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【ワーケーション体験】茨城県・阿字ヶ浦のAJIKATIONで海辺テントサウナに挑戦!

阿字ヶ浦海岸のコワーキングスペース「イバフォルニア・ベース」が移転1周年の日にワーケーションイベントをすると知って、移転前のイバフォルニア・ベースに1度行ったことがある僕は人見知りにもかかわらず思いきって行ってみた。

浜辺のテントサウナと、店舗移転1周年記念のBBQという
陰の者(僕)にはものすごくハードルが高そうなイベントだったのだが、
勇気を振りしぼって参加してみた結果どうなったのか?

僕みたいに普段の休日はどこにも出かけずdアニメとか動画を見て1日過ごすような人間がワーケーションイベントに一人参加すると一体どうなるのか?
実際体験してみたので良かったら参考にしてみてください。

当日の阿字ヶ浦海岸

ワーケーションは突然に

その日、朝起きてたまにしか開かないFacebookを何気なくのぞいてみると、
茨城県ひたちなか市の阿字ヶ浦海岸で民宿とコワーキングスペースを運営している小池さんの投稿がふと目に留まった。

小池さんのFacebook投稿記事

イバフォルニア・ベースというのはコワーキングスペースの名前だ。
茨城の海岸を、カリフォルニアのような自由で幸せ溢れる海岸へしたいという思いから地元の有志たちと立ち上げた「イバフォルニア・プロジェクト」が名前の由来となっている。

僕は1年くらい前にその話を知って一度イバフォルニア・ベースにワーケーションをしに行ったことがある。
といっても海辺のコワーキングスペースで仕事をしたというだけだけれど。
当時のイバフォルニア・ベースは、地元で民宿満洲屋を営んでいる小池さんがもともと海の家だった場所をDIYでコワーキングスペースにリノベーションして運営していた。

阿字ヶ浦のあたりの旅館やホテルは、以前は学生のスポーツ団体客の利用が多かったそうだが、この数年はそれもほとんどなくなってしまったという。
ワーケーションは新しいプロモーションの試みとして期待していると言っていた。

そういえばイバフォルニア・ベースは移転すると言っていたな。
移転してもう1年も経つのかぁ。
今回のイベントではテントを使ったビーチサウナというものをやるらしい。
ビーチサウナ、興味ある。

サウナは最近流行りで会社の同僚もよく行っているし、ビーチサウナも聞いたことがあるけれどどういう風に入るのかよく分からない。
全く知らないところに初参戦するとウェイ系パリピ集団がいたら困るというひどい偏見で興味はあるけれど行くことはなかった。
でもイバフォルニアがやるなら小池さんもいるだろうし分からないことがあれば聞くことも出来るだろう。

BBQの方はちょっとハードルを感じたけれど、週末は特にすることがなかったし、試しに行ってみるか、くらいの軽い気持ちで急遽参加することにした。

テントサウナ。どうやって入るのだろう。
水着持参と書いていたが。当たり前か。
屋外なんだからそりゃ裸じゃないよな。水着を持っていこう。
幸い、いつ買ったかも分からない水着が自宅に奇跡的に残っていた。

阿字ヶ浦駅から海岸へ

海と干しいも

ひたちなか海浜鉄道のワンマン列車に揺られてのどかな田園風景を進んでいくと、終着点に小さな阿字ヶ浦駅がある。
駅から歩いてすぐ海が見えるのでちょっとテンションがあがる。

ほしいも作りを祈念して建てられたほしいも神社

駅から海辺までの途中に、ほしいも神社がひっそりと現れる。

ほしいも造りを通して我々生産者や町の人間が受けた神の恵みや社会に対する恩を、神社の創建を通してあらわすとともに、幾久しく当地のほしいもづくりを続けられるように祈念してするための新しい神社です。

ほしいも神社公式サイト

実は茨城の干しいもは全国の生産量の9割で、特にひたちなか市はその中心地である。
さつまいもの生育に向く水はけのよい土壌と、冬場に海から吹く冷たい風が干しいもの生産に適していて、漁師の副業として広がったと言われている。

