは2016年に下剋上を起こしたことのあるチームでもあります。それゆえ、「何が起こるかわからないのがプレーオフ」ということは熟知していたサポーターさんが多かったでしょうし、私自身も等しくその認識は持っていたつもりでした。

ですが、それでも、「プレーオフのおそろしさ」に飲み込まれてしまった。抗えなかった。

早すぎた失点

多くの方が指摘している通り、この試合の趨勢に大きな影響を及ぼしたのは、前半5分に相手に許した先制点だと思います。

岡山は「引き分けでも可」=相手が無得点なら次戦進出となる立場であり、まずは0-0のままゲームを引きずっていきたいところでした。しかし先制点を早い段階で奪われてしまったことにより、逆に「1点取らないと敗退決定」という立場となってしまいました。

4:19 山形先制につながるシーン

きっかけは、相手方によるたった1本のパスでした。
4:19、山形#3半田選手から#10山田康太選手へ入ったパスに対し、岡山は#5柳、#23バイスの両CBが同時に食いついてしまった。これにより山形#29ディサロ選手が岡山の最終ライン裏を突く余地ができ、山田選手からダイレクトでパスも通ってしまった。岡山のGK#35堀田はディサロ選手のシュートをいったんは手ではじくも、こぼれ球を再びディサロ選手に押し込まれてしまった。

上記ファジラボ記事より、選手・監督の1失点目に対する見解を読むことが出来ます(木山監督、輪笠、柳)。山形のトップ下・#10山田康太選手のところが非常に脅威となるであろうということは、クラブスタッフ・選手たちも当然把握していて、大まかに言えば「ボランチがプレスに行ってる間はCBが付く」という決まり事を持って臨んでいたのだと思います。

ただ、あのシーンだけ2人同時に食いついてしまった。というか、危機察知能力の高い柳・バイスが2人とも「行かないとまずい」と思ってしまうような局面を、一瞬ではあるものの山形に作らせてしまった

山形の#3半田選手(すべての起点となったパサー)に対して、岡山は#22佐野が1stディフェンダーとしてプレスをかけにいったが、規制をかけることができませんでした。また、アンカーに位置する#34輪笠も、相手の動きに引っ張られてセンターサークルの外へ釣り出されてしまい、中央付近にガードストーンとなる選手が一瞬いなくなってしまいました。そこへ山田選手がひとりフリーで受けたら。。。「まずい」と思ってしまうのではないでしょうか。

山形としては、厳しい戦いが予想される中で、どちらに風向きが運ぶか検討段階という時間帯に、「喉から手が出るほど欲しい」先制点を奪うことに成功。大いに勇気づくことができたはずです。一方で岡山は残りの大半の時間を、「1点取らないと」というプレッシャーが付きまとう状態で過ごさねばならなくなってしまいました。

(※)…そういえば前出の観戦ガイド記事で、「気になる選手:ディサロ」と書き、実戦でそのディサロ選手に決められてしまいました。フラグを立ててしまったようでなんだか申し訳ない気持ちですが、かくなる上は仕方がない。いつかディサロ選手に岡山に来てもらおう。早ければ来シーズンから。(そりゃ無理か)

バージョンアップの余地は残っていなかった

ファジサポの皆様もご存じのところかと思いますが、木山ファジはレギュラーシーズン中、少し行き詰まったところでバージョンアップともとれる戦術の微調整を行い、その都度勢いを盛り返してきました。今季大きく勝ち点を損なうことなく、堅実にシーズンを走りぬくことができたのは、こうしたマネジメントもあってのことと思います。

そういったこともあって、少し手詰まり感のある試合が続いた10月においても、私は心のどこかで「これは壮大な三味線(演技)で、プレーオフになったらまた1枚殻を破ったファジが出てくるんじゃないか?」と思っていたところがありました。そしてこのプレーオフ1回戦、先制点を奪われた後においても、「今季のファジならきっと、ここからあっと驚く木山マジックがみられるはずだ!取られても取りかえしゃいーんだ!」という思いで見ていました。

しかし、すべてが終わってみて思うことは、殻を破る余地はもう、さすがに残っていなかったんだな、ということ。

木山隆之監督
(中略)試合を勝っていくことに関しては、本当に選手たちが良くやってくれたなと思います。その中で最後の数試合になったときも、まだ十分に2位を狙える可能性があったので、そこまで辿り着けたことは非常に良かったと思う。ただ、そこをもう1歩打破していくためのチームとしての力とか、クラブとしての力とか、そこはやっぱり自動昇格した2チームに比べると足りなかったと思います。最終的に最後まで2位を目指していた分、少しパワーダウンをしてしまったところは僕の力のなさだと思いますし、そこは反省です

――6位に滑り込んだ相手と2位になれなかったチームで、勢いの違いがあったんでしょうか?
われわれも2位を目指していた中で、ちょっと届かないかなっていう瞬間もあったりして、ある意味でプレーオフを目指していろんなことをやれる可能性もあった。ただ、最後の最後まで2位になれるチャンスもあって、その辺の選手の心理的なものは、ちょっと僕も最後の5試合を見ていて非常に難しかったなと。やっぱりチームは人間の集合体ですし、心の移り変わりっていうのが少し見て取れて、そこは非常に難しかったなと思います。
 ファジラボ  2022.10.30【無料】木山隆之監督『やっぱりもっと強くならなければいけない』(田中雄大 河井陽介 輪笠祐士 柳育崇)【2022 J1参入プレーオフ1回戦 山形戦 コメント】https://www3.targma.jp/fagilabo/2022/10/30/post21432/

