トリトンオレンジ

もし、木ノ実までも食べつくしてしまったら。

オレンジを食べながらふと思った。

”タネだ。”
“もし、果物を食べる動物たちが、お腹が空いたからといって、果物のタネまで全部食べてしまったらその山の果物は全滅してしまうな“と。
“動物たちはとても賢いな”
果物のタネを残すことで、また木が育ち食べ物も尽きることなく生命を保つことができる。

なぜ動物たちは種まで食さないのか。


動物は人間と違って理性ではなく本能に従って生きていると習ったような気もするが、では動物は本能的に、植物のタネを残し食料を絶やさないとようにしているのだろうか。


 生態系がそのようにシステム化されていることとか毒があるためとか、科学的には言えるのかもしれないけれど、自然界における動物と植物の関係を地球の秩序のありのままの存在だと考えてみる。


 つまり、損得や利害ではなく持続的な状態を可能にする関係、それが自然体と呼べるのではないかと。

 普段の私の行動を考えてみると、自然環境について思いを巡らす時間はほとんどなかった。

 スーパーではプラスチックバッグが有料化したからもらわないけど、コンビニではもらってる。

そこには損得感情が存在していて、環境保護になる具体的な行動にまで結びついていなかった。
 
 あるニュースを覚えているだろうか。
神奈川県由比ヶ浜にシロナガスクジラが漂着したニュースを。
私はすっかり忘れていて、母との会話の話題に上ってきたことで思い出した。
死因は断定されているわけではないが、胃の中からプラスチックが大量に出てきたそうだ。
参照https://mainichi.jp/articles/20180901/k00/00e/040/249000c

 きっとこれは珍しいことではないだろう。海洋生物のゴミによる被害はだいぶ前からずっと指摘され続けてきた。

クジラは大量の水を飲み込んで栄養を摂取するため、ゴミが浮いていれば否応無く消化器官に入ってしまう。


 またこんな話題もある。現在地球には新しい大陸が生まれている。ゴミによってそれも3つも。太平洋にあるゴミの大陸は太平洋ゴミベルト(GPGP)と呼ばれアラスカの面積に相当するそうな。
参照https://www.youtube.com/watch?v=KZVkq9x0hyA


 小さなガゴミが流されて流されて一つのところに集まってそれが何年もかけて肥大化して行く。これは現在進行形のこと。

 多分ほとんどの人は、意識的に環境を破壊しているわけではないだろう。
言うなれば±0の立場である。きっと直接的な害は与えていないかもしれない。

 視点を変えて考えてみる。

 動物と植物の関係は非常にふフラットで持続的。そこには利害関係ではなく普遍的な秩序に基づいている、これもまさに±0。しかし人間は道にゴミを捨てたり不法投棄したり、それが海に流れ、やがて大きな島になっていく。

 その時のめんどくささや、損得感情による人間の-αを行なっているからである。一人でも-αがいれば自然体な関係は崩れる。

 この時代、-αが大量発生してしまっているならば+αが増えない限りシーソーは傾いて行く一方ではないか!

 海洋生物が全滅してしまうだなんて、想像もつかないけれど、それは果物の種を動物たちが全部食べてしまった時を考えるとなんとなく納得できる。  

 動物たちと同じように、フラットな関係を築いて行くことは人間のためでもある。

 今日、固形のシャンプーが売られていたので買って見た。

なぜわざわざ固形にするんだろう?


店員さんに尋ねて見たところ、その商品はニュージーランドで作られていて、シャンプーに利用されるプラスチック容器を固形石鹸にすることで紙に変えられるからだそうだ。


 なるほどな、と思った。


シャンプーの詰め替え用だって結局はプラスチックなのだから、ゴミの量は節約できても、時間を稼ぐだけである。
 ニュージランドは、野生動物の種も豊富で、日本より人間が動物に与える影響に敏感なのだろう。

 ペットボトルはリサイクル、カフェではなるべくマイボトルやマグカップ、エコ理念の商品を使う。


『色々できることはあるけれどまず先に、現状を知ること。またはこのゴミが一体どこに行き着くか考えてみること』が行動を変えて行く原動力になるはずである。


 人類規模で考えてみると絶望的になる。一人がリサイクルしたところで、テレビを海に捨てる人がいれば何も変わらないし、

むしろマイナス。


なのでこればっかしは個人の問題として、まずはコツコツ海洋植物たちとの自然体を目指していきたい。

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