その干しいも作りを祈念する意味と、ほしいものを叶えるというダブルミーニングで、
もともとあった堀出神社の境内に令和になって新しく建てられたという。
特にこれといって特徴はない小さな神社だけれど、干しいも好きな方は良かったら立ち寄ってみてください。

新しいイバフォルニア・ベーへはこの電柱を左に曲がる

イバフォルニア・ベースに到着

阿字ヶ浦駅から10分ほどの距離の海辺沿いに、新イバフォルニア・ベースは移転していた。

イバフォルニア・ベース正面入り口
店内

イバフォルニア・ベースは海辺のコワーキングスペースだ。
東日本大震災の後に出来た堤防に隠れてしまって残念ながら1階からでは海は見えないが、
隣接する2階の建物のベランダからは砂浜がよく見える。
ワークスペースからはまさしく秒で浜辺にいくことができる。

ワークスペース内は倉庫のような天井の高い空間にWORKができるようにテーブルが設置してあり、DIYで作ったブースなどもある。
5人〜10人くらいまでの利用がちょうど良さそうな席の数と広さだ。
ここではがっつり仕事をするというより、気分転換に海辺でワーケーションをしたいというような人に向いていると思う。

ワークスペースは素朴にテーブルと椅子があるだけだが、
DIYの手作り感が良い雰囲気を醸し出しているのと
ローカル情報満載の冊子やチラシが棚に陳列してあったり、
お菓子やインスタント食品が販売してあったりするので
ゆったり流れる時間を満喫しながらのんびりとリモートワークができる。
仕事に飽きたら浜辺に出ればいいし。

テントサウナをついに体験

テントサウナ外観

ワークスペースには小池さんの姿が見えなかったのでその場にいた女性に聞いてみると、小池さんは出かけているという。

お、いきなりボッチが確定した。

Facebookでワーケーションのイベントがあるのを見かけて来たのだと伝えると、その女性はわざわざテントサウナの場所まで連れて行ってくれた。

テントサウナはワークスペースが隣接する元旅館の2階のベランダに1張り設置してあった。
女性はテントサウナのことは詳しくないから、この人に聞いてみて、サウナのプロだから。
とテントの近くにいた若い男性に僕を紹介して、そのまま立ち去ってしまった。

サウナのプロ?

人当たりの良い親切な女性だったけど、そもそもイベントのスタッフだったのかな。
テントのプロとは知り合いのようだったし、スタッフだとしても参加者だとしてもみんな知り合いなのかもしれない。

テントのプロは海パン一丁でテント横で日光浴をしていた。
ひと目でスタッフか参加者かの見分けはつかない。

僕は改めてイベント参加者であることをその若い男性に伝えて、テントサウナは初めての体験であることを話すと、確かにプロらしく詳しく丁寧にサウナの入り方と過ごし方について教えてくれた。

テントサウナの内部

男性は、鈴木さんという静かな語り口の真面目そうな青年だった。
普段はサウナ職人としてヴィヒタを使った仕事をしているという。
僕はヴィヒタというのも初めて知ったので詳しいイメージができなかったのだけれど、
ヴィヒタ自体は白樺の若い枝葉を束ねたもので、サウナに吊るしたり全身を叩くようにして使用する。
ヴィヒタを使うと、「ととのう」の先にある、宇宙にいけるらしい。

このテントサウナは鈴木さんの友人がなんとイチから開発したもので、
koiaiというブランドで販売もしているそうだ。
普通の会社員だったのが、趣味のアウトドアとサウナからアイデアを生み出しテントサウナを始めることにしたと。
すごい行動力だ。

テントサウナはロシアや北欧系メーカーのものが主流だということで日本産は珍しいらしい。
テントの中に入ると、椅子とサウナストーンが入ったストーブがあり、熱気でかなり熱かった。
排気ガスはテントの外に突き出た煙突から外部へ放出される仕組みで、
中は通常のサウナと何も変わらない。

鈴木さんによるとテント内は80度くらいの温度らしく
(さすがプロは温度計がなくても分かる)、
汗をかいてきたらロウリュをするとよいと教えてくれた。
でも汗をかきにくい体質の人は最初からロウリュするのも良いとのこと。

鈴木さんと一緒にサウナに入りながら、ロウリュをしてもらうと
一気に温度が上がった気がして肌がかなりヒリヒリした。
でもこれは実際には温度が上がったわけではなくて、湿度が高くなったために熱く感じるのだそう。

というようなことを波のさざめきを聞きながら会話していると
鈴木さんも僕も汗がだらだらと出てきた。
鈴木さんもかなり熱がっていたな。そりゃそうだ、いくらサウナのプロだからって熱く感じるのは同じだ。

サウナからの海の眺め

体感10分以上いた気がするが、多分10分もたたずに肌が真っ赤になってきたので(普段全然サウナにいかないのでなれていない)、
僕だけ先に退散し、ビーチサウナの醍醐味、海でととのう、を実践することにした。

人見知りの僕はワーケーションに参加してすでに初めましてを2回繰り返し、初めてのテントサウナに戸惑いながらも
その場で知り合った親切な専門家に教えてもらいつつ、気づいたころには十分に楽しめている自分に気づいた。

海に入ってととのう

目の前に潤沢にある冷水風呂(というか海)

肌が真っ赤になってきたので急いで砂浜に駆け寄る。

冷たさが気持ち良い!

7月上旬で天候も良くない日の夕方だったのでさすがにダイブはせず。

控えめによっこらしょっと波打ち際に腰を下ろして、
ちょうど良い加減に身体を冷ましながら水平線を眺めて過ごした。
銭湯のサウナの後の水風呂って水が冷たすぎて僕は入るのが無理なのだけれど、この季節の海なら気持ちよく入れる。
これなら水風呂が苦手な僕でもととのうことができるかもしれない。

2階ベランダのテントサウナが見える

後ろを振り返ると先ほどまで入っていたテントサウナが2階のベランダに見える。
サウナに入って熱くなったら、海に入って冷やす。
このセットを何回か繰り返してサウナからあがることにした。

結果ととのったのかはよく分からないけれど、気分は爽快だったのでこれをととのったということにしよう。

和気あいあいとBBQは始まる

設営は集まった人でのんびりと始まった

BBQは18時からだったのだけれど、シャワーを浴びてその時間に戻っても
まだ設営の準備が始まったところだった。
こののんびりな感じがせかせかとした日々との対比でむしろ心地よい気がした。

テントサウナがあるベランダを会場としたBBQには多分20人くらいいただろうか。
ほとんどは何かしらイバフォルニアに以前から関わりあいのある人たちらしく、いくつかのグループに分かれて賑やかに談笑したり、BBQの設営をしたりしていた。

オーナーの小池さんとも無事に再開することができたけれど、
小池さんも準備に忙しそうだったので、手持ち無沙汰な僕もなんとなく手伝えそうなことがないかふらふらしてバケツに水を入れるのを手伝ったりしてみる。

こういう時、やることがないとぼっちってつらいですよね。
役割を自分で見つけられる人はいいんだけど、僕のようにコミュ力のない人間は自分から話かけることも苦手なのでなんとなくうろうろしちゃう。

堂々とベランダに寄りかかって海でも眺めていればいいのかもしれないけど、
それはそれでせっかくこうしてBBQに参加したのにもったいない気がして、
中途半端な立ち位置でたまに手伝ったり、海や暮れゆく空を眺めたりして
時間を過ごすことになる。

僕ほどのプロになるとぼっち耐性は十分にあるんだけれど、
もっと関わりたい、という気持ちはあるんだよな。
なので片隅で一人でいる人がいたら試しに声かけてみてください。
話しかけられたり、役割を与えられると結構嬉しかったりする。

このあたりはワーケーションを開催する側はコミュニティマネージャー的な人が意識をするとよいかもしれない。
お客さんだからと遠慮せずにどんどん巻き込んでいく。

まあ逆にもっと自分から積極的に入ってこいよ、と思われているとも思うけど。

茨城のご当地クラフトビール

そんな感じで開始当初は想定通りにボッチ感を堪能していた僕ですが、
アルコールの提供が始まったあたりから割と自然に周囲の人との会話が生まれるようになっていました。
アルコールは偉大。

