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茶を飲むとき、人は炎に代わる#Day4

こんにちは、堀切ユカコです。
今日は私の駆け出しの趣味の話をしたいと思います。

私は、ここ一年ほど、お茶にハマっています。
お茶の中でも特に中国茶が好きです。

 中国茶は飲まれてきた歴史は長いものの、日本の茶の湯と違ってより日常に近い印象です。
 元々は庶民の飲み物であったものの、非常に美味しく薬効も期待され、皇帝に献上されました。お墨付きをもらい、お茶の名産地ができ、品種がブランド化していったという歴史があります。
 ちなみに、日本でも大人気の台湾発のタピオカ屋「貢茶(GONG CHA)」は、皇帝に献上するお茶という意味です。日本の感覚だとだいぶ思い切ったネーミングですよね。


ハマったきっかけ

 初めて中国茶を飲んだのは、大学生の時です。海外で働きたいと考えており、その中でも中国が第一候補でした。当時アルバイトをしていた設計事務所の中国出張に同行させてもらった時です。
 建材市場という、広い敷地にショールームが建ち並んでいる場所に照明を探しに行きました。いつも利用している照明のお店に入ると、裏から店主が出てきて、急須にお茶を汲み始めました。
 ちょっとした打ち合わせでしたが、立ち話ではなく、低い椅子に座って小さなテーブルを囲んでいました。もてなす側とお客さんの距離の近さも独特です。

 その時に、「お茶」ではなく「中国茶」という独特のスタイルを認識しました。

 その後、中国では半年ほど暮らしていました。クライアントとの打ち合わせの時は、仕事がひと段落した後に、毎度のようにお茶を飲みます。ビジネスマンとして、大抵の人はお茶の淹れ方は必須の知識なのかもしれません。滞在中は、現地の人のお茶の日常づかいに特別なものを感じながらも、そこまでお茶に興味を持ってはいませんでした。

ここまで、広く深く文化として残っている1つの理由は、単純に「美味しい」ことにあると思います。
烏龍茶と言っても、たくさんの種類があります。日本ではペットボトル入りの冷たいものが主流ですが、その味しか知らなかった私にとっては衝撃でした。
日本に帰国後に、またあのお茶を飲みたいと思うようになり、茶葉を自分で買ってみようとすると、その種類の豊富さと、飲み方の多様さにまた惹かれていくのでした。


私のお茶の楽しみかた

中国茶に関しては、知識も浅く淹れ方も駆け出したばかりなので、詳しいことは言えませんが、素人なりの私の楽しみ方をお話ししたいと思います。


お茶会

中国茶の他の意味の1つはお茶会です。茶道と異なり、厳格なルールがあるわけではないので、気軽に参加できます。
私はインスタグラムでいつも全国各地で開かれているお茶会を探しています。

 今まで参加した中で一番印象的だったものは、とある陶芸家さんが個展の際に会場の一角で淹れていただいたお茶でした。普通のお茶会とは一味違って四角に桜の木の枝が建てられおり、天井に簾がかけられている簡単な小屋の中で、創作されたお茶を飲みました。
 その1つに蓮の葉を使って白茶を飲むという遊びがありました。蓮の葉の茎の付け根に穴を開け上から注いでもらうと、空洞の茎を通ってお茶を飲むことができます。ほんのり蓮の風味が感じられ、また葉をくわえているその光景も面白くて、記憶に残っています。

 また、お茶会の醍醐味は自宅とはちがった特別な空間でお茶を飲めることです。中国茶は小さい茶碗で何煎も長い時間をかけて楽しみます。ゆっくりとした時間を過ごすからこそ、その場所の心地よさは大切です。
 日常の中の非日常を楽しむことができます。
今日初めて会った人ばかりの回ですが、お茶をゆっくり飲むので、たくさんのお話しする必要もなく、あまり社交的でない私でも気にせずの溶け込むことができます。


茶葉を買う、背景を知る

 お茶の種類は数えきれないほどあり、あの時何を飲んだのか思い出せないほどです。最初はお茶の説明をされてもさっぱりでした。

 自分で手頃に手に入るお茶を一通り買ってみて飲んでみた時に、お茶の種類や特徴が整理された気がします。また、好きな種類のお茶や品種がわかるとそのお茶の産地や特徴について知りたくなるのでより一層お茶について知ることができました。
 すると、どんなシーンに会うお茶なのかを考えるようになります。目覚めのお茶なのか、午後の休憩のお茶なのか、友達と飲みたいお茶なのか、1人で飲みたいお茶なのか。冬なのか、夏なのか。お茶は季節や時間、その日の気分について、感じることのできる1つの基準なのかもしれません。


もっと楽しむために

 お茶会に参加すると、茶人の方が丁寧に美味しいお茶を淹れてくれます。

 その時に味の違いがわからない時があります。
 種類が違ったり、年代が異なると味も変わるのですが、その違いは繊細です。中国茶をより楽しむためには、自分の舌の感度も重要だということを知りました。

それまであまり気にしていなかった、食事を見直してみました。味噌なら本当に発酵しているものを、出汁も顆粒タイプのものではなく食材から直接とったものなど、なるべく本物の味を使うようになりました。


お茶の魅力

これだけ語っても、お茶は飲んでしまえば残らないというのが面白いところです。お茶を飲む人間は炎のように、時間をかけて作られたお茶を、たった一瞬で飲み干してしまいます。
飲んだ後に残るのは、記憶のみ。
その潔さも私が惹かれる魅力の1つです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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yugyo@「インスタント移住」出版しました
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