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人生がほんのちょっと変わる「10°CAFEパーソナルブース」(東京都豊島区)

お盆明けの今日から出社した人も多いだろう。
出社かテレワークかを自分で選択できる人は日々猛暑が続くのでひょっとすると今日も在宅ワークをしたのかもしれない。

通常、普段の仕事場はオフィスや自宅やシェアオフィスなど固定で決まっている人が多いと思うが、ほとんどは必要に迫られてその場所で仕事をしているのだと思う。

でもたまには気分転換や健康のための散歩がてら、または視界に入る風景を変えるために働く場所を変えてみたい時もあるだろう。

そんな時、お気に入りのカフェで仕事をするのも良いのだが、
業務上オープンな場所でPC作業をすることができなかったり、
オンライン会議に参加しないといけない時間があったりすると
カフェでは仕事できないとあきらめることになる。

そこで、最近少しずつ増えているのがカフェと仕事場が両立できるワークラウンジ併設カフェだ。

従来より、カフェ営業のお店が付加価値として、電源やWi-Fiを提供しているサービスは以前からあった。

ただそれはあくまで飲食を目的として来店する顧客へのおまけ的な位置付けであって、主たる目的のために提供される機能やサービスではなかった。

そのため、テーブルや椅子はカフェ仕様そのものでゾーニングも特にされていない。どうしても、他よりは多少仕事がしやすいカフェ、という存在だった。

高田馬場駅から歩いて3分ほど、神田川沿いにある「10°CAFE」は、カフェと仕事場の境界をビルのフロアで線引きしている新しい業態のカフェだ。

1Fと2Fは通常のカフェ営業だが、3Fは全席が仕切られ半個室のワークブースとなっていて、料金体系も異なっている。

ワークブースは滞在時間による従量課金制で、しかも飲食物の持ち込みまで可能だ。3Fが完全に仕事をする空間として専用に提供されている。

なお、1Fは基本的には普通のカフェスペースだが、カウンター席と対面する形で一人ずつ横並びに座る席配置のため、オープンな空間でくつろぎながらPC作業をしたい人に向いている。

実際、筆者が訪れた時にも、1Fのカフェ席でもPC作業をしている人がいて、
3Fで作業に集中したい人や、オンライン会議がしたい人などとの住み分けになっているようだった。

ちなみに2Fはテーブル席メインなのでカップルや家族利用などグループで賑やかに食事をする空間としてゾーニングされている。

10°CAFEの店舗入口
1Fフロアはどちらかというとカフェ空間で仕事したい人向き
3Fは半個室のパーソナルブースが8室ありカフェとは完全に区切られている
ブース内の様子
ミニホワイトボードなどちょっとした備品の気配りがうれしい

もちろん仕事場としてのスペックという意味では、専用のシェアオフィスやコワーキングスペースなどと比べると同じレベルとまではいかない。

オフィス代わりに毎日終日利用する、という選択肢には入りづらいだろう。

ただ、カフェ併設ブースという最大の特徴を活かして、
カフェメニューがブースからその場でスマホオーダーでき、手軽に食事ができるようにしているなど、

カフェ以上シェアオフィス未満というカジュアルな仕事場ニーズを満たす可能性は十分にあると感じた。

筆者は10°特製ハヤシライスをランチに食べたが大変美味しかった。
ランチ時間に混んだり並んだりしないで良いのもカフェ併設ワークブースのメリットの一つ。

カフェメニューはランチボックス形式で提供される

ここ数年で、カフェやカラオケ、ホテルなど、他業種からワークスペース営業に進出する例は珍しくなくなり、今後も増えていくだろうと思われる。

ただ既存のスペースをそのままワークスペースとして時間貸ししようとしたところはあまり成功していないのが実態だ。

うまくいかない理由はいくつか挙げられるが、しっかりとワーカー目線でワークスペースを設計し提供していないところ、本業(既存業態)とのシナジーを出しきれていないところは、なかなか苦労しているし、早晩撤退していくだろう。

カフェ併設ワークブース形態が今よりももっと浸透していくかどうかはまだ分からないが、少なくとも筆者のようなノマドワーカーにとっては、日々にほんの少しの彩りと変化を作る、"今日の仕事場"の選択肢の一つになってほしいと思う。



ちなみに「10°CAFE」という店名は「人生が、ほんのちょっと(10°)変わるキッカケ」が見つかるお店、という意味だそうだ。
10°CAFE


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山本 清人 / Kiyohito Yamamoto
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