五霞町職員とプロカメラマン

このBBQがあることを今日知って飛び入り参加したというOjiroさんは、
生まれ育った五霞町を変えたい!という思いで旅行会社から町役場職員に転職した熱い志をもった人だ。
ゼロイチで地方創生のビジネスを立ち上げたいと語っていた。

五霞町は県西南端のほぼ埼玉に近い位置にある町で、
阿字ヶ浦とは端と端である。車だと1時間半かかると言っていた。
翌日の6時半から選挙の対応がある言っていたのでかなりタフである。

新規事業を創る人は僕も大好きなので応援したい。また今度機会があったら五霞町に行ってみようと思う。

ふと視線をうつすと、一人で空を見上げて黄昏ている人がいたので親近感を覚えて話かけてみた。
立派な一眼レフを常に片手に持っていたのでプロのカメラマンですかと問いかけると、そうだと彼は答えた。

初対面の人との会話のハードルをさげるアイテムとして、こういう一眼レフとか何かキャラが立つものがあると良いのかもしれない。
もちろん彼はそんなつもりで持ち歩いているわけではないが(ちゃんとBBQの様子を時折撮っていた)、
会話のきっかけというのはささいなものでも、
あるのとないのとでは大きく違うのだ(多分)。

「写真はテクニックじゃない、目的が大事なんだ」
と彼は僕に教えてくれた。
カメラの性能が上がりそれなりのクオリティの写真なら誰でも簡単に撮れる時代になったけれど、
何を何のために撮るかということが分かっていないと良い写真は撮れないと。
どこの世界でもWhyとWhatが重要ということだ。

全然関係ないけどアニメの聖地巡礼の話になって
(阿字ヶ浦の隣には有名な大洗がある)、
所沢のKADOKAWAミュージアムがいいよと教えてもらった。
今度行ってみよう。
こういう出会いからまた新しい出会いが生まれるのだ。

そんなこんな話をポツポツとしているうちに、BBQにもそれなりに馴染んでいたと思う。
本当は最後までいたかったけれど、僕は日帰りで帰る必要があったので
小池さんに挨拶をして、一人早めにその場を後にした。

知り合いがほとんどいないBBQイベントに一人参戦するのは最初は心理的ハードルが高かったけれど、
ワーケーションに集まる人はその土地と人との交流が好きな人が多いので
自然と話しかけてくれることもあるし、
できれば少し自分からも勇気を出して話しかけてみるとよいかもしれない。

ということで、
阿字ヶ浦のワーケーション「AJIKTATION」イベントに参加して、
テントのビーチサウナとBBQを体験してみた。

テントサウナはお一人様でも全然大丈夫なアクティビティだったし、
BBQは無理なく自然体で適当に過ごすことが出来た。
心配していたほどのボッチにならなくて良かった。

結果としては、
人見知りで隠キャなおじさんでも充分に楽しめたと思う。

仲間内のローカルなコミュニティだったとしても、
よそものにもオープンだし
ひとりで旅をしてる人も参加しているので
そういう人を見つけられたのも良かった。

今後の宿題としては、
仕事以外ではじめましてをするときに、
話の掴みとしても会話しやすいように、
自分の会社員以外の属性やタグも見つけておきたい。

おまけ

究極のメロンパン

茨城県はメロン生産量も日本一らしく、茨城産クインシーメロンを使用したメロンパンを駅(勝田だったかな・・・?)のキオスクで買って食べた。
確かにクリームのメロンの香りが芳香で美味しかったです。

帰りのワンマン電車での出来事。
電車賃の支払いはあきらかに現金払いだけなのに、
車掌さんに「paypay使える?」と聞いていたギャルがいて、
茨城の女性は強いなぁ、と感心。

ワーケーションにかかったお金

  • 交通費:3,210円

  • テントサウナ:1,100円

  • BBQ:3,300円

  • 合計:7,610円

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山本 清人 / Kiyohito Yamamoto
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