思い起こせばリーグ最終戦(10/23、東京V)、試合終了後に本山くんがガチの悔し泣きを見せていました。葛藤や重圧があるんだな、、、という思いも半分くらいありましたが、それ以上に「いや、今年のファジならやってくれるじゃろう!大丈夫!」という思いを持って見ていました。
しかし、隠し持っている手札がまだ残ってるのであれば、本山くんが涙を見せるほど本気で悔しさを滲ませるようなこともなかったはずで、やっぱり当たり前ですけど、ファジ戦士・監督コーチ陣がこの1か月(10月)、相当な葛藤・重圧とも抗いながら過ごしてきたんだな、、、と、すべてが終わってみてようやくわかった気持ちであります。

最後の最後で破れる殻がなくなった。けれども、レギュラーシーズンで殻を破り、殻を破り、その都度強い・勇敢なファジを見せてもらえたわけだし、そのマネージメントがあったからこそ、レギュラーシーズン3位(過去最高)、勝ち点72(過去最高)、得失点差+19(過去最高)という成績を残せた。プレーオフにも出てこられた。岡山にうねりを起こせた。

これは紛れもない事実だし、今季のファジの功績は、末永く語り継がれてよいものと思っています。

最後に見た景色から

ことしいち、むなしい選手ひきあげシーン。それでも、多くのサポーターが最後まで見届けた

最後、ホイッスルが鳴っても、山形の選手たちが歓喜に沸いても、岡山の選手たちが挨拶を終えて引き上げるまで、帰らずに見届けたサポーターの方が多くいらっしゃいました。大人も子供も、みな等しく、唇をかみしめていたと思います。

つらい景色ではありました。しかしこの時見えた景色を、積極的には思い出したくない景色を、忘れないようにしたいものだなぁと思いました。特に子どもたちには、この時感じたことや思ったことを、大事に持っておいてほしい。なかなか、普段の生活で味わえるものではないと思います。

これはスポーツであってゲームではない、とか、相手がいる以上すべてが自分の思い通りにはならないものである、とか。身をもって体験して、思い通りにいかなくて、悔しかったりつらかったかもしれない。しかし、あの日スタジアムで歓喜に沸く対戦相手を見ながら唇かみしめた、その時の気持ちが、今後どこかで活きてくることがあるかもしれない。

悔しくて泣いちゃったというお子さんもいることだろう。でも、そこまで本気で熱中できることがある、それ自体がとっても良いこと。

山形さんが歓喜に沸いていたあの光景を、今度は岡山が主役となって再現するのだ!という気持ちになれたら、また前を向いて、今度は心を来季に向けて、歩いて行ければいいと思っています。

来季に向けて

来シーズンの編成は、これまた全く分からん。ファジを去る決断をする選手もいるでしょうし、残ってくれる選手もいるでしょう。ただ、どんな決断であれ最後まで尊重するのも、サポーターの役割と思うております。それぞれのチャレンジを応援しましょう。(ただ来季、同じカテゴリの別クラブで岡山戦の時に活躍してくれるのはちょっと勘弁かな〜苦笑)

個人的には、今シーズン1年通じて起用され続けた若手たちが、今年の経験を糧にして更なる飛躍を遂げていったりしてくれんじゃろうか?と思っています。1年目から試合に出て、嬉しい時楽しい時苦しい時辛い時をひと通り経験し、最後に強烈にガツンとやられて終わった。これもまた、誰もが経験できることではない。彼らには無限の可能性がある

「あの時ああしておけばよかった」「こうすべきだった」などなど、さまざまな後悔や反省があったと思うので、それを来季、ぜひファジで生かしてぶつけてほしい。そして、このクラブを再び、高みへ連れて行く原動力となってほしい。今年できなかったことに来年、改めてチャレンジしてほしいと思っています。

あくまでも、ファジで

いつかこの悔しさ晴らそう、ファジで。
(写真はアウェー東京V戦より)

ファジアーノ岡山の今シーズンの戦いはひとまずこれでオシマイとなりました。しかしJリーグのシーズンが閉じたらワールドカップなんかもありますので、しばらくはそれで楽しめると思います。

自分の考えを書いて作ってネットの世界に放流して、何か他の皆さんの参考になればと思い書き始めたnoteですが、思った以上に多くの方々にご覧になっていただけて、なおかつ双方向のコミュニケーションも出来て、これはすごく良かったなと思っています。ご意見、コメント、リツイート、いいね、スキ、いただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

シーズンオフは何か書きたいことが浮かんだら書いてみようと思います。あとは「ファジがやられた・手を焼いた選手でスカッド組んだ2022」とか、ちょっと考えてます。書く時間があったら、書いてみます。

来年もココロヒトツニ


(了